前田大然のスプリントが有名になってきて、彼のことをあらためて調べてみたら、こんな数字が載っている。
『50mを5.8秒で走る俊足。2019年のJ1第2節大分トリニータ戦では53回、 2021年4月6日のJ1第8節セレッソ大阪戦では計測開始史上最多となる62回のスプリントを記録した』
このウィキペディアにあった内容がどんな意味を持ち、どれほど凄いことなのかを書いてみたい。
規定の「スプリント」とは、100mを15秒以内で走るスピードを1秒以上続けたら1回とかぞえるもの。これが1ゲーム50回半ばの例では岡崎慎司を思い出すが、60回を超えるなどは聞いた事が無い。ひょっとして、レスターのプレミア奇跡の優勝とロシアW杯フランス優勝との立役者にして現在チェルシーに居るエンゴロ・カンテができるのかななどと思ったりする。なんせ、ちょっと良い選手で1ゲームに30回というところだろう。ただ走るのではなく、ダッシュは脚に来るのである。
こういうスプリント回数が多くない選手はこんな事になる。攻撃選手なら守備にスプリントが使えず、守備の選手なら攻撃に絡みにくい。前半に走ってしまったら後半の大切なところで・・?などと考えていたら、前半には走りにくくなるわけで、極めて不自由だ。「身方シュートには全力でゴールに詰めよ」とは点取り術の鉄則の一つだが、スプリントが少ないFWはシュートチャンスもつかみにくいわけだ。逆に、これが60回などと、他の走れる選手の倍以上になる前田は、他FWの倍もシュートチャンスに絡んでいくことになる。
現在23歳の前田大然。得点ランク5位、首位とは4点の差があるが、 自ら得点チャンスを作り出せるこのずば抜けたスプリント力をどこでどう使うかを磨いている真っ最中だろうし、得点王も夢ではないと観る。
こんな事を意識してマリノスのゲームを観ると、まー守備にも攻撃にも、あっちにもこっちにも、走ること走ること! それも速い速い、流石50m5.8秒! こんなに詰めが速いと、相手を慌てさせミスも多くさせられるだろうし、得点もどんどん増えていきそうだ。技術の小泉佳穂(浦和)、スプリントの前田大然。いずれもよーく観ているとサッカーが面白くなるという、そんな観せる選手です。