米球界一部で、「フライボール革命」などと言う言葉が使われているらしい。高く高く上がって、滞空時間も飛距離も長いホームランに何よりも客が湧き、集客できるという「経営方針」のようだ。低いボールを強引にすくい上げて打つことも多い大谷などは、さしずめその典型ではないか。これは、落合や野村ら日本の「勝てる」歴代名監督らが最も嫌った打撃法ではないのか。派手なホームラン狙い打撃法は、「出塁、打点や必要な時のヒット(打法)」とは異なるからである。よってこの監督は二人ともこういう方針を堅持していたと覚えてきた。
「ローボールは打つな。これを徹底すればフォアボールも増えて、得点チャンスが多くなる」
大谷が「フライボール革命」に乗っている限り、例え60本打っても、打率は2割5分程度になると思う。ちなみに、大谷がどれだけ持てはやされてもこうして、このチームは優勝できない。現に今現在も、何連敗という真っ最中なのではないか。それでも、チーム人気があれば良いとは、経営側の言うことだろう。選手らは勝ちたいのであって、それが満たされなければチームはバラバラになっていく。つまり、自分の人気が出る個人記録ばかりを追うようになるだろう。すると、やがてはチームの人気も落ちていくはずだ。
というようにプロ・スポーツには、スポーツと営業・エンタテインメントと、こういう相反する二側面があったとずっと観てきた。落合が辞めさせられたのもこの後者のゆえであったと理解したものだった。チームや個人の成績を上げることに徹して成功したから、給料総額が高くなりすぎたこともあったはずだ。12球団程度の数で一チームが強くなりすぎると、全体としての観客総数も減っていくのだろう。そこには、「12球団相互扶助組織」という営業方針も働いているのではないか。