たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『1789バスティーユの恋人たち』より(4)

2016年05月05日 22時24分36秒 | ミュージカル・舞台・映画

池田理代子『ベルサイユのばら大事典』2002年、集英社発行より。

歴史の勉強です。

「ヨーロッパ戦国時代=

 18世紀はヨーロッパ戦国時代であった。1740年、マリア・テレジアの皇位継承を口実にオーストリアとプロシア(現在のドイツの一部)が対立し、
1756年、ヨーロッパ諸国をまきこんだ7年戦争が始まる。同時期、フランスはアメリカ植民地でもイギリスと争うが、イギリスがカナダ領を手中にする。
オーストリアはイギリス・オランドとの同盟では強力なプロシアに対抗できないため、宰相カウニッツの進言で、これまで対立していたフランスやロシアとの同盟を結んだ。

 ヨーロッパ諸国の各々の思惑がからんだ戦争は、1763年に引き分けという形で終結した。

革命前夜=

 ルイ16世が国王になった翌年の1775年からアメリカ独立戦争が勃発する。1781年、ラ・ファイエット将軍率いるフランス軍はイギリスを打ち破ったが、この独立戦争にまでも多くの国費が費やされた上に、さらなる国費の投入は財政破綻の決定打となった。


革命勃発=

 1789年5月5日に三部会の開催。7月11日、平民出身の大蔵大臣ネッケルの解任、14日バスティーユ牢獄襲撃。フランス革命の始まりである。

 1792年4月、フランス国内の革命勢力を押さえ込むためにフランスはオーストリアに宣戦布告。オーストリア・プロシア連合軍との戦争に突入した。」


 パリに出てきたロナンが知り合ったばかりのデムーランとロベスピエールに連れられて新聞の印刷所に行く場面。「新聞ってのはこういうところでつくってるのかあ」「ここで働いてみないか、字なら読めるようだし」って言われて、「俺だって字ぐらい読めるさ」って言うところが可愛かったです。小池君ロナン、加藤さんロナン、それぞれに。この時代、貧しい平民たちは字が読めないのが普通だっていうことですね。(誰もが字を読めるようになったのは近代のこと。近代人は字を読めるために頭で物事を考えるようになってしまった。福音書は字が読めない人たちに向けて書かれたもの、というのは若松英輔さんのお話でした。詳しいことは別の機会に。)

 印刷機の上にひょいっと乗るロナン。それからロナンをはさんで、デムーラン、ロベスピエールの三人が肩を組んで「俺たちは革命が生んだ兄弟。夜通し、朝まで歩こう♪」って歌う時、希望に満ちた未来を描いていたのでしょうか。「自由を手に入れるんだ」と革命を先導していくことになる熱いデムーランといい人な感じのロベスピエール。

 物語の終盤、ロナンが永遠の旅に出た後、「人権宣言をここに採択する」と言った時のロベスピエールはひんやり感があって、革命のことしか見えていない、カリスマ性に満ちた美しさでした。汗をかいていても熱くない。史実を考えると、三部会のマリオネットの場面の、体温を感じさせない蝋人形のようなひんやりとした表情を見せていた時から、すでに革命の兄弟を歌ったデムーランとの関係から変化していることを予感させているという設定なんでしょうね。何回も書いていますがぞっとするような美しい表情に満ちています。

 二幕の最初、民衆を率いて革命家たちが客席の扉からどかどかと入ってきてテニスコートのある舞台へ向かう演出。一階席後方のA席にいるとけっこう間近でエネルギー伝わってきます。


上原さんダントン。
シャルロットに、「おじさん」って呼ばれるモテない男ぶりがいいです。
熱いところは、レミゼのアンジョラスそのまま。





「緑の葉を手に!」と革命を先導する、あったかい体温のある渡辺さんデムーラン。
二回目にみたとき、リシュルとの雰囲気がほほえましいことに気づきました。




 どれだけたくさん本を読めるか競争したと大学時代を語り合う革命家三人に、こんな人きっといただろうなって思わせる架空の人物ロナンが絡んで舞台の物語は進みます。史実は三人の関係が5年後には血みどろ。過去の歴史の上に現在があるので、現在のヨーロッパを思うと様々に考えさせられます。
(ちなみに、イギリスがフランスに買ってカナダを手に入れたとき、プリンス・エドワード島もフランス領からイギリス領になり、イギリスの王子の名をとってプリンス・エドワード島と名づけられました。カナダの公用語は今もフランス語と英語で、エア・カナダに乗ると国内線は両方でアナウンスがあります。国際線は日本語、英語、フランス語です。)

 キャスティングを知ったとき正直少し違和感があったのですがどんぴしゃりでしたね。舞台の上の物語の三人のバランスがいいです。

 
 こんなサイトも参考に読んでみました。

 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1042677640

 歴史の勉強、恐怖政治と革命の終焉はまた連休に書ければと思います。


 トップの写真は、2015年11月30日の制作発表で、「サイナ・モラーム」を歌う革命家三人。オケピネットから。
 舞台写真は東宝の公式FBから転用しています。

新しいパソコン

2016年05月05日 11時37分17秒 | 日記
 6年間使い続けたPCがほんとに危なくなってきたので時間に余裕のある連休中に新しいPCを購入しました。使い慣れている東芝のダイナブック。電話によるサポートもあるので助かります。ほかのメーカーはないそうな。モバイル用ほど軽くないし大きいですが、ずいぶんと軽くなったしキーボードもシンプ。取り扱い説明書も薄くなりました。分厚いものをもらってもどうせ読まないので十分です。データとウイルス対策ソフトの移行がちょっと面倒ですが、少しずつがんばります。

 去年の秋に発売されたモデルと春モデル。ほとんど違いはないのに値段が数万円ちがうそうな。もちろん、在庫限りの安い秋モデルにしました。これでも十分すぎるぐらいです。ほかにほしいものありませんが、断捨離を進めていくのにデジタルは欠かせないのでがんばります。

 昨夜遅い時間にのどの薬を飲んだのが胃袋にがっときたせいか、すごくヘンな夢を見続けました。なかなか疲れがとり切れないまま、明日また出勤かと思うとぞっとします。社会活動をしている方々のメールやFBをみるとまぶしくて仕方ありません。私は、まったく日陰で怒りとストレスのはけ口になる仕事をしているのにすっかり疲弊してしまっていてなにもできずです。こうしてブログを書くことだけです。鉄筋コンクリートのマンションでもお隣の電話の声は聞こえるし、生活時間帯はお互いにはっきりとわかってしまいます。古いのでほかの部屋の食べ物やたばこのにおいも漂ってきます。でも私の唯一の足場。大切なものがまだまだ詰まっています。少しずつがんばります。明日古布の回収日なので、10年以上はいたストレッチパンツとお別れします。真冬のモントリオールに一緒に行きました。ぼろぼろになったのでお別れです。長い間ありがとうございました。