米国の1私企業が自分の判断で格付けをしており、評論家の1つの意見と考えた方がよいのに日本ではマスコミや政界の党利党略に利用され大騒ぎだ。今回の日本の国債をAAからAA-に一段階下げたと言っても子供の通信簿みたいに良くわからないが、他国の国債の格付けと比較すると成績レベルが判る。S&Pの通信簿はAAA、AA+、AA、AA-、A+、A、そしてBへと続き、日本は上から4番目ということだそうだ。
日本より一段階良い成績の国(AA)はスペイン、カタール、バーミューダで、日本と同じ成績には中国が入っている。国家破産が今週のエコノミストに特集されているスペインが日本より成績が良いとは???また世界で最も外貨を有し、欧州の危ない国(PIIGS)の国債を気前よく購入している中国が同じAA-でこの格付けがいかにいい加減かが判る。
格付けが下がると、日本の国債の価格が下がり(金利が高くなる)、円安になるのに実際の市場では、長期金利は変化無く、米国やドイツの長期金利は3%台、日本は1%台、円高も続いている。要は実体経済に全く影響なかったことだ。円安になると日本の景気にプラスになったのだが・・
格付け会社の格付けが信用できないことはリーマンショックでも経験済みだが、良きに解釈すると日本の国家財政の危機を何とかせよと政治に迫ったことだ。日本国家の借金は地方自治体を含めると900兆円、世界の借金王で、貸し主は95%国民だ。しかし高齢化で国民の貯蓄も減少しようとしており、党利党略の国会議論から政策の議論に戻り、厳しいこの国の財政を再建する道筋を作ることが緊急課題だ。