リビアはまさに血塗られた人民革命の真っ最中で、このままではカダフィ大佐の国外逃亡(受け入れるのはキューバくらいか)もしくは処刑という結果になるのだろうか。有名なフランス革命では王女マリーアントワネットの処刑だけでなく罪なき多くの人が断頭台にのぼった。リビアには議会もなく、これからどういう指導者が出て国をまとめて行くのか注目したいが、内乱だけは避けたいところだ。
バーレーン、モロッコと民主化を求めるデモは続いているが、イスラム教のスンニ派、シーア派との争いも加わり、各国それぞれ事情がことなり、どう解決するのか目が離せないところだ。この流れがクエートやサウジにまで波及すると石油危機にまで発展し、我々の生活に一気に影響してくる。
そして問題の中国だが、北アフリカと違うところは経済発展で確実に毎年国民の生活は良くなっていることと共産党独裁とはいえ、指導者は若返っていることだ。また、ネットの普及状況も北アフリカよりはるかに大きい。しかし、この数日間の当局による集会封じやネット監視による干渉は凄まじいようだ。道路で共産党批判の演説をしただけで国家転覆罪で逮捕され、ツイッターやフェイスブックも禁止している。メールも全て監視されジャスミンや革命という言葉は全て削除の対象のようだ。
こうした言論封じは発展している中国の現状から見るといかにも不自然だ。中国人民の欲求不満はマグマのごとく溜まり、爆発する危険性はある。1989年の天安門事件(これは中国では禁句)では6月に入り、軍隊が出動して血の弾圧になったが、今のようにネットがある以上、同じことをやれば一瞬のうちに映像は世界に流れるので軍隊による弾圧は難しい。今回の騒動は共産党政権にボディブローのように効いてくるが、この国には野党がないだけに解決への道筋は見えにくい。