前回のブログで「強欲がバブルを産み育む」というウオール街のことを書いた。最近のTPP論議では農業自由化だけでなく金融の自由化が含まれており、米国の強欲金融機関が日本でのさばるというTPP反対論を主張する学者がいる。しかし、日本の90年前後のバブルは日本人のモラルや優しさをを壊し、尊大さと強欲を生み付けてしまった。その後遺症があらゆるところで残っている。年寄りをだまし年金を巻き上げる詐欺事件や振り込め詐欺事件などはウオール街の強欲よりたちが悪い。
個人競技の相撲では昔から星勘定の貸し借りがあったことは推定できるが、今回の大相撲八百長事件は人間の欲を利用した携帯ネットによる組織的事件だ。事件の背景は関取(十両)という資格を取れば月給103万円、他に年6回の報奨金、年収にしたらゆうに1300万円は越える。その下の幕下は場所ごとに力士養成費として15万円支給され、部屋によってはピンハネされることもあるという。年収は100万円にも満たない。
関取の年収は大会社の課長以上で幕下になると最低賃金にも満たない。異常な賃金体系で十両以上はバビリーな年収で幕下は食事は部屋も持ちだが地獄的な生活となる。これでは組織的なネットを利用した星の売り買いが出て来ることは否定できない。スポーツの世界ではサッカーなど若い選手がバビリーな高給を取り、高級スポーツカーを乗り回している。日本人には節度というものがあったが、バブルがそれをも吹き飛ばしてしまった。
最近の救いは伊達直人現象やヴォランティア活動だ。