アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

もうひとつの「高専経由大学行き」

2011年06月29日 | 高専生活
高専経由大学行き、といえば、高専の本科五年を出たあと、大学三年に編入することをまず想定するけれど、先日もうひとつのコースの体験談を聞いたのでその話。

   にほんブログ村 教育ブログ 中高一貫教育へ←自分できちんとものを考える人の前には道が開けるらしいと思った話

高専の機械科合同保護者会は、二年から五年の機械科保護者が一堂に会するのでかなりの人数。そこで、まずは学科紹介とかから話が始まり、そこから今年の進路集計とか…しかし、学科紹介なら去年も聞いたし、進路とかなんとか言われたって、ウチは卒業できるかどうかがまず心配なんだよっ!! というひねた留年母にとってはイマイチ盛り上がりに欠けることは否めない。

しかし、お楽しみはこの後ですよ~。卒業生の体験談。去年もとてもよかったからね。後で聞いたけど、この体験談は先生方もものすごく楽しみにしていらっしゃるのだとか。

体験談は二人、ひとりは就職コースひとりは進学コース、というのがお決まりらしい。去年は確か、進学のほうはいわゆる大学編入から大学院といった話だったと思う。今年の大学院生は…同じく東工大の院生ではあるのだけど、大学ではなく高専の専攻科経由の大学院進学。

専攻科の位置づけというのはやや微妙なもので、それはもちろんただ本科を出るよりずっと研究は進められるわけだけど、世間的な認知度がね。本科だけ出るより就職がいいかというとそうともいいにくい面があるというか、要するに学歴ロンダリングになってないわけ。

「名」のことだけではなくて「実」の面からも、やっぱり一般の大学生活というものを体験してなくて、高専の中の人間関係だけで社会に出て行くというのは、せっかく二年プラスするにしてはちょっともったいない気もする。

で、この方が大学編入ではなく専攻科を選んだ理由としては、編入するとまず三年のうちはまた授業中心になってしまい研究はあまりできない。高専で学んだことの繰り返しになる面があり、それよりはすぐ本科でやってた研究を続けられるほうがいいと考えたそうだ。なるほど。

ところでここに落とし穴がひとつあり、彼は専攻科二年目のあとさらに大学院で勉強を続けようとして、北陸先端大の内定をとっていたのだが、なんと「学位授与試験」に落ちてしまったのだ(o_o) 専攻科は、たんに終了しただけでは「学位(大卒資格)」が得られず、外部団体から発行される学位をとらないといけないのですね。

それで、内定は辞退しなければいけなくなってしまい、専攻科に残るか?? 高専の研究生になるか?? 浪人するか?? というところで、彼は土壇場で気がついた「大学の研究生」枠に申し込んだ。

それが東工大というわけ。結局、一年間を大学生でもなく大学院生でもなく、でもそこの研究室の活動にはいろいろ参加できる半端なポジションで過ごしつつ、学位をあらためて取り、さらには間近にいて有利な立場で情報収集して大学院試験の準備をすすめ、めでたく翌年には院に入った!!

というわけで、専攻科~大学院というだけでなく、その隙間に一年挟まった変則コース。ご本人がいうには、大学編入より、専攻科から大学院のほうが行きやすいとかおっしゃってますが、これは単なる謙遜なのかそれともマジなのかいまいちわからない。

彼の話は、とても話しぶりもしっかりしていてわかりやすく、それよりなにより考え方がしっかりしているのでとても納得できるのだ。特に、「専門分野を複数持つことのすすめ」。

機械科専攻から、高専で研究した分野は「トライボロジー」(?)。なんでも表面を調べるものだそうだが、現在は「物質電子化学専攻」。要するに軸足が物理から化学に移っているのだ。しかし扱っているものはいずれも「膜」。

もちろんひとつの専門分野を極めていくというやり方もあるのだが、人と違う知識経験を持って研究に取り組むのはものすごいアドバンテージでもある。しかもこの場合は高専と大学という二つのフィールドを持っているわけだしね…

発想の自由度も生まれて、挫折したときも立ち直りやすい。若いのに、自信を持って、「ひとつの専門分野にこだわらないで、積極的に別の分野にも飛び込んでいってください。きっといろいろな発見があります」と語る彼。かっこいい~

にほんブログ村 中高一貫教育  ←ぽちっと応援お願いします
にほんブログ村 ピアノ←こちらでも
にほんブログ村 ヴァイオリン 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする