アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

人を見て研究室を選ぶ(メシの種育て)

2011年08月06日 | 中学生活
卒論を始めるとき、先生方は一斉に、その研究室ではどんなテーマで研究ができるかという、テーマ一覧みたいなのを出してくださる。

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なので、そのテーマの中から自分のやりたいのを選んで→その先生につく(研究室が決まる)というのが一般的な流れだったのだが。私の場合は、「まず先生を選り好みするのが吉だな」とピンと来た(^^;; それで、その先生のところにまっすぐ出かけていき、でもそこのテーマの中には私のできるものがなかったので(笑)、こんなことがやりたいのですがといって、のっけからテーマねじまげ交渉。

その先生は、それまでは物理系の実験の面倒とか見ててくれた人。人柄がよくて、目の付け所がよくて、とても面倒見のいい先生。ヤニくさいのが玉に瑕だったけど。図学研究室の先生だったので、テーマは図学教育に関するものか、あるいはその先生の専門である、高温の金属界面を超音波で測定するとかなんとか(?)とにかく私には縁もゆかりもないもの。

工学系に進むなら、製図とかは必修なんですよね? 私は理二からで、カエルの解剖ならしたけど図学製図はやったことないんで、「数学教育」についてやりたい、といって相談しました。

先生は、いくつか考えられる切り口について確認したあと、快く引き受けてくださって、それで私はめでたく図学研究室に入ることに。ちなみに、同じときよしぞうも、図学研究室の別の先生につくことになりました。

よしぞうの先生も、とてもおだやかないい先生だった(というか、のちの仲人)けど、私がついた先生との違いをあえて挙げればこちらは放任タイプ。私の先生は面倒見タイプ。

卒論の内容は、高校数学の問題(ベクトルあたり)をExpert(熟練者)とNovice(初心者)に解かせてその解く過程をプロトコル分析で比較してどうこうという…まぁ、だからどうしたという程度の、今読むと赤面するくらいの内容だけど、いいんです、卒論だから。研究の「形」を学ぶような段階といってもいいでしょう。

卒論は特に大波乱もなく終わり、先生や先輩には、研究の組み立て方、実験のコツからまとめ方、プレゼン資料の作り方、しゃべり方までほんと丁寧に指導してもらえて、これはもう何から何まで役に立っています。はっきりいって研究の中身はなんでもいいくらい。

波乱があったのは修士に入ってから。このときはもう結婚していたから、四六時中、アルバイトとトイレ以外はよしぞうといっしょの生活で、そりゃ二人いっしょにいれば遊んじゃうから、あまりまじめな学生とはいえませんでした。それでも、いちおう進捗報告でつじつまを合わせるくらいのことはしていたんだけど…

一年経ったとき、私は自分のやっていることにどうにも飽きてしまって、煮詰まって、もうこれじゃやれないという気持ちになったんです。大学は卒業してるんだし、もうやめるというようなことを言ったような気がします。それを、よしぞうが説得してなんとかかんとか。結局、ここから二年かかってもいいから(つまり、一年遅れるということですね)、やる気になるテーマを新たに決めて、先生に相談してみたらということになり、ラフスケッチを描いて持っていきました。

ラフスケッチというのはですね…ほんっとうに、文字通りの、スケッチです。スケッチブックに、色鉛筆で描いた絵です。立体図形を気軽に操作して回したり切ったりして学習できる、パソコン上のシミュレーターのイメージを書いて持っていきました。こんな感じのものを作りたいと。

先生は、この突然の脱線というか反乱というか、とにかくとんでもない話なんだけれども真剣に相談に乗ってくれて、まぁ一年遅らすと決めてしまわないで、基本的には残り一年でこの新テーマをまとめる線で考えてみようよといってくれました。

シミュレーターを作るだけでは、それがうまく作れていても、研究にはならない。でも、それを使ってもらって、効果の確認までやればまとまる。ほかに、どんなことを言われたか詳細は記憶があやふやですが、とにかく私が持っていった雲をつかむような話のなかから、針の先くらいの小さなことでも、よさそうなポイントを取り上げて、そこからプラスに持っていく方向を積極的に探すようなアドバイスをたくさんもらい…

それから一年後、無事に修士を終えることができました(^^;;

よかったよねぇほんとに。この一年の差は、あとから考えるとでかい(バブル崩壊)。

よしぞうの先生は、基本的に特に頼っていかなければほっといてくれるタイプで、それはそれでよしぞうに合ってたみたい。同じく無事に…というか、最後なんか突貫工事の部分があったとかなかったとか、でもちゃんとたどり着きました。

同じときに修論の発表をした人の中には、とても頭が切れる優秀な先生だけれども、マイナス部分の指摘ばかりする(そしてそれは嫌になるほど当たってはいるのだが)タイプの先生に当たり、発表会前日にちゃぶ台返しをくらうなどの、むやみな苦労をしてる人もいた(-_-;; くわばらくわばら。

ま、ポジティブで、自分との話のノリが合う先生につけたら、そりゃハッピーですよね。先生は、私のことを「自分の視点をしっかり持って、対象に切り込んでいくのがうまい」と評してくれました。これは、私にとって、いちばん大事な「メシの種」です。

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コメント (6)
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