ミクシーのマイページの片隅には、いろんなニュースが載ってくるので気になるタイトルがあるとポチポチしてるんだけど…
←複数を並べて比べると興味深い
その中にこんなのがあって
「分娩誘発剤投与、6件で問題点=新生児脳性まひ-評価機構」時事通信社
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財団法人日本医療機能評価機構は22日、2009年から10年に分娩(ぶんべん)で発症した新生児の脳性まひのうち、6件で分娩を誘発する子宮収縮剤の投与に問題点があったと発表した。
投与は脳性まひの直接の原因ではないとされるが、同機構は日本産科婦人科学会などの「産婦人科診療ガイドライン」を順守するよう提言した。
同機構は分娩で脳性まひとなった子どもを救済する「産科医療補償制度」が始まった09年1月から10年12月までに補償対象となり、状況が公表された15件について分析。6件で子宮収縮剤の投与量が多かったり、投与後の評価をしていなかったりしたという。(2011/08/22-21:21)
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なんか、ナナメに読むと「分娩誘発剤怖いねえ、脳性まひを起こしたりするんだ」となりそうなところだけれども、6件という数字の意味するところもよくわからないし、他のものではなく特に分娩誘発剤が問題くさいといってるのかすらよくわからない。
この記事は、時事通信社がまとめたものなので、他社の同内容ニュースを検索してみると、元ネタが比較的原型をとどめていて、記者会見ビデオもついてるこんなのがあった:
「産科補償制度の再発防止で初の報告書- 医療機能評価機構」キャリアブレイン
要するに、産科補償制度というのは、分娩で重度脳性まひになった子どもに補償金を支払う制度で、医療ミスかどうかを問わないところがミソ。本人側からいえば、医療ミスかどうかなんて立証するのはほとんど不可能だから、それはともかく補償金が出るというのはよいところですね。
で、その制度を管理する評価機構のほうで、この制度が発足した2009年から2010年の二年間で実際に補償金を支払った15件について状況をまとめ、報告を出したということなのだそうだ。
ここまでは、いちおうひとつめの記事でもよく読めばわかるところ。
それで、「(1)分娩中の胎児の心拍数聴取(2)新生児蘇生(3)子宮収縮薬(4)臍帯脱出―の4点に着目」してこの15件を分析したところ、このうち6件で(3)の使い方にガイドライン違反があったという意味だったようだ。(4)についての詳細が書かれているところがこの記事の特徴(医療関係者向けニュースなので?)。
15件中6件というのがどういう数なのかは引き続きわからない…だって、そのガイドライン違反はよく行われていて、ふつうに出産できた場合を15件調べてもそのくらい違反がみつかるんだったら特に意味はないわけだし(さすがにそんなことはないのか??)
他に、一般紙の記事も読んでみたけれど
「産科事故で不適切診療多発 医療補償例分析で判明」産経新聞
時事通信社の記事が「分娩誘発」をクローズアップしたのに対して、こちらの記事だと「15件中8件で、本来なら分娩時に必要な胎児の心拍の監視が不十分だったと指摘された。」となって、「心拍の監視」のほうが前面に出ている。
というより、時事通信社の記事では「分娩誘発剤」が印象に残る仕立て方になっているのに対して、産経新聞社の記事では「多くのケースで不適切な診療が行われていた」ことを強調している。
「産科事故で不適切診療多発 医療補償例分析で判明」朝日新聞
朝日新聞の記事は産経新聞とあまり違わないスタンス。
結局のところ、評価機構さんは、「脳性まひの原因とまでいうつもりはないけれど、とにかくガイダンス違反をしてこの事態に至っているケースがけっこうあるから、みんな気をつけてね」ということを言いたいのだろう。
ということを考えると、時事通信社は、なんだか「分娩誘発剤投与」に問題があるというほうに無理にひっぱっているように見える。
ところで、こうやっていくつかの記事を見比べていて私が今回一番驚いたのは、産経新聞社の記事にだけあったこの部分:
「同機構は、平成21年1月から今年6月末までに補償認定が行われた178件のうち、原因分析を終えた15件を検証。」
えーっ(o_o) 178件のうち15件しか分析してないの?? 既に補償認定まで行われたケースなのに??
…そんな段階で、なんかいおうとしたんだ…勇気あるな…
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その中にこんなのがあって
「分娩誘発剤投与、6件で問題点=新生児脳性まひ-評価機構」時事通信社
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財団法人日本医療機能評価機構は22日、2009年から10年に分娩(ぶんべん)で発症した新生児の脳性まひのうち、6件で分娩を誘発する子宮収縮剤の投与に問題点があったと発表した。
投与は脳性まひの直接の原因ではないとされるが、同機構は日本産科婦人科学会などの「産婦人科診療ガイドライン」を順守するよう提言した。
同機構は分娩で脳性まひとなった子どもを救済する「産科医療補償制度」が始まった09年1月から10年12月までに補償対象となり、状況が公表された15件について分析。6件で子宮収縮剤の投与量が多かったり、投与後の評価をしていなかったりしたという。(2011/08/22-21:21)
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なんか、ナナメに読むと「分娩誘発剤怖いねえ、脳性まひを起こしたりするんだ」となりそうなところだけれども、6件という数字の意味するところもよくわからないし、他のものではなく特に分娩誘発剤が問題くさいといってるのかすらよくわからない。
この記事は、時事通信社がまとめたものなので、他社の同内容ニュースを検索してみると、元ネタが比較的原型をとどめていて、記者会見ビデオもついてるこんなのがあった:
「産科補償制度の再発防止で初の報告書- 医療機能評価機構」キャリアブレイン
要するに、産科補償制度というのは、分娩で重度脳性まひになった子どもに補償金を支払う制度で、医療ミスかどうかを問わないところがミソ。本人側からいえば、医療ミスかどうかなんて立証するのはほとんど不可能だから、それはともかく補償金が出るというのはよいところですね。
で、その制度を管理する評価機構のほうで、この制度が発足した2009年から2010年の二年間で実際に補償金を支払った15件について状況をまとめ、報告を出したということなのだそうだ。
ここまでは、いちおうひとつめの記事でもよく読めばわかるところ。
それで、「(1)分娩中の胎児の心拍数聴取(2)新生児蘇生(3)子宮収縮薬(4)臍帯脱出―の4点に着目」してこの15件を分析したところ、このうち6件で(3)の使い方にガイドライン違反があったという意味だったようだ。(4)についての詳細が書かれているところがこの記事の特徴(医療関係者向けニュースなので?)。
15件中6件というのがどういう数なのかは引き続きわからない…だって、そのガイドライン違反はよく行われていて、ふつうに出産できた場合を15件調べてもそのくらい違反がみつかるんだったら特に意味はないわけだし(さすがにそんなことはないのか??)
他に、一般紙の記事も読んでみたけれど
「産科事故で不適切診療多発 医療補償例分析で判明」産経新聞
時事通信社の記事が「分娩誘発」をクローズアップしたのに対して、こちらの記事だと「15件中8件で、本来なら分娩時に必要な胎児の心拍の監視が不十分だったと指摘された。」となって、「心拍の監視」のほうが前面に出ている。
というより、時事通信社の記事では「分娩誘発剤」が印象に残る仕立て方になっているのに対して、産経新聞社の記事では「多くのケースで不適切な診療が行われていた」ことを強調している。
「産科事故で不適切診療多発 医療補償例分析で判明」朝日新聞
朝日新聞の記事は産経新聞とあまり違わないスタンス。
結局のところ、評価機構さんは、「脳性まひの原因とまでいうつもりはないけれど、とにかくガイダンス違反をしてこの事態に至っているケースがけっこうあるから、みんな気をつけてね」ということを言いたいのだろう。
ということを考えると、時事通信社は、なんだか「分娩誘発剤投与」に問題があるというほうに無理にひっぱっているように見える。
ところで、こうやっていくつかの記事を見比べていて私が今回一番驚いたのは、産経新聞社の記事にだけあったこの部分:
「同機構は、平成21年1月から今年6月末までに補償認定が行われた178件のうち、原因分析を終えた15件を検証。」
えーっ(o_o) 178件のうち15件しか分析してないの?? 既に補償認定まで行われたケースなのに??
…そんな段階で、なんかいおうとしたんだ…勇気あるな…
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