アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

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2011年08月26日 | 生活
昨日書いたニュースの話で、そもそも私が数あるニュースの中からその記事をぽちっとしたのは、そのタイトルに「分娩誘発剤」とあったからでしょう。

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この記事は、ちょっと偏ったまとめ方がされていたと思いますが、実際に読者を「つかむ」ことに成功したわけで、ocarinaさんが書いていた「記者の腕の見せ所」ってことですよね。

元の発表では「子宮収縮薬」という表記がされているところ、記事によってそれが「分娩誘発剤」になったり「陣痛促進剤」になったりします。それぞれ、記事を書く側の料理の仕方が表れているのでしょう。

昨日の記事を読んでいて気になった点のひとつは、その「子宮収縮薬」のガイドラインなるものの内容は何なのかということです。「記者の腕の見せ所」に「読者の知恵」で対抗するには、昨日のように「複数の記事を並べてみる」のもひとつの手ですけど、もうひとつは「ソースに当たる」ということですね。

検索するとすぐに
子宮収縮薬による陣痛誘発・陣痛促進に際しての留意点」という、日本産科婦人科学会および日本産婦人科医会の発行した資料がみつかりました。

細かい点については、直接見ていただくとして、昨日挙げたニュースで言われていたようなガイドライン違反になることとしては、大きく分けて
(1) 使うべきでないときに使った
(2) 使う頻度、量、投与方法などが正しくなかった
(3) 使用中のモニタリングを怠った
があることがわかります。

そもそも使うべきときはいつかということですが、医学的適応としては、そのままにしておくと赤ちゃんまたは母体が危険である場合が中心に並んでいます。そしてさらに、「子宮収縮薬使用のためのインフォームドコンセントが得られていること」「事前に頸管熟化について評価すること」などの条件が並んでいます。

そうすると、予定日が近くなってきたときに(一週間前~数日前)、担当医師の診察日に合わせて「入院の支度をしてくるように」といわれ、「お産にしますね~」と点滴が始まるというような流れは何に相当するのでしょうか。

そこには医学的適応もなく、インフォームド・コンセントもありません。強いていえば非医学的適応として書かれている「妊産婦側の希望」でしょうか。別に妊産婦側が希望したわけじゃないですけど(*)

このような使用は、私が直接知っている人のなかでもかなりの人数が経験していますから、稀というわけではないようです。こうやってお産を人工的に始めると、「機が熟していれば(医学的には頸管熟化?)」ほんとうにすんなり生まれるようですし、そうでない場合は長くて痛くて、すごくたいへんな思いをしたり、あるいは帝王切開になる率も高いようです。

でも、結果的にはみんな(私が話を聞いた人は、という意味です)無事に生まれていて後遺症などもありません。くだんの記事では、脳性まひになったケースを分析してガイドライン違反が多かったといっていますが、通常ケースでの違反率も相当なものになるのではないでしょうか。

「(2) 使う頻度、量、投与方法などが正しくなかった」のような違反は容易に重大事故につながりますから、医療側も細心の注意を払っていることでしょう。「(1) 使うべきでないときに使った」についてはもっと影響がわかりにくいと思うので、ごり押しするお医者さんも引き続きいると思います。嫌なら自分で断る(病院を変える)しかありませんが、なかなかそれもやりにくいものです…今回のような提言で、インフォームド・コンセントなしの分娩誘発が減ったらいいですけどね。まぁ私はもう産まないけど。

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(*)誕生日がいついつまでじゃないと四月に保育園に入れないから、というような純然たる産婦側の理由のほか、担当医に見てもらえるときに産むほうがよいと産婦自身が選ぶということもありうる。あるいは、分娩誘発することで回旋異常などが起こりやすくなると仮にしても、医療スタッフが手厚いときに産むほうが安全だという面から、トータルでは誘発するほうがリスクが少ないということもありうる。
コメント (2)
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