アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

組織内おシゴト小説

2014年04月07日 | 生活
「動物のお医者さん」が流行ったら獣医学部目指す子が増えたり、「ヒカ碁」が流行ったら少年少女囲碁大会が満員御礼になったり。

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まずは知らなきゃ、憧れられないわけで。親の仕事とかいうのでもなければ、なかなか仕事の実態もわからないから、小説なり漫画なり、虚構ではあっても、仕事のやりがい、工夫と、難しさ、世の中にどう役に立ってるのかということがある程度イメージ持てれば、それでちゃんと目指す子が出てくるってことはあります。

しかし、囲碁棋士、サッカー選手、バレリーナ、世界的大ピアニスト(^^;; になれるのはほんとに「レア」で、目指せばなれるというものじゃないですしね。「耳をすませば」のアニメで、クレモナに行ってバイオリン職人になりたい子も増えたと聞きますが、いったいそんな職人が何人やっていけると。

コドモ(中高生含む)が知ってる職業なんて、かなり限られているので、そういう超レアな、スター的職業のほかは、学校の先生、医者、電車の運転手、パティシエ(?)とかの、いわば「オモテに出る職業」。

でも、世の中にある仕事の多くは、オモテに出ない職業…いや別に怪しい意味ではなくて…そう、組織の中のお仕事ですね。

「暴れん坊本屋さん」なんて、市井の仕事を興味深く取り上げた点で、とてもいいなと思うんですよ。ただ、この番子さんを含め、実際の書店員のかなり多くはパート・アルバイトなので、一生の仕事としては目指しにくいかもしれませんね。大手書店で、正社員というのもあるかもしれないけど、この漫画を読んでもそれについてはほとんどわかりませんし。

先日読んだ本で、「平台がおまちかね」というのはかなりインパクト強かったです。おぉーそこに来ましたか、という感じで。これは、中堅出版社の営業員という、ふつうスポットライトが当たることがない職業の人が主人公で、ちゃんと営業員の難しさ・醍醐味・貢献が描かれています。そんでもって、「ミステリ」なんです。世間的大事件じゃない地味な事件がおもしろいです。

調子に乗って、なるべく「ふつうのお仕事(つまり野球選手とかじゃなく)」の小説を探してみたら、こんなんありました:
「トッカン―特別国税徴収官―」

今、シリーズ二冊目を読んだところです。
「トッカンvs勤労商工会」
これ、小説としてはおもしろいですが、どのくらいリアルなのか、私にはわかりません。この仕事をしていた人が辞めて書いたとかではないようなので、内容の的確さについては保証の限りではないですが、組織の中に組み込まれて働く人のリアル、という意味ではかなりよくできていると思いました。

組織の中で働いているからといって、ただ言われたことが言われたとおりになんとかやれるのでは居心地はよくならず、将来の展望もたたないってのが昨今の情勢ですから、ポジション的には同じ人が何人もいる職場であっても、みんなそれぞれが微妙にオンリーワンを目指します。

つまり、その人じゃなきゃ、っていう「何か」。

そのことを、この小説では「すき間を探す」と表現しています。

「錨さんもまた、この税務署(かいしゃ)という組織の中ですき間をみつけて、うまくそこを自分の陣地にしたのだろう。クレーム処理という、誰しもがいやがることを進んで引き受けることによって、クレーム処理の達人という名誉称号を手に入れた。(略)
女子なら誰しもが意識している、すき間産業。
わたしたちがすき間探しに奔走するのは仕方がない。だって、この社会はもともと男が作ったものだ、わたしたち女子はすき間から入っていくしかない。」

ここでは「わたしたち女子」といっているが、今日び、男子であっても、アラフィフのおばさんであっても、この意識と無縁ではいられないよね…

税金といえば、「マルサの女」という映画があったけれど(あれはほんと傑作!!)、あれを見たからってマルサに入りたい子って、いたのかな?? 主人公が強烈に意欲的なので、むしろ憧れにくいというか目指しにくい気はします。

この小説では、主人公が元々この仕事についた理由というのが「(公務員の)安定を求めて」、いろんな試験を受けまくり、ここしか受からなかったというもので、でも生活がかかってるからいろいろ壁にぶつかることがあってもなんだかんだ必死で取り組んでるわけだから。より組織内仕事人のリアルに迫っていると思えるのです。

というわけで、特に花形だったり、天才的だったりしないお仕事小説/漫画はどんどん増えてくれたらいいなーと思います(もちろん、おもしろくなきゃダメです)。まぁ、私が読むんじゃなくて子どもが読んでくれなきゃ職業選択の役には立たないけど。

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コメント (2)
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