インフルエンザワクチンの有効性についての調査結果記事があって
インフルワクチン、子どもの6割有効 昨季のA型(朝日新聞)
←さんすうなんて勉強してなんの役に立つのって、そりゃ
これをたまたま今朝読んで、「わかりにくい記事だよねぇ」という話になった(よしぞうと二人で)。
すーっと読んでいくと
その1「昨年11月~今年3月に、38度以上の熱とせきなどがある生後6カ月~15歳の4724人を調べた。陽性でワクチンを接種していた子の割合と、陰性で接種していた子の割合を比べた。」
ってところでまず、
「ん~、それを比べるとわかるの??」とつっかかり、
その2「その結果、全体ではワクチンを接種した人の45%が発症せずに済んだ。とくに、A型は59%、うち1~5歳では約7割で効果があった。B型は効果は確認できなかった。」
のくだりでは、
「ん~、ワクチンなんて接種しなくったってそりゃ45%くらいかからないの当たり前でしょ??」となり、
ずいぶんしばらく悩んでから、「あぁ(ぽむ)」
「その1」のほうは、
----- めんどくさければ飛ばしてください
ワクチンを打たない場合に発症する率が「a」だとして(半分の人がかかるなら0.5)
ワクチン接種により、その率が「p*a」に下がるとして。このpを求めたいわけです。
インフル以外の熱で来院した人のワクチン接種率が「x」だとわかり(3割の人が打ってるなら0.3)
インフルの熱で来院した人のワクチン接種率が「y」だとわかったとしますね(2割の人が打ってるなら0.2)
この「x」はつまり、熱が出ると調査対象の病院に来るって人の中の、ワクチン接種率です。
「1-x」の割合の人はワクチン打ってなくて、「x」の人は打ってます。
「1-x」の人のかかる率は「a」なので、「a*(1-x)」の人がかかり
「x」の人のかかる率は「p*a」なので、「p*a*x」の人がかかります。
つまりインフルの熱で来院した人の中の、ワクチン接種率はこうなるはずです。
y = (p*a*x)/(a*(1-x) + p*a*x)
分母・分子ともaで割れますね。つまり、発症率がわからなくても問題ありません。
y = (p*x)/((1-x) + p*x)
これをpについて解きますと
p = (y(1-x)) / (x(1 - y))
となりますので、上記の括弧の中に入れた仮の数字を入れますとp=(0.2*0.7) / (0.3*0.8) = 0.5833…
----
要するに、「陽性でワクチンを接種していた子の割合と、陰性で接種していた子の割合を比べた。」が仮に2割と3割だったとすれば、ワクチンを打つと発症(発熱)する子が6割弱(0.58)で済むってことらしいということがわかるんです。
ちなみにこういう場合…かかる子が6割で済むなら有効率は40%というふうにいいます。
この記事のわかりにくさは、「その2」ではきっとこの有効率のことをいってるのに、「ワクチンを接種した人の45%が発症せずに済んだ」では、ワクチン接種した人の発症率が55%みたいじゃないですか、ねぇ(そんなばかな)。有効率のことを行ってるんだなぁ、ということは続きを読むと推測できるようになっています。「約7割で効果があった。」とかいってますから。
そう思って読むと、有効率は45%だったんだけど、それはB型に効かなかっただけで、A型に限ればけっこう効いた。熱で来院して、検査したらA型だった人だけに限って上記の計算をすれば有効率6割だったといっているんです。
ニュースを読むにも算数が必要ですね。さらに、何人くらいの人を調べて、二つの群で接種率にどれだけの差があったら「有意な差」っていえるんだろうかとかいう話までつっこむには、さんすうじゃなくて数学です。
そう思うと、誰でも新聞記事が読めるようにして義務教育から送り出すのってけっこうたいへんなことかなと。
うちの子たちはわかるのかしらん。ちょっと聞いてみよう…
---
ところで、インフルエンザワクチンについてはかなり懐疑派の私ですが、今回取り上げられている研究はかなりまっとうなものだと思いました(ひとつの新聞記事からにおいをかげる範囲でいうと)。真っ向から、打つ群と打たない群の二つに分けて発症率を調べる…とか、そりゃたいへんですから、この方法はわりと現実的であるうえに正しい結果が出やすいですよね。迅速診断キットが使えるようになったからこそ取れる方法です。
さっとその年の有効性がわかればそれによって行動を変えることも考えられるので、役に立つ情報でもあります。
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インフルワクチン、子どもの6割有効 昨季のA型(朝日新聞)
←さんすうなんて勉強してなんの役に立つのって、そりゃ
これをたまたま今朝読んで、「わかりにくい記事だよねぇ」という話になった(よしぞうと二人で)。
すーっと読んでいくと
その1「昨年11月~今年3月に、38度以上の熱とせきなどがある生後6カ月~15歳の4724人を調べた。陽性でワクチンを接種していた子の割合と、陰性で接種していた子の割合を比べた。」
ってところでまず、
「ん~、それを比べるとわかるの??」とつっかかり、
その2「その結果、全体ではワクチンを接種した人の45%が発症せずに済んだ。とくに、A型は59%、うち1~5歳では約7割で効果があった。B型は効果は確認できなかった。」
のくだりでは、
「ん~、ワクチンなんて接種しなくったってそりゃ45%くらいかからないの当たり前でしょ??」となり、
ずいぶんしばらく悩んでから、「あぁ(ぽむ)」
「その1」のほうは、
----- めんどくさければ飛ばしてください
ワクチンを打たない場合に発症する率が「a」だとして(半分の人がかかるなら0.5)
ワクチン接種により、その率が「p*a」に下がるとして。このpを求めたいわけです。
インフル以外の熱で来院した人のワクチン接種率が「x」だとわかり(3割の人が打ってるなら0.3)
インフルの熱で来院した人のワクチン接種率が「y」だとわかったとしますね(2割の人が打ってるなら0.2)
この「x」はつまり、熱が出ると調査対象の病院に来るって人の中の、ワクチン接種率です。
「1-x」の割合の人はワクチン打ってなくて、「x」の人は打ってます。
「1-x」の人のかかる率は「a」なので、「a*(1-x)」の人がかかり
「x」の人のかかる率は「p*a」なので、「p*a*x」の人がかかります。
つまりインフルの熱で来院した人の中の、ワクチン接種率はこうなるはずです。
y = (p*a*x)/(a*(1-x) + p*a*x)
分母・分子ともaで割れますね。つまり、発症率がわからなくても問題ありません。
y = (p*x)/((1-x) + p*x)
これをpについて解きますと
p = (y(1-x)) / (x(1 - y))
となりますので、上記の括弧の中に入れた仮の数字を入れますとp=(0.2*0.7) / (0.3*0.8) = 0.5833…
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要するに、「陽性でワクチンを接種していた子の割合と、陰性で接種していた子の割合を比べた。」が仮に2割と3割だったとすれば、ワクチンを打つと発症(発熱)する子が6割弱(0.58)で済むってことらしいということがわかるんです。
ちなみにこういう場合…かかる子が6割で済むなら有効率は40%というふうにいいます。
この記事のわかりにくさは、「その2」ではきっとこの有効率のことをいってるのに、「ワクチンを接種した人の45%が発症せずに済んだ」では、ワクチン接種した人の発症率が55%みたいじゃないですか、ねぇ(そんなばかな)。有効率のことを行ってるんだなぁ、ということは続きを読むと推測できるようになっています。「約7割で効果があった。」とかいってますから。
そう思って読むと、有効率は45%だったんだけど、それはB型に効かなかっただけで、A型に限ればけっこう効いた。熱で来院して、検査したらA型だった人だけに限って上記の計算をすれば有効率6割だったといっているんです。
ニュースを読むにも算数が必要ですね。さらに、何人くらいの人を調べて、二つの群で接種率にどれだけの差があったら「有意な差」っていえるんだろうかとかいう話までつっこむには、さんすうじゃなくて数学です。
そう思うと、誰でも新聞記事が読めるようにして義務教育から送り出すのってけっこうたいへんなことかなと。
うちの子たちはわかるのかしらん。ちょっと聞いてみよう…
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ところで、インフルエンザワクチンについてはかなり懐疑派の私ですが、今回取り上げられている研究はかなりまっとうなものだと思いました(ひとつの新聞記事からにおいをかげる範囲でいうと)。真っ向から、打つ群と打たない群の二つに分けて発症率を調べる…とか、そりゃたいへんですから、この方法はわりと現実的であるうえに正しい結果が出やすいですよね。迅速診断キットが使えるようになったからこそ取れる方法です。
さっとその年の有効性がわかればそれによって行動を変えることも考えられるので、役に立つ情報でもあります。
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