アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ニュースを読むしゃかいか

2014年05月30日 | 生活
「ニュースを読むさんすう」で引いた記事をプリントアウトしてまたろうに読ませ、
A群(インフル陽性)の接種率とB群(インフル陰性)の接種率からワクチン有効率を計算する
課題についてたずねてみたら、

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またろうは、この「さんすう」についてはさっと理解したものの、納得のいかない点が:
「なんでこんな面倒なことをするの?
ワクチンを接種するグループとしないグループに分けて発症率を調べたらよくない?」

なるほど。もちろんそれが素直な発想というものです。ふつう、素直なのはよいことであって、おおよそ、実験計画というものはシンプルイズベスト。比べたいものを直球で調べるほうが誤差だって少なくなるだろうというものだ。

相手がキカイならね。

でも、実際問題、そういう素直な実験計画に沿って、接種群と非接種群に分けようとして、まさかくじ引きによって接種する/しないを決めて従ってもらうなんてできないじゃないですか。かといって、ご本人(というかこの場合は親)の希望により群を分けちゃうと、それはすでに均等な分け方ではなくなってしまっている。親の健康意識なり、本人の丈夫さなり、いろんな要因から意思決定がされるわけだから。

それに、仮にうまいこと分けて(あるいは、出た結果をあとでうまいこと補正するとして?)実験したとしても、その後に発症したかしないかを漏れなく正確に捕捉するってのがまた、実務上ものすごくやっかいで。いざ熱が出たとき、実験やってる病院にちゃんと来てくれるかどうかわからないし。

とまぁ、またろうにはざっとそういう説明をしたのだけれど、ネジクギではないひとりひとり違う人間が、実験室(あるいは工場)内でない社会に広々と暮らしている状況を考える習慣があまりないように見えた(汗) 算数・数学音痴の人ってのは世の中多数いるけれども、またろうの場合は、社会科音痴?

元記事にあった調査のたいへん優れているところは、
・対象となる病院に
・38度以上の熱で来院し
・インフルエンザの迅速検査を受けた
という、がっちり捕捉できた事象のところをベースにして、

「今シーズンのインフルエンザ予防接種を受けたか、受けなかったか」を聞くという簡便確実な調査をすればよいというところ。

「今シーズンのインフルエンザ予防接種を受けたか、受けなかったか」は非常に明快な問いで、記憶違いということもほぼなく、まさか今、熱で医者にかかってるその瞬間にわざわざ嘘を答える人もあんまりいなかろうから信憑性が高い。

それで、
・そもそも熱が出たときにこの病院を受診する人ってのに一定の傾向があるのかとか
・今シーズンのインフルエンザ発症率はどのくらいのもんかとか
・この地域は接種率が高いのか低いのかとか
そういった問題が調査結果に影響しないというところがポイント。

一方、この調査の弱点(誤差を生じるところ)として気が付く範囲でいうと、
まず、迅速検査の精度ですね。熱が出てからあんまり急いでいくと、インフルエンザでも検査が陽性にならなかったりしますが、そんな影響は除いたのかな? というようなこと。

それと、インフルエンザワクチンが、もし発症そのものを抑えるのではなく、発熱(というか悪化)を抑えるように働くとすると、この調査の場合は有効としてカウントされちゃうってことですね。

もちろん、かかる側から言わせてもらえば、同じインフルエンザにかかったとき、38度以上の熱が出てわざわざ病院に行くのと、そんなに熱も出なくて「あれ? 風邪かな??」くらいで終わっちゃったというのとではインパクトが段違いなので、熱が上がらなければそれは有効だったとカウントしてもらっても心情的にはOKなのですが。でも、本人がしんどくない程度で終わっちゃうと、そのまま学校には出席して撒き散らしたりすることもないとはいえず、いいんだかどうだかという微妙な話になってきます。

ほかにもいろいろ考えてみてください。そんなふうに、この調査の優れたところはどこか、つっこみどころはどこか、ということを現実に即して考えるのが「ニュースを読むしゃかいか」だとすれば、またろうはまだまだです。成人しちゃったけど。

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