カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

061「遊び人」より ・ 斜陽

2014-09-06 20:02:09 | 和モノ好きさんに100のお題
 江戸時代の武家には「部屋住み」と呼ばれる制度があった。要は予備の継子確保で、次男三男は長男に不幸がない限り屋敷の片隅で飼い殺しの運命が待っていた。仕官や婿養子のロがあれば幸運だが、大概は無駄飯食らいの厄介者として一生を終え、当然ながら結婚出来る甲斐性もない。冷静に考えると現在のニートより深刻な社会問題の筈だが、同時に財産の分散を防いで家名を存続させ、徳川幕府を支える為のシステムの一つでもあった。そして妻帯出来ずに一生を終える男たちの存在から、当時の遊郭もまた、徳川幕府を支えるシステムの一つであったと言える。
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