カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

「天国」「狼」「恐怖の才能」ジャンル「大衆小説」より・狼と狩人の時間

2015-03-15 16:06:58 | 三題噺
 狼にとって、その地は己の為だけに存在する楽園のようなものだった。屠ることを許された獲物は眼前に幾らでも現れ、始末さえしくじらなければ狩人の気を引くこともない。そんな最高の餌場にある日紛れ込んできた別の狼は、ルールも何も弁えないまま獲物の乱獲に走っった挙げ句、事もあろうに狩人を本気で怒らせた。
 だから狼は己の無実を証明するため、そして餌場を守るために狩人と共に戦う羽目に陥った。
コメント