その地方では大地主だった家に生まれた彼女は幼い頃から裕福な生活を送っていて、彼女が嫁入するとき、彼女の祖父は自分の山から切り出させた木で立派な箪笥を作って嫁入り道具に持たせた。
やがて戦争が始まり、ようやく終わったときに彼女は家族も財産もあらかたを無くしていた。
それでも残った子供を立派に育て上げ、穏やかな隠居生活を送れるようになった彼女は、ある日骨董好きの孫が見つけてきた懐かしい箪笥に刻まれた良人の文字の前で、本当に久し振りに泣いた。
やがて戦争が始まり、ようやく終わったときに彼女は家族も財産もあらかたを無くしていた。
それでも残った子供を立派に育て上げ、穏やかな隠居生活を送れるようになった彼女は、ある日骨董好きの孫が見つけてきた懐かしい箪笥に刻まれた良人の文字の前で、本当に久し振りに泣いた。