カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第八十夜・飛散

2017-09-22 23:42:23 | 百人一首と色名で百物語
 秋の紅葉を思わせる、飛び散って重なり合った鮮やかな赤い色の中に一人佇む。やがて私が歩き出すと、逃げることも出来ないまま座り込んでいた連中は一人残らず飛び散っていった。
 大勢で一人を嬲りものにするような男は全て砕けて散ってしまえとは思ったが、私がそう願っただけで砕け散るとは思わなかった。
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