カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第八十五夜・光に浮かぶ影

2017-09-29 23:19:34 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『光のどけき』と『牡丹色』を使って創作してください。

 森鴎外の鼠坂を基にした物語で、日本人少年が中国の大きな家で暮らしていた際に自宅で目撃した女の子を花の精霊だと思って楽しい空想に耽るが、実はそれは隠れ住んでいた抗日分子の中国人一家で、少年が花の精霊について話したせいで全員処刑されてしまったという話を読んだ。優しく夢を浮かび上がらせる光が生み出す現実の影は、いつだって哀しい。
コメント