カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第八十四夜・彼女の中身

2017-09-28 20:53:40 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『つれなく見えし』と『真緋』を使って創作してください。

 人の腹なんて、それこそ割ってみないとわからないという言葉に、私は自分に笑いかけてくる美しい外見をした彼女の中見も同じように美しいのかをどうしても知りたくなった。
 やがて完璧な準備を調えた末に、私が引き裂いて中に詰まっていた腸を一つ残さず露わに晒した物言わぬ彼女の新鮮な緋色は予想以上に美しく瑞々しい姿をしていて、だから私は一人で泣くのだ。
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