カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

旅路その68・遠方に同じ神在り

2019-09-11 19:59:42 | 旅人の記録
たかあきは離島の地方都市に辿り着きました。名所は名刹、名物は煎餅だそうです。

 叔父が祀る神様は忘れ去られていたとはいえ複数の古文書に詳細が記された存在なので、当然ながら別の土地にも伝承が残っている。わざわざ離島から訪ねてきた巡礼者は故郷の神と叔父の祀る神の共通点や相違点について熱く語ってきたそうだが、叔父自身は手土産の煎餅が旨かったことしか覚えていないとか。
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骨董品に関する物語・天文アストロラーベ

2019-09-11 19:35:58 | 突発お題

 少しの時間、目を輝かせながら手慣れた動作で細密な刻印の入った円盤を回していたお客は購入した商品を無造作にポケットに仕舞いながら、コレのおかげで今度こそ帰り道が判りそうですと笑った。一体何処に帰りたいかは見当もつかなかったが取り合えず良い旅をと挨拶して見送った。
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