あるBOX(改)

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日本4階級制覇の湯場、陥落

2012年10月12日 | ボクシング
【ボクシング日本ミドル級タイトルマッチ10回戦】
10月8日 後楽園ホール

4階級制覇王者でベテランの湯場忠志(都城レオスポーツ)に、新鋭が挑む日本タイトルマッチは、
新鋭の勢いがベテラン王者の上手さとキャリアを粉砕する結果となった。

挑戦者は、昨年の全日本ミドル級新人王でプロ12戦目の挑戦者 佐々木左之介(ワタナベ)。

初回から力を込めたパンチを振ってグイグイ攻める挑戦者。
一方、王者は落ち着いて左を向かい打ち。

佐々木は初回に相手パンチで右まぶた上をカットしたが、それでも不敵な笑みを浮かべながら前進を続けた。
※そこには湯場という強い選手と戦う充実感・喜びもあったのかも知れない。



サウスポーの王者vs右利きファイター挑戦者による強打の狙い合い。

挑戦者の怖いもの知らずな前進に、やや押され気味になるシーンもあった湯場だったが
一瞬の隙を突いて左ストレーを叩き込み、ひるんだ相手に連打を仕掛ける展開を見せ

その連打の中に左ボディを交えるあたり、「さすがベテラン」と思わせてくれた。

しかし、挑戦者の前進と手数は止まらず、「王者の左vs挑戦者の右」どちらの強打が当たるかで試合の流れが一気に変わる気配。

そして第4R
佐々木の右からの攻めで王者は防戦に回り、ロープを背にした湯葉は挑戦者の会心の右一撃を食らい、痛烈なダウン。

まさに左を繰り出そうとしていた矢先に打ち込まれた右だけにダメージは深く、王者は立ち上がれなかった。
精神的なダメージもあったのかも知れない。

勝者・佐々木はリング上で「正直、自分が勝つのは分かっていた。日本は通過点。世界のベルトを獲る」と喜びを爆発させ
今後、新王者として最強挑戦者を選んでいく意思を見せた。

得てしてベテラン王者を破るのは、こうした怖いもの知らずの挑戦者だが
その新王者が防衛戦で地味な技巧派に足元を掬われる事もままある。

新王者の今後に注目ですな。