あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

UKラストツアーの余韻(3)

2015年05月02日 | 英国ロック
いつもなら「戦利品」としてTシャツやタオル、
プログラムの画像をUPするのですが

今回、開演前に買ったのはツアーTシャツのみ。
記念購入だが、バックプリントなし、フロントにも
「UK2015」だけの地味めなモノだった・・・。



パンフは・・・実質なし。
62ページのヒストリーブック「U.K.1977-2015」が
平積みされていたが、なんと価格が8,000円!

ポール・マッカートニーでも3000円だったのに!

貴重な写真や記事が日本語で書かれてるからといって
8000円は出せないよ!
・・・と断念したのでした。
※3万いくらのVIP券(前列指定&終演後の握手会参加と
 一緒に配布されたモノらしいが・・・)

例によって終演後は「記憶が上書きされてしまうから」
UKの音源は聴かずに帰宅。
※行きは予習のためウォークマンでLIVE音源等を聴いて
 ましたが

余韻に浸るため、なぜかオリジナル・アルバムさえ
聴けない状態。

そこで聴くのが、UK以前にウェットンとジョブソンが
籍を置いたロキシー・ミュージックのLIVE。

※キング・クリムゾンのLIVE盤「USA」にもジョブソンの
 ヴァイオリンが収録されてるが、あれは後に差し替え
 られたモノ。
 実際にステージでウェットンとジョブソンが競演した
 ワケではありません。

Roxy Music - Out of the Blue [Musikladen 1974]


ブライアン・フェリーという個性的なヴォーカルが居る為
ベースに専念したウェットンだが、それゆえか演奏の
強烈さが増している。

公式のLIVEアルバム「VIVA!ROXY MUSIC」ではヴォーカルを
前面に出すためかベース音が物足りないのだが

ドイツのLIVE番組「Musikladen」での演奏は圧巻の一言!
※この辺は現地プロデューサーの意見で音量バランスは
 決められるでしょうからな。

ウェットンの疾走ベース、ラストでジョブソンが奏でる
ヴァイオリン・ソロは、ただただ素晴らしい!!

しばらくは、こういう音源(映像)に触れながら
ジョブソン&ウェットンの余韻に浸りたいと思います・・・。

UKラストツアーの余韻(2)

2015年05月02日 | 英国ロック
個人的には2度美味しいコンサートとも思えた。

UKは78~79年で3枚のオリジナル盤(ライヴ含む)を
発表しているが
感覚的には、それぞれバラバラな印象がある。



まずメンバー構成や音の雰囲気からして1stと2ndは
全然違う。

そもそも、U.K.は
パンクロック(直情的・シンプルな若者ロック)が台頭し、
演奏力主眼のプログレが時代遅れになった1970年代後半に
プログレの最終兵器ようなスーパーグループとして登場。



元キング・クリムゾンのジョン・ウェットン(vo.b)と
ビル・ブラッフォード(ds)、元テンペストのアラン・
ホールズワース、元ザッパ・バンドのエディ・ジョブソン
・・・というメンバーはプログレ・ファンが期待するに
充分すぎる布陣だった。



4人編成の1stはホールズワースの流麗なギターの
フレーズと、決して前ノリしない独特のタイム感を
持ったビル・ブラッフォードのドラム、ジョブソンの
シンセが醸し出す、冷気を張ったような独特の音空間が
あった。

ホールズワースが抜けた2ndは、ドラマーがパワフルな
技巧派テリー・ボジオに交替。

キーボード・トリオとなったUKは、むしろ音の厚みと
疾走感でHR的な展開を聴かせたりもした。
ノリも「分かりやすくなった」かな。

ここでのジョブソンの活躍っぷりが強烈で
1stから続けての参加でありながら「自らの才能を
炸裂させ、天才ホールズワース抜けた穴を別の
メンバーを加入させる事なく、凌ぎきった」事から
妙に「後釜」的な印象を受けたんだよなぁ。



その印象を決定付けたのが、ライヴ盤「ナイト・
アフター・ナイト」で
デンジャー・マネー・ツアーの日本公演を録音した
同アルバムにて1stのギター・パートもキーボードで
演奏し「凄いなコノ人」と初めて聴いたときの私は
驚かされたモノでした。

~といいつつ、さすがに演奏へは
せわしなさも感じたから



今回ホールズワース型ギタリスト参加ツアーで
1stは「憂国の四士」、2ndは「デンジャー・マネー」
らしく演奏されてた・・・ってのが倍の美味しさを
感じた理由かなって感じです。

曲によってはシンセかヴァイオリンかギターか
分からない音色とか聞こえたし。

※ネヴァーモアではアコギの音にエレクトリック・
 ギターが被ってきたように感じたもんな。
 なんだったんだアレは?
 事前録音か?それはプログレじゃ邪道じゃないか?
 いや、他の楽器で代用してたのか?



すでにジョブソンは「これでUKは終わり」と公言し、
旧友ウェットンとステージ上で抱擁。

※まぁUK解散時には色々あったんでしょうが
 チッタでのUK再編公演にもしっかり参加されたし、
 付き合いはイイ人なんですねぇ、ウェットンさん。

ジョブソンさんの今後に関しては・・・独自の
活動を行なっていく模様。

そういえば単独でのキーボード・ソロでは
「アンビエント」みたいな展開を聴かせてくれてたもんね。

ピンポン玉が床に落ちて跳ねるような効果音。
それをシンセで作りつつ、残音が残る中、
涼やかに次の展開に繋いでいく・・・。
シンセのシーケンスを残しつつ、エレクトリック・
ヴァイオリンに持ち替えてエフェクト掛かった音色を
弾きまくる・・・。



※余りにもエフェクト掛かってるから、最初は
 シンセの残音がズ~ッと流れてるもんだと思いましたよ。
 弓で弦を連打したり、低音を効かせたり・・・で、効果
 バツグンでありました。
 ちょっとZEP期のジミー・ペイジを思いだしましたが、
 あちらはエレクトリック・ギターの弦をヴァイオリンの
 弓で弾くというケレンだったので、ここは正統派の
 ジョブソンに軍配を上げたいと思います。個人的に。

キーボードソロに戻ったジョブソンは静かに演奏を終わらせ
観衆に挨拶。

拍手しながら「これが彼の今後の活動を暗示してるん
だろうなぁ」と思うと、感慨深かった・・・。

※以前、モーガン・フィッシャー(元モット・ザ・フープルの
 鍵盤担当)の演奏会に足を運んだ事があるが、
 「日本在住で今はアンビエント音楽に転向している」と
 既知ながら、予想以上の「癒しの前衛アンビエント」で
 衝撃を受けた記憶がある。
 そこまで行かなくても、相当に非ロックな音楽へ進まれ
 るんだろうなぁ・・・などと思いを馳せた。

観衆は当然ベテラン・ファンが多く、前半は100%の
着席率。
それでも、それぞれの思い入れ曲には立ち上がって拍手
・・・のノリ。

終盤は立ち上がっての拍手と歓声が増え、アンコール前後は
スタンディング・オベーション。

シーザースパレス・ブルースでは手拍子もあり、総立ちの
状態で、「イイよなぁ、こういうノリ」と私を感動させて
くれました。

※ポール・マッカートニーのコンサートなんて、
 ステージ上は最高だったけど、観客の着席率の高さには
 がっかりさせられたもんなぁ。総立ちで乗るシーンも
 なかったし。
 立ってる若者に文句言って座らせる年配者もいたりして。
 ステージ上じゃ72歳が休憩なしで熱演・熱唱してるのに。
 クラプトンの時もそうだったらしいが、この辺はファンの
 思い入れが違う形で混在している感じなんですよねぇ。



UKのコンサートは、観客に一体感あり、それも私を感動させて
くれました。

そういった部分も含め、当分は余韻に浸りたいと思います。