あるBOX(改)

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上條恒彦の「出発の歌」を聴いた(2)

2018年02月22日 | 邦楽
上條恒彦さんの「出発の歌」。
曲単体では知っていたがアルバムは未聴ゆえ
初体験して見たのだが。

スケール豊かな歌唱は全曲共通、ニュアンスも
絶妙で、上手さもバッチリだったんですよね。

小室等氏の「六文銭」と共演した曲『出発の歌
(たびだちのうた)』で、1972年の世界歌謡祭
グランプリを受賞したのは前述の通り。



一回終わったと思わせて、また始まるパターンが
「クリムゾンキングの宮殿」してる・・・なんて事
考えたのですが。

音の肌触りがザ・バンドっぽいとか、ベースライン
手数多いとか、色々と考えが膨らんでたりもします。

・・・ってか、この感じ。寺川正興さんじゃないか?
昭和の名スタジオ・ミュージシャン。
参加曲が多すぎてクレジットにも残っていない、
伝説のベースプレイヤー。

尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」でも途中から
ウネリまくるベースを弾いていらっしゃいます。
※リズムセクションの相方は猪俣猛さん。



「出発の歌」アルバム収録曲でも寺川プレイらしき
ベースラインが感じられる。

7曲目の「ただ愛に生きるだけ」はストリングスや
ホーン入りの歌い上げ曲だが
(調べたら第2回世界歌謡祭グランプリ曲でした)
ベースのウネリが曲を盛り上げてくれております。

演奏に関し当時トップのスタジオミュージシャンは
イイ意味で好きにやってたそうで。

※最新の音楽を聴き、自分たちのバンドで強烈に
 セッションをしてたという

「ダサいのは変えちゃうよ」なんて言って勝手に
演奏し、それがレコーディングに採用されていた
・・・とかいう伝説も残っておりますから。



「出発の歌」も、そんな録音されてたんじゃないか
~なんて勝手に妄想してしまう。

楽曲・歌唱のみならず演奏やアレンジにも普遍性を
感じてしまうのは、当時のミュージシャンシップに
よるものと考えるのは、こじつけ過ぎですかねぇ。

1972年の盤。
私にとって、そういう魅力を感じちゃうのは当然な
のです。

上條恒彦の「出発の歌」を聴いた

2018年02月22日 | 邦楽
邦楽アーカイブと言いますか。
自身の音楽体験を、実際に盤を聴いて遡る試みというか。

スケール豊かな歌唱で知られる、上條恒彦さん。

尾崎紀世彦さん、布施明さんと合わせて私が大好きな歌い手
さんであります。



長野県出身の上條さんは舞台俳優を目指し、1958年に上京。
あらゆる職業を転々としながらチャンスを求めたという。

うたごえ喫茶の歌手を経て、1964年に労音で勤務。
歌手としてデビューするきっかけを得る。

1969年、NHKステージの初期レギュラーメンバーとなる。
1971年、小室等氏がリーダのフォークグループ「六文銭」と
共演した『出発の歌(たびだちのうた)』で、「ポピュラー
ソング・フェステバル'71」のグランプリを受賞。

その勢いで、1972年の世界歌謡祭グランプリも受賞。
『出発の歌 -失なわれた時を求めて-』は時代を代表する曲に
なった。



作詞:及川恒平、作曲:小室等
フォーク・ギターに乗って野太い声が響くが、無骨なだけじゃ
なく、凛々しさも感じさせるニュアンスが素晴らしい。

サビの「さぁ~いま♪」のスケール感。
青空の上の上まで声が上っていくような高揚感。

いま聴いてもワクワクします。

ちなみに一回終わったと思わせて、また始まるパターンが
「クリムゾンキングの宮殿」してると思ったのは私だけで
しょうか?

ドラムのヘヴィな響きから盛り上がり、再びサビ。
いろんな楽器やメロディが重なり合って…。

フォークと思わせてプログレ。最高です。



アルバム収録曲は以下の通り

01. 出発の歌~失われた時を求めて
02. 風のマーチ
03. だれかが風の中で
04. アルカディア~理想郷
05. 橋
06. 夢をみたよ
07. ただ愛に生きるだけ
08. ケ・サラ
09. ダウン・バイ・ザ・リヴァーサイド
10. わが子は去りゆく
11. こげよマイケル
12. バラはあこがれ

TV主題歌やシャンソン、フォークソングを当時まとめたアルバム。
個人的に「寄せ集め感」も受けてしまうが、スケール感のある大きな
歌はまさに本格派の名に恥じない。

当時テレビで見たライブ歌唱も録音物に全く劣らず。
むしろパワーを増して感じられたものだ。



「だれかが風の中で」は市川崑監督作品のTVドラマ「木枯し紋次郎」の
テーマ曲で、新しいムードを持った時代劇に似合った。

中村敦夫が演じた天涯孤独の紋次郎。風の中から表れ、去っていく。
まさに「この歌」の通りだった。

このアルバム以外にも「さとうきび畑 」や、異色のNHK大河主題歌の
「天下堂々」など収録されたコレクション盤もあるから、そちらも聴い
てみたいトコロですねぇ。