都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

平和生命館

2006-12-21 | 中央区  

 銀座、外濠通りに面して建っていたオフィスビル。

平和生命館(旧菊正ビル)
所在地:中央区銀座 3-2
構造・階数:RC・7F(8Fを増築)
設計 :國枝 博
建設年:1932(昭和7)
解体年:2006(平成18)
Photo 2001.6.24

 ビル本体は、アールデコ系デザインで、垂直線を強調したモダンなもの。当初は7階建てで、外壁の付け柱が屋上まで突き抜ける形だったそうだが、8階の増築により、垂直感はややそがれてしまっているという。竣工時の写真は手に入らなかったが、昭和初期の銀座では、7階建てで垂直方向を強調したアールデコデザインは斬新で印象的だったに違いない。

 今回、掲載にあたって、参考のために、いくつかの近代建築サイトをチェックした。

 ニッポン懐景録中央区銀座3丁目には、2005年の写真が掲載されている。

 また、街の風景平和生命館には、1999年と、2002年の写真が掲載されている。

 拙Blogの写真と合わせて、古い順に1999、2001、2002、2005の写真が見られるわけだが、たった6年の間なのに、あちこち様子が違っている。いやはや。

 1999年の写真では、コーナー部に「平和生命」のネオンサインが付いている。

 平和生命が、2000年4月にエトナヘイワ生命になったため、2001年6月の写真(写真↑)には、平和生命の文字はない。

 更に、エトナヘイワ生命は、2001年12月にマスミューチュアル生命になってしまい、転居してしまったとのこと。

 2002年以降の写真は、転出後のもののようだ。収入の足しにするためだろうか。大王製紙・エリエールの巨大な広告看板が屋上に付けられている。建物が8階建てなのに、3階分ぐらいに相当するバカでかい看板が付いたため、バランスが完全に崩れ、見る影もない状況になっていた。また外壁のリニューアルもされたようで、窓の上下の壁とコーナー部の縦のラインの色が茶色から緑に変わっている。使い続けるためにリニューアルしたんだろうに、数年したら解体なんて切ないなー。

 ちなみに2005年の写真では、広告塔のデザインがマイナーチェンジされている。

 2001年に撮影していたので、その後は撮らなかったのだが、こうして比較してみると、かなりいろいろ変化していたようだ。経年的な変化は、現場では気づかないことも多い。デジカメになって沢山写真を撮れるようになったので、やはり何度でも撮っておくべきなのだなと思った。

Tokyo Lost Architecture  
#失われた建物 中央区  #近代建築  #オフィス  #銀行・保険 
コメント (2)
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