JR上野駅浅草口を出て、駅前広場の反対側正面、浅草通りの角にあった建物。
喜昇堂玉生商店、きつね鮨、丸越書店
所在地:台東区東上野3-19
階数 :3F
解体年:2004(平成16)頃
Photo 1992.8.13
左から、たばこ屋(喜昇堂玉生商店)、寿司屋(きつね鮨)、書店(丸越書店)が1階に入居していた。壁面がタイル貼りなので、RC・3階だと思うのだが、木造3階の看板建築とも考えられ、詳細は不明。角のたばこ屋(玉生商店)部分は3階建て。でも浅草通り側の3階窓はなぜかかなり下方に付いている。2階から上は住居として使われていたのだろうか。写真を見ていたら、逆に内部の様子が知りたくなってきた。一方、右側は2階建ての上部に看板が付いていたらしい。2階の窓が全て共通なので、一体的なビルなのだろうが、それにしては3階部分がばらばらだ。
参考サイト及び記事
「ぼくの近代建築コレクション」> 地下鉄ストアビル、きつね寿司/東上野3丁目
「tansei.net」> 近代建築 > 上野駅前の店舗付住宅閉鎖
tansei.netの記事内の写真には、建物の右側側面が写っている。側面からみたときにトタン貼りで屋根が傾斜しているところをみると、木造看板建築だったのかとも思われるが、正面の壁面はかなりしっかりしたタイル貼りで、どうも木造には見えない。もしかすると本体はRCで、増築部分が木造とかいうことだったのだろうか。専門外なのでこういう建物の構造はよく分からないのだが、見ているとどうも気になる建物だ。いずれにせよ、建物が解体されてしまった今となっては、関係者に聞き取る以外には本当のところを知る術はない。
さて今回参考にした「ぼくの近代建築コレクション」には、下町の古い建物の写真が沢山掲載されている。80年代に撮影された写真が多いようだが、これを見ていると、20年ぐらい前までは、東京にも様式建築がごろごろあったのだなぁと再認識させられる。私が東京に出てきた頃まではまだ方々に近代建築があったわけで、早い内にもっとたくさん見ておけばよかったなと、今更ながら思うことしきり。そう考えると、2020年頃になると、現在に対しても同じような感慨を持つのだろう。やはり今のうちにあちこち見ておかなければいけないな。
2003年までの住宅地図では喜昇堂玉生商店、きつね鮨、丸越書店の名があった。2004年版では建物は残っていたが、きつね鮨以外が空き家状態になり、2006年の住宅地図では建物もなくなり駐車場になっていた。また左隣の看板建築、長塚延寿堂薬局も2004年までに解体されている。
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 台東区 #商業系 ブログ内タグ一覧
2020.10.11追記
1953(昭和28)年発行の『火災保険特殊地図』でも上記の店舗はほぼ同じ状態で記載されている。写真左端は延寿堂クスリ長塚、喜昇堂(菓子・茶・海苔)、きつね鮨、丸越書店。