東京新旧写真比較(1981/2008) No.40 千代田区神田淡路町2丁目

Photo 1981
Photo 2008.12.21
比較的大きな通りでの写真が多い1981年の撮影者が、なぜいきなりこの路地を撮ったのかはナゾ。
最初に写真を見た時はこれがどこだかさっぱり分からなかった。画面左側に魚金という魚屋があるが、現在は神田・御茶の水界隈にこのような名の魚屋はない。拡大しても住居表示板が全く写っておらず、ほとんどお手上げ状態だった。だが、一連のスライドのマウントを外して、撮影の順序を調べてみたところ、撮影者がどの順序で街を巡り写真を撮ったのかが分かり、そこからどの道で撮ったのかを明らかにすることができたのだった。
No.13
No.14
No.15
No.16
というわけで、今回のコマはどうやら淡路町交差点、淡路町2丁目交差点付近の路地で撮られたことが分かった。
写真中央を車が左から横切っている。交通標識からして、交差するこの通りは一方通行。また、奥の方の建物がややそびえ立つ壁のように見えていることから、なんとなく下町側から高台側を見たのではないかと見当を付ける。付近にこれらの条件を満たす道は一つしかなかった。というわけで12月になって現場を訪問。
行ってみると、確かに道の様子は似ていた。この道なのだろうとは思った。しかし建物がほとんど建て替えられてしまっていて、どのあたりから撮ったのかがさっぱり分からない。
しばらく行ったり来たりする内に、左側に昔の看板建築的な建物が残っており、更にその奥に斜線制限で上の方の階が斜めになっているビルがあり、それらが今も見えていることを発見。更に、交差点角の建物も色は塗り替えられているが健在であることも分かった。そこでこれらを手掛かりにして写真を撮る。結果的にL字型側溝の雨水枡の位置がややずれて写っているので、もう少し後方で撮ったのかもしれないがほぼ同じ構図で撮影することができた。
近景があまりに異なるので、俄には全く信じられないが、上の2枚の写真はほぼ同じ場所から撮ったものである。
Cityscape of Tokyo #東京新旧写真比較 千代田区