13:00 アルセーニエフ歴史博物館を出る。お昼も過ぎてご飯を食べたいところだったが、本屋さんへ連れて行かれてしまう。昨日とは別の本屋で、こちらは「友好」という名の店だったが、はっきり言ってこちらも大したものを置いていなくて、僕らは「あ~、やっぱりなんにもないや。」などと、日本語がわからないであろうことを良いことに、結構失礼なことを言いつつ店を出てしまった。
外に出ると不思議なことに本の露店(ワゴンセール)をやっているおばさんがいた。どうも店とは関係がないらしく、本を買いに店へやって来た人目当てに、自分も本を売っているようだった。そして、こちらの露店の方が僕らにとっては魅力的な本があった。実際、外の方が良い本を売っていて、当然その値段も高い。日本では露店で売っているものには安物が多く、贋作、海賊版だったりしてあまり購買意欲が湧かない。だがロシアではどちらかといえば露店の方が良いものを売っていることが多い、ということにこの後あちこちで気づくことになる。
この露店でもいろんなペーパーバックがよりどりみどりで、長編小説に混じって、露英辞書、英語の教科書らしき本などが売られていた。ただし、みな一冊ずつ位しかない。そしてその中になんと「日本」という本が売られていた。最近、隣国日本に関する興味が増しているという噂は聞いていたが、こんなところでこのような本に遭遇するとは思わなかった。
手に取ってぱらぱらとめくってみると、どうやら日本語会話を勉強するための初歩の教科書らしい。絵入りで様々な例文が並んでいる。でもちょっと見ただけでもいくつか間違いがあり、文字が横向きだったり、上下逆だったりする。日本人や中国人等、漢字圏では当然のような事実がめちゃくちゃなので、逆にこっちがびっくりしてしまう。
教科書からしてこうなのだから、一般の人はほとんど日本語を知らない。最も日本人もほとんどロシア語を知らない。かくいう僕もロシアに行ったのに覚えた言葉は結局5つぐらいしかない。だから昨日のヒアリングのように、お互いの話を正確に伝え、理解するのにはとても骨が折れるというのが、今となってはとても良く納得できるのでした。
バス車内から
13:50 バスに乗って帰寮。中心部とドミトリーの間は、バスだと10分程度であっという間だが、これを歩くと、丘を一つ越えるのがなかなかしんどいようだ。実際ロシア製のマイクロバスは、毎回その丘の上り坂をウンウン唸って上っていた。別に満員にして走ってるわけではないのだが、それでもこのバスにとってはきついようだった。確かにかなりの急坂がずるずる続いて大変なところだったが、でも日本のバスだったら、グイグイ上ってしまえる程度ではないかと思う。そこらへんやっぱりロシアなのだ。
バス車内から 路上駐車したトラックの荷台から野菜を買う
14:00 昼食。朝に続いて昼もスパゲティだった!。この他スープが出る。
15:00 昼食を終えて、部屋にいったん戻って休憩。ハンモック型ベッドは一晩寝ると背中が痛くなってしまうが、ちょっと休憩する時には、包まれてしまうような感覚がなかなか良い。疲れた体を少しの間だけ預けてしまう。ばたばた行動していると旅行前半なのになんだか疲れてしまう。実はお昼休みというのは大切なのですね、と気づかされる瞬間なのだった。
1992年10月 ロシア日記・記事一覧
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