峰、スワン理容室
所在地:中央区 日本橋人形町2-6-8
構造・階数:木・3
建設年代:昭和初期
解体年代:2006〜09(平成18〜21)
Photo 1996.10.6
人形町の一角にあった小さな建物。その経緯については下記『たてもの図鑑 シャンバ』に詳しい。
建物は、2階の北東側はトタン張り(たぶん)で、路地側はモルタル塗り。1階はタイル張りとモルタル塗り。
マンサード屋根の屋根裏3階建てだが、屋根裏は小振り。震災後の昭和初期にマンサード屋根やギャンブレル屋根で建てられた看板建築には、もはや屋根裏とは言えないような3階建てもあるが、ここはあくまで屋根裏部屋といった造りになっていた。
関東大震災後の昭和初期に建てられたものだったそうで、1933(昭和8)年の火保図では建物は既にあったようだが、屋号などが書かれておらず用途は分からず。
戦後の火保図(1950年、1953年)では「喫茶モリ」。
1963年の『東京都全住宅案内地図帳』では「コーヒー峰」。
1973〜80年頃は住宅地図では「洋酒 峰」。
1980年代〜92年の住宅地図では単に「峰」となっていた。
そして、1993年の住宅地図では「スワン理容室」。スワン理容室はもともと人形町2-8-5にあった床屋さんで、1992年には同所に5階建てのスワンビルが完成している。下記「ぼくの近代建築コレクション」内の記事に付けられたコメントには、1995年頃には廃業していたことも記されている。
写真の建物は撮影時、空き家だったようで床屋の看板やサインなどはない。1995〜97年の住宅地図でも空白になっている。恐らくスワン理容室は、ビルへの建て替えの期間中、一時的にここで営業していたのだろう。ビルの完成後、理容室は戻ってしまい、写真の頃は空き屋で理容室時代の庇が残されていたようだ。
2000〜2003年頃の住宅地図では、ここは「Shumba」という店になっており、前述のように下記『たてもの図鑑』で採り上げられていた。
しかしこの店も、その後なくなり、2006年の住宅地図では再び空き家。その後、2、3年のうちに解体されたようで、2010年のGoogleストリートビューでは既に消失している。
たてもの図鑑 シャンバ
麻雀明朗、バーバースワン/日本橋人形町2丁目 - ぼくの近代建築コレクション
Tokyo Lost Architecture
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