
松本屋
所在地:台東区 根岸3-1-19
構造・階数:木・2
建設年:蔵は明治20年頃もしくは明治元年
蔵以外の店舗は金杉通りの拡幅以後に完成
解体年:2000〜03(平成12〜15)
Photo 1995.6.17
松本屋は金杉通り沿いにあった化粧品店(兼雑貨店)。下記『ぼくの近代建築コレクション』の記事中の写真には、資生堂とアルビオンの袖看板が写っている。ただ、同記事2枚目の店頭の写真には化粧品以外の雑多なものが写っており、雑貨店のようだったらしいことも判る。実際、戦後まもなくの1952年版の火保図では雑貨店、1963年発行の『東京都全住宅案内図帳』では化粧品店と記されており、古くから雑貨も扱う化粧品店だったらしい。
右側の蔵は明治初期か中期のものだったそうだが、通り沿いの店は金杉通りの拡幅(明治40年頃)の後に建てられたものだった模様。金杉通りのこのあたりは関東大震災でも第二次大戦でも被災しなかったそうで、かつては土蔵造りや出桁造りの店舗が建ち並んでいた。しかし2000年頃以降はそれらも次第にマンションなどに建て替えられており、中高層マンションの間に古い建物が点在する状態になってきている。
『ぼくの近代建築コレクション』の1989年撮影の写真では土蔵の前部分の屋根も瓦葺きだが、1995年撮影の上写真では老朽化したからかトタン葺きに替えられている。また、2000年の住宅地図には記載されているが、その後解体されたようで、跡地には2003年9月に松本屋レジデンスが完成している。
参考『東京の町を読む』陣内秀信・板倉文雄 他、相模選書、1981
『下町残照』村岡秀夫、朝日新聞社、1988
松本屋/根岸3丁目 - ぼくの近代建築コレクション
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 台東区 #土蔵造り #倉庫・蔵 #旧街道
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