19世紀末から20世紀初頭にかけて、
ウィーンでは、絵画や建築、デザインなど、
それぞれの領域を超え新しい芸術を求め、
ウィーン独自の文化が開花。
画家のグスタフ・クリムトやエゴン・シーレ、
建築家のオーットー・ヴァグナーなどの
芸術家たちが登場し、ウィーンの
文化は黄金時代を迎えます。
クリムトの絵は、好みではないのですが、
東京都美術館では、過去最大規模の
“クリムト展” などクリムトが大注目です。
日本・オーストリア外交樹立150周年記念で
ウィーン・ミュージアムの作品を中心に、
約400点のウィーンの至宝が集結する展覧会。
クリムトの代表作の一つ、最愛の愛人を描いた
《エミーリエ・フレーゲの肖像》は写真撮影が
エミーリエは、この作品がお気に召さず売却したとか。
クリムトの弟とエミーリエの姉が結婚した時、
クリムト29歳、エミーリエ17歳で、
家族で幾度もの夏をアッター湖で過ごした
当時の写真も出品されています。
啓蒙思想は、顔にこそ人間の本質が表れるとか。
なるほどと思い、その視点で鑑賞して観るのも面白く、
「究極の愚か者」という作品がありましたが、
自分の頭部が気になったりして・・・。
音楽教室の肖像画そのままの姿のようなシューベルトは、
この時代の人でしたが、もっと遅く生まれれば、
梅毒などで天才の命は奪われなかったのにと
あれこれと思い巡らしながら鑑賞しました。
ウィーンの世紀末の芸術は苦手と思っていましたが、
それは全貌を理解していたわけではなく、
ほんの一部を見て思っていたに過ぎなかったのです。
歴史を紐解くと美術展もさらに興味深いものになり、
映画も奥深く鑑賞できると思う日々です。
国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2
2019.6.7