尾張藩第二代藩主光友が、1695年に自らの隠居所として造営、
当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広さであったとか。
1889年に公爵となった尾張徳川家の邸宅となり、
1931年に名古屋市に寄贈され、徳川園が開園されました。
海に見立てた水面の周りに見どころを配する池泉回遊式庭園の
中心的存在の龍仙湖は、地下水を水源としています。
この龍仙湖に面する二層の建物にレストランがあり、
眺望とフレンチと和が融合した料理を楽しめるのです。
黒松を背にして浮かぶ島々、巨石や石橋が点在し、
水際を渡る飛び石、船小屋のある渡し場などを
巡りながら散策ができます。
白楽天などの古くからの文化人の憧れの景勝地である
中国杭州の西湖の湖面を直線的に分ける堤防を縮景にした
西湖堤(せいこてい)は、小石川後楽園(東京)、
縮景園(広島)など現存する大名庭園に見られる様式です。
鯉が滝を登りきって竜となったという
登竜門伝説を表現した龍門の瀧。
尾張家江戸下屋敷にあった滝の石を使用しています。
深山幽谷の山水画を思わせるような渓谷美を表現した虎の尾、
初夏には新緑、秋には紅葉が美しく彩りを加えます。
ここに架かる檜造りの木橋が虎仙橋(こせんきょう)です。
下流に龍仙湖を臨みます。
虎の尾を上りきると到達するのが大曾根の瀧。
落差6mの瀧は、上、中、下段の岩の組み方が異なり、
水しぶきの表情が異なるよう趣向を凝らしています。
春には牡丹、初夏には花菖蒲、
新緑や紅葉など四季折々の
美しさも楽しめます。
愛知県名古屋市東区徳川町1001
2019.3.23