'07/01/05の朝刊記事から
>沖縄返還時の日本負担 2億ドル「米の利益に」
また密約示す米公文書
【ワシントン4日時事】1972年の沖縄返還前、日米間で結ばれた財政負担に関する密約の存在を裏付ける米政府の公文書が、また新たに米国立公文書館で見つかった。
69年11月の佐藤栄作首相(当時)訪米直前に秘密裏に決まった3億7500万ドルに上る日本側支払いの使途をめぐる内容。
特に、うち2億ドルは積算根拠のないまま決まった「つかみ金」的な性格だったことが浮き彫りになっているだけでなく、日本側の支払いが米国の「財政的利益」になる必要があるとの認識が示されている。
日米密約に関してはこれまでも存在を示す公文書が発見されているが、日本政府は密約を否定し続けている。
日本側支出となった3億7500万ドルのうち「基地の移転やその他の経費」2億ドルについて「日本からの2億ドルは国防総省の支出を減らし、その分を米政府が節約できる」と位置付けた。
沖縄返還で財政上の利益を確保し、ベトナム戦争に伴い増大する出費を少しでも削減する狙いがあったと見られる。
沖縄密約
沖縄返還で発生する財政的な負担について、日米は1969年に秘密裏の取り決めを結んだ。
社会党(現社民党)は72年に密約のうち日本政府が肩代わりする400万ドルについて機密の公電を基に国会で追及。
この公電を入手した毎日新聞記者(当時)らが国家公務員法違反に問われ、有罪となった。
現在この元記者が政府を相手取って賠償を求める訴えを起こし係争中。
外務省の吉野文六元アメリカ局長も最近「密約はあった」と証言している。