'07/07/25の朝刊記事から
柏崎原発 クレーンが破損
新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災状況を調べている東京電力は24日、同原発6号機の原子炉建屋で、炉心構造物をつり上げるための鉄製クレーンの車軸の一部が破損しているのを見つけたと発表した。
揺れに強い原子炉建屋内で重要機器の被害が分かったのは今回の地震では初めて。
修理が終わるまで炉心の点検はできないため、作業開始は遅れる見通しだ。
経済産業省原子力安全・保安院によると、地震による原発施設での機器破損は、2000年に福島第一原発6号機のタービン建屋で配管が壊れた例がある。
地震発生時にクレーンは原子炉格納容器の真上にあったが何もつっておらず、原子炉圧力容器も格納容器とコンクリートで覆われていたため、原子炉の安全や環境への影響はないという。
保安院は「壊れてもクレーンは落下しないので、安全には支障のない破損だ」としている。
このクレーンは原子炉の本体である圧力容器のふたをつり上げ、炉内の健全性を確認するのに不可欠な設備。
車軸の継ぎ手が少なくとも二カ所で破断していた。
クレーンは幅35メートル、奥行き12メートル、高さ6メートル、重さ310トン。
原子炉建屋と一体の構造で、圧力容器のふたや炉心構造物をつり上げ、建屋の壁に設けたレール上を車輪で移動する。