「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

宮古島の「来訪神」バーントゥとスマトラの”お化けHantu

2018-11-30 08:35:16 | 2012・1・1

ユネスコの文化財遺産に秋田県男鹿のなまはげなど全国10の「来訪神、仮面、仮装の神々」が登録された。その一つに沖縄県宮古島に伝わるバーントウがある。2012年4月10日更新の小ブログ”宮古島のお化け、スマトラのお化け”は、1987年1月、僕が西スマトラのパダンデ.シデンプアンの山中で出くわしたhantuという断食明けの奇祭の写真を紹介している。

インドネシア語のhantuは一般的には①ghost②evil spritといった意味だだが、宮古島のバーントウがあまりにもよく似ていて、言葉まで似ているのでブログに紹介した。沖縄王国はは江戸時代、マラッカ王国と交流があり、まんざらスマトラと歴史的に無関係ではない。スマトラから象を乗せた交易船も渡来してきている。

現在、バーンウとhantuとは祭りの様式も異なるが、仮面をかぶったリ、木の葉の衣装をつけたりするのは同じである。ユネスコに登録されたのを機会に、日本側からの呼びかけで文化人類学的な研究が進めばよい。

 


”人生いろいろ” 貴乃花元親方の”卒婚”

2018-11-30 05:08:28 | 2012・1・1

大相撲の貴乃花元親方(47)が先月、元フジテレビ.アナウンサーだった夫人の景子さん(54)との23年間の結婚生活にピリオドを打ち”卒婚”した。直接”卒婚”という言葉は使っていないが、代理人を通じて"これまでの夫婦としての成り立ちを、昔の想い出として卒業することになった”という。僕ら老人にはあまり聞きなれない言葉だが、Wikipediaによると、2000年以降の日本における夫婦生活の新しい形態だとのこと。

長寿のお祝いの一つに”卆寿”がある。漢字の「卆」を分解すると、九十だというこじつけから、数え年90歳のときに祝う。しかし、銀婚式(25年)金婚式(50年)ダイヤモンド式(60年)はあっても卆婚式はない。僕ら夫婦は今年で結婚63年だが、もう誰もお祝いしてくれないし、卆婚式は上げない。

今朝午前3時からの宮崎発NHKラジオの深夜便をきいたら、島倉千代子が歌った”人生いろいろ”が流れてきた。その歌詞の繰り返し部分、”人生いろいろ、男もいろいろ、女もいろいろ”を聞いて、僕は貴乃花親方夫婦の”卒婚”が頭に浮かんだ。深夜便では宮崎民謡の「シャンシャン馬道中」も流したが、このかけ言葉の“はい、こんき、こんき”のこんきは「根気」だとアンカー氏の説明があった。結婚とはお互いの根気で成り立っている。23年では根気がなさすぎるのだと僕は思うのだが。

 

 


曽野綾子さんの”ゆるキャラ”批判 チャイルディシュな議員さん

2018-11-29 05:22:23 | 2012・1・1

加齢という同世代の友人、知人と会い話をする機会が減ってきた。その意味で産経新聞(首都圏版〉に週に1回掲載される同じ歳の作家、曽野綾子さん(87)の随筆「透明な歳月の光」を読むのは楽しみである。11月29日付の随筆は”いい大人が無邪気に喜んでいるが”という見出しで”(いい大人たちが)カニみたいに指をさし”ゆるキャラ”を見て喜んでいる。世も末だ”と痛烈に批判している。僕も前から同じ思いをしていただけに喝采を送った。

子供が”ゆるキャラ”を見て喜ぶのならわかるが、白髪や禿頭に近い髪の大人たちが指でVサインして写真におさまっている姿は気味が悪い。どうも最近、日本人の大人は”子供っぽく”なってきたようにみえる。曽野さんも随筆の中で”英語で「子供らしい」(チャイルド.ライク)という単語は「子供が子供らしく大人も子供のように純真な」という意味だが、似たような言葉で(チャイルディシュ)は「幼稚な」「馬鹿げた」などの否定的な意味を持つと書かれていた。

先日、テレビで衆院法務委員会の入管法改正案の採択の模様をみた。葉梨康弘委員長が押しかけた野党議員に囲まれてもミクチャにされている。とてもとても選良の姿ではない。まさに「チャイルディシュ」とはこのことを言うのであろう。馬鹿げた国会の年中行事である。


入管法改正案 見直し規定「2年後」でも遅すぎる欠陥法案

2018-11-28 05:47:05 | 2012・1・1

外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入管理法改正法案は27日夜、大荒れの審議の末、衆院本会議を通過、29日、参院での審議を開始する運びである。なぜ、そんなに審議を急ぐのか。国の将来にも関わる重要改正案である。政府与党は12月10日の国会会期末までに改正案を成立させ、4月から実施したい意向のようだが、ろくに国会で審議もされていない、欠陥改正案である。それを見越してか、衆院通過に当たり、法の見直し規定を「3年後」から「2年後」に短縮した。しかし、「2年後」でも遅すぎるのではないだろうか。

26日の衆院予委員会の審議をテレビ中継で見たが、政府側の説明は技能実習制生の失踪をめぐる文書の誤りの詫びが先行しただけで、改正案の具体的な説明がない。例えば、山下貴司法相は受け入れ外国人生活環境の整備を進めるといっているが、総合的な対応策が何なのか、いつ策定するのかはっきりしない。4月から改正案を実施するというのに間に合うのか。

野党も勉強不足である。人出不足による外国人労働者の受け入れには賛同しているようだが対案が出てこない。例えば、野党系の鈴木康友浜松市長が、30年来の同市の外国人受け入れ経験から「外国人庁」設置を提案している。浜松市は全国でも外国人居住比率が多い。政府案は入園管理局を拡大し「入国管理庁」にするそうだが、入国後の外国人の”管理”はどうするのか。数年前、長野県川上村で、中国からの農業実習生が低賃金、過酷な労働に集団で反発した事件があった。

今のままでは政府の改正法案は、今国会で可決される見通しだが、実施までには3か月ある。拙速にはなるが、政府はもう一度改正案を洗い直し「2年後」といわず、問題が発生する前に欠陥法に手を入れるべきである。


"イオンも逃げ出す”スーパー商法

2018-11-27 07:07:31 | 2012・1・1

インターネットの「マグマ.ニュース増刊号」(11月25日号)の”イオンも逃げ出す「OKストア」”という記事を見た。毎日、この種の情報が届くが、老人には情報過多で、あまり読んだことはなく削除するのだが、見出しの「OKストア」につられて読んで見た。

僕が住んでいる町は、イオンの巨艦店舗(旧ダイエー、地上7階地下1階)があるほか私鉄の東急ストアが駅前にあり、そのほか大関、いなげや、はなまさなど“”群雄割拠”しているが、同じ屋根の下に住む娘夫妻は、あまり近くのスーパーではなく、週に1回、車に乗って4キロも離れた「OKストア」へ買い出しに行き、わが家の分まで買ってきてくれる。

マグマ.ニュースの記事によると、スーパー業界は1997年をピークに売れ上げは下降しているそうだが。その中にあって「OKストア」は1都3県で”高品質、everyday  low price "を旗印に発展し、店舗数も108店まで延びている。店舗内には”わが店より安い店があったらお知らせください。値下げします”という張り紙があるそうだ。

スーパー商法は、だいたいが,その日の目玉商品を新聞チラシなどで知らせる方法。老妻は各店のチラシを見比べて買い物に行っているが、「OKストア」はチラシを使わない。毎日、価格が安ければその必要はない。チラシに使う印刷代や配布量を値段に還元しているのであろうか。これも一つの商法である、

 


老人会への参加と健康寿命

2018-11-26 07:50:11 | 2012・1・1

この三連休、僕は一回、買い物に出かけただけで家に閉じこもり、ひたすらテレビで相撲観戦の毎日であった。これに反して二歳年下の老妻は元気いっぱい、毎日元気いっぱい外に出かけ秋の日を楽しんでいた。昨日は目黒区の同じ区内の五本木商店会主催の花梨(かりん)収穫祭にでかけ商店街の街路樹で獲れた花梨を一杯頂戴してきた。花梨は咳止めの生薬に役立つそうだから、年寄りに多い肺炎にもよいかもしれない。

僕ら夫婦は合計年齢172歳で要介護1の認定を受けているが、地域の老人会に参加している。二人と年会費1200円を支払っているが、老妻は毎月数回の童謡の会やフラダンスの集いに参加しているが、僕は年に一回、誕生日会に顔を出すだけの会員である。連休の初日、老妻が老人会の総会に出て、参加募集のパンフと機関誌を貰ってきた。目黒区内には40の老人会があり、4200人の会員がいるが、御多聞にもれず、年々、会員数が減ってきている。60歳代の参加者が激減しているからだそうだ。僕らの参加している会の平均年齢は79.40歳である。

日本人の平均健康寿命は男性72,14歳、女性74,79歳(平成28年)という統計がある。これから見れば、僕らの老人会の平均年齢ははるかに高い。老人会が長寿に良いのか、長寿だから老人会に参加できるのか。老人会の社会活動の一つとして”高齢者施設の訪問”というのがあった。老人会の定義を改めなければならない。

 

 

 

 


ふるさと納税と地方創生大臣

2018-11-25 05:12:48 | 2012・1・1

購読紙の産経新聞のラテ欄広告面に週なん回か”ふるさと納税”を募集する市町村の広告が載っている。老人夫婦にとっては、手続きが面倒だし、第一その余裕もないので応募したことはない。階下に住む娘夫婦が時々、名産品欲しさに”納税”して、送られてきた一部をおすそ分けしてくれる。たしかに今まで味わったこともないグルメもあり美味しい。

先日の広告に宮崎県の日之影町のふるさと納税募集の広告があった。首都圏に住む者にとって九州ははるか遠い。インターネットの索引で調べてみたら、九州北部山林が92%,人口が4000人足らずの過疎の町で、町内には鉄道も高速道路も走っていない。納税のお礼として、町から棚田からとれた完全無農薬米、特産の釜いり茶、柚子柿が希望によって送られてくる。九州の小さな過疎の町が全国紙に広告を出すのは、清水の舞台から飛び降りる決断であろう。

それだけ、ふるさと納税は効果があるのだろうが、地方の活力のなさは一体どうなっているのか。そのために「地方創生大臣」が内閣特命大臣として任命されたのであろうが、国会のテレビ中継を見ると、政治資金が違法だとか著書の本の野立手広告が無許可だとか、地方創生に無関係な話ばかりである。ヒステリックに追及する野党も野党だが、難問山積、やはり大臣は責任をとって辞任すべきである。税金のムダ使いである。

 


文化はつるインド洋上アンダマン.ニコバル 日本軍の戦い

2018-11-24 06:13:36 | 2012・1・1

インド洋上のアンダマン.ニコバル諸島の一つ、北センチネル島へキリスト教の布教に出かけた米国の青年(27)が、島に住む文明社会から隔離されている未開の部族から弓矢で射殺されたと外信欄の片隅に載っていた。アンダマン.ニコバルといっても大方の日本人は知らないが、戦時中の南方軍について調べている僕にとっては久しぶりにみる活字だ。

アンダマン.ニコバル諸島は、戦争中、セイロン(スリランカ)のコロンボまで空爆した日本軍にとっては重要な軍事基地で、昭和17年3月、スマトラ作戦を終えた第25軍(山下奉文司令長官)は、いち早くアンダマンに派兵、上陸してる。一方、海軍第第2艦隊も第12根拠地隊を送り、インド洋の守りについている。翌18年にはニコバル島に陸軍3200名、海軍1200名を駐留させ飛行場を建設している。当時の模様は青柳謙一著「インド洋の夕映え」に詳しい。

日本軍が北センチネル島を占領したかどうか不明だが、当時はアンダマン島の首都、ポート.プレアでさえ”南海の孤島”であったようで、戦争末期には、外部からの食糧の供給が絶え、住民に餓死者が出たとされ、戦後のシンガポール英国裁判で刑死者を出している。

それにしても、戦争といえ日本軍は、今なお文明社会から孤立している島がある、はるか遠方の地まで戦火を拡大したものだ。先日安倍総理がオーストラリアのダウィンで。空襲犠牲者の慰霊碑に献花していたが、西はアンダマン、東はダウィンまで、思えば無謀な戦火の拡大であったものだ。


韓国警備艇の大和堆での警告 李承晩ラインの悪夢

2018-11-23 05:58:54 | 2012・1・1

韓国の警備艇が日本のEEZ(排他的経済水域)にある大和堆(やまとたい)で操業中の日本の漁船に対して操業中止を要求してきた。大和堆は1965年の日韓漁業協定によって日本が操業できる海域である。またもや韓国は法を破る行動に出てきた。古い日韓関係を知る僕には1950年代の”李承晩ライン”の悪夢がよみがってきた。

大和堆は日本海の中心部に位置する水深の浅い好漁場であり1926年、旧海軍の測量艇「大和」によって大和堆と命名された。戦後の1952年韓国の李承晩大統領は、いきなり自分勝手に「海洋主権宣言」を行い、わが国の固有領土である竹島を含む海域に「李承晩ライン」を設定、領土化した。1965年の日韓基本条約で「李承晩ライン」は撤廃されたが。竹島は戦後のゴタゴタで”実効支配”されたままだ。

「李承晩ライン」の時代、僕は駆け出し記者だったが、毎日のように日本の漁船が「李ライン」内で拿捕され釜山港に連行された記事を見た。65年の日韓漁業協定までに3929人が不法につかまり44人が収容所で死亡している。サンフランシスコ平和条約以前のわが国では”戦勝国”である韓国に対してものがいえず、切歯扼腕したものだった。

文在寅政権になってから最近、意識的な反日行動が目立つ。韓国最高裁の”徴用工”に対する賠償支払い判決。慰安婦合意を一方的にホゴにした慰安婦財団の解散。国会議員の竹島上陸など枚挙にいとまがない。日本のマスコミの中には大和堆の今回の韓国警備艇の行動は“カン違い”だとのんきなことを言っているが、”李ライン”の悪夢を知る世代にはそう思えない。毅然として厳しく対応しなければならない。相手は無法国家である。


山下法相は技能実習生制度の実態をご存知なのか

2018-11-22 05:44:57 | 2012・1・1

外国人労働者の受け入れ枠拡大を目的にした出入国管理法改正案が昨日から本格的に審議に入ったが、冒頭から法務省国会に提示した外国人技能実習生の聴き取り文書の誤りについて荒れ模様だ。政府は27日に衆院を通過させたい意向だが、とても望めそうもない。このままでは12月10日の国会閉会は無理。来年4月からの改正案の運用は無理だ。

出入国管理法改正案について僕は国の将来にかかわる今国会の最大重要法案だ思っているが、どうも政府は過少評価している。山下貴司法相は法務省文書の誤りを認め謝罪しているが、一方で改正法案による新しい受け入れ制度は現行の技能実習制度とは違うと発言している。それでいて、新制度の下での労働者の45%は技能実習生からの移行だという。矛盾している。

法務省文書は失踪した2892人から聴き取りしたとあるが、大変な数である。その理由の第一は賃金の低さとあるが、募集の段階で日本の詳しい事情説明などなかったのか。どうも、僕には技能実習制度の最大の誤りは、受け入れ企業との間に入った管理団体にあるのではないかと思う。実習生の低賃金も受け入れ企業が、管理団体に支払うコミッションからきているという指摘がある。

山下法相は新制度は技能実習制度とは違うと言いながら、僕には欠陥制度とみられる技能実習制度の下での実習生をそのまま引き継ぐ印象を与える矛盾はまねからない。山下法相は、自ら技能実習性が失踪した現場を視察したり、管理組合の実態にを調べたりしているのであろうか。新しい制度導入にあたって、技能実習制度は,もってもの反省検討材料と思うのだが。