「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        脱原発デモと”全共闘世代”の老人たち

2012-07-31 05:23:33 | Weblog
毎週金曜日に行われている脱原発デモがエスカレートし29日の日曜日、東京の国会議事堂を囲むデモになった。わが家で購読している読売新聞(首都圏版)は第二社会面の下のほうで「脱原発デモ国会を取り囲む」というベタ見出しで小さく扱っていたため、僕は見落としていたが、NHKのテレビでこれを知り、娘婿の家がとっている東京新聞を見たら驚いた。一面トップで「脱原発国会包囲」という大きな見出し。さらに社会面でもトップ記事で20万人が参加(主催者発表)と大々的に報じている。

どちらの新聞も「脱原発デモ」に対する会社の姿勢が反映しているが、東京新聞の扱いは公の新聞として常軌を逸しているのではないだろうか。この日のデモの主催者は「首都圏反原発連合」とい団体だが、その構成は特定の考えの労組や文化団体である。毎日新聞の記事によると、主催者の一人はデモについて”大事なことはデモへの参加者を増やし政府に対して圧力をかけることだ”と言い切っている。一部のマスコミはツウィッターなどの呼びかけで一般人の参加が増えている面を強調し”ベビーカーを押す家族連れ”とか”74歳のお年寄りも参加”とかいった切り方をしている。しかし、実態はどうなのだろうか。29日のデモでは検束者まで出ている。

毎日新聞の報道によると、デモ参加者のなかには団塊の世代の参加者が多かったという。僕も前から「脱原発」の支持者に団塊の世代を含むいわゆる”全共闘世代”が多いのに注目していた。ネット情報では、デモ隊の中には、かっての安保闘争や学園紛争の時の”○○大学共闘”といったのぼり旗をかかげてていた一団もあったという。先日の金曜日デモに参加した鳩山由紀夫元首相もこの”全共闘世代”である。まさか安保闘争や学園紛争など青春時代が懐かしく参加しているわけではあるまいが、この世代もすでに60歳後半から70歳の老人である。自分勝手の世代といわれるが、もうすこし”大人”になってほしいものだ。


          萩野公介君の活躍とスポーツ選手の”旬”

2012-07-30 05:47:55 | Weblog
ロンドン五輪前半の日本選手の中で、やはり光っているのは水泳400m個人メドレーで銅メダルをとった高校生萩野公介君の活躍だ。まだ17歳で伸び盛りの選手である。次の200m個人メドレーでもメダルが期待できそうだ。これに引き換え、残念なのは三連覇を目指して出場した北島康介さんが100m平泳ぎで五位に終わったことだ。改めて五輪での三連覇の難しさと、スポーツ選手にも”旬”みたいなものがあるのがわかった。

有名な話だが1948年の前回のロンドン五輪の際、日本水連は五輪の400m、1500m自由形決勝の日に、わざわざ日本選手権の同種目の決勝を開催した。当時、日本は戦争で五輪に参加できなかったが、古橋広之進さん(故人)が、この種目で世界記録を持っていた。そこでメダルは取れなくとも、記録だけは競わせよてにようという試みだった。結果は見事古橋さんはロンドン五輪の金メダルの記録を破り、自己の持つ世界記録を越える記録であった。その時古橋さんは日大の新人で20歳であった。その古橋さんは4年後、戦後初めて日本が参加したヘルシンキ五輪に日本中の期待を背負って出場したが、400m自由形で八位にとどまった。

高校生が水泳でメダルを獲得したのは1956年のシドニー五輪の山中毅さん以来56年ぶりである。この時山中さんは18歳の高校生だったが、初出場ながら400m、1500m自由形で二位になり銀メダルを獲得した。その後早稲田大学に入学、当時の世界記録を次々更新したが、次のローマ五輪では同じ銀メダルに終わり、1964年の東京五輪では地元開催で期待されながらメダルをとれなかった。

やはり、スポーツ選手、とくに水泳選手には体力的な”旬”があるのかもしれない。北島康介さんには、まだ200mが残っている。ぜひこんなジンクスめいたことを吹き飛ばしてメダル目指して活躍してもらいたい。

            ロンドン五輪と東京五輪の開幕式

2012-07-29 05:11:17 | Weblog
ロンドン五輪の開幕式を昨日老妻と一緒にテレビで見た。五輪の開幕式は開催国の趣向を凝らした演出と参加国それぞれの個性あふれる行進ぶりが面白くついつい最後まで見てしまう。昨日も朝食もそこそこに二人して2時間もテレビの前に座ってしまったが、僕ら老人からみると、昨日の日本選手団の行進ぶりには今一つ抵抗があった。

48年前の1964年10月の東京五輪の時、僕はまだ30代の現役で仕事が忙しく、老妻も二人の子供の子育てで忙しくテレビにかじりついていたわけではないが、何故か開会式の日本選手団の威風堂々とした行進ぶりが今でも脳裏にある。ロンドン五輪のだらしない(僕らの目からみれば)入場行進を見て、昔はどうだったのか改めて「you tube」で確認したら、やはり僕らの脳裏にある通りであった。しかも日本選手団だけでなく、すべての参加国が”かしら右”、”歩調とれ”式の行進をしていた。

五輪の開幕式や閉会式の演出は今でも昔でも開催国の采配で行われるものであろうが,東京五輪の、あの各国の行進を見て改めて時代を感じる。しかし、当時でもあまりにも日本的な分刻みな運営には選手団の間にも抵抗があったのであろう。閉会式は、ちょっとした運営のミスから開会式とは打って変わった雑然なものになってしまった。しかし、怪我の功名で選手団には閉会式のほうが印象に残ったという人が当時多かったという。

日本人の特性は、何事に対しても整然さである。これが国際的な評価である。他国にそれを強要することは別だが、五輪の入場行進ぐらいせっかく赤色の制服に揃えたのだから、東京五輪にならって威風堂々と行進したらどうだったらだろうか。私語しながらだらだら歩きは日本人には合わない。

              鰻の蒲焼、ウナギのカレー

2012-07-28 05:15:01 | Weblog
昨日は土用の丑の日だった。丑の日には鰻の蒲焼を食べるが、なぜか僕にはあまり鰻に未練はない。昔から値段の高い食品だったのだろう。戦前、親に連れられて食べた記憶はない。戦中戦後の食糧難の時代は鰻どころではなかった。そのためなのか、丑の日に鰻の蒲焼を食べなくても僕はどういうことでもない。が、鰻好きの人の間では、稚魚の減産から鰻の値段がここ数年”うなぎ上り”し、やがては庶民は食べられなくなるのではと心配している。

鰻の生産は稚魚の減産からピーク時の昭和38年には2322トンあったのが昨年は僅か9トンと、最高時二十分の一だったという。その結果、平成19年には1トン当たり26万6千円だったのが、今年は220万円もするらしい。先日、母親の37回忌の法要の後の精進料理を浅草の鰻屋でしたが、鰻重が1人前2千6百円もして驚いた。とても庶民が普段食べられる値段ではない。

この値段の高騰を受けて鰻の生産地の浜松では、遠くアフリカのマダガスカルやインドネシアから、向こう産の鰻の輸入を始めたという。マダガスカル産のウナギは食べたことはないが、10年ほど前、スマトラのメダンに6か月滞在していた時、下宿先でウナギ(Belut)のカレー料理を食べたことがある。ウナギを輪切りにしてカレー粉などの香辛料で煮たスープだが、暑い場所だけに美味しかった。マラッカ海峡に近いメダンはサカナが豊富であまり現地の人はウナギを食べる習慣はないようだった。

米国の一部ではニホンウナギをワシントン条約で規制する自然保護の対象にしようとする動きもあるという。そうなると鰻の蒲焼はいよいよ庶民の口から遠くなる。インドネシア産のbelutを蒲焼にした場合、美味しいかどうかだ。

         原発デモ参加を呼び掛ける公共放送NHK

2012-07-27 07:23:57 | Weblog
昨日の新聞のテレビ欄を見たら夜7時半のNHKの「クローズアップ現代」で毎週金曜日に総理官邸前で行われている原発反対デモを扱っている。デモが始まった当座は、まったく無視していたのに参加者が増えてきて、鳩山のおバカさん元総理まで顔を出すようになったため”クローズアップ”せざるをえなくなったのだろうか。晩酌をちびりちびりやりながら、見させてもらったが、結果論からいうと、公共放送はこんな番組をこんな切り方で、放送すべきではない。何も知らない大衆を興味本位でデモに来いと呼びかけているにすぎない。

何故か、NHKは、この番組に特別力を入れていた。夕方の「ゆうどきネット」でも「クローズアップ現代」予告をし、最近の市民デモの変容ぶりを紹介していたが、普段のこの番組の内容とはちがい、とってつけたような内容だった。番組の副題は”デモは社会を変えるだろうか、声を上げた市民たち”とあったが、意識的に番組をそう制作しようとすプロジューサーの意図が僕には感じとられた。家族連れでも高齢者でも安全に参加できる点だけを強調していた。

福島の原発事故を受けて日本人誰でもが将来的には脱原発社会の到来を希求している。しかし、今すぐ原発をすぐストップせよとなると、国論はわかれている。それを自分たちの主張をデモによって解決しようというのは誤りである。やはり、このような重要な問題は国会を解散し、選挙によって解決すべきである。NHKは公共放送である。何故デモの前日の木曜日によりによって、重ねてデモ参加を呼び掛けるような番組を放送するのか問題である。

           ”性奴隷”は伝承すべきではない!

2012-07-26 05:20:53 | Weblog
朝日新聞を購読していない僕のために98歳の先輩から時々近況と共に、先輩が気に留めた記事の切り抜きが送られてくる。近着の中の一つに”慰安婦 風前の伝承という見出しの記事(7月6日)で「女たちの戦争と平和資料館」の紹介記事があった。東京にあるこの資料館には”155人”のアジアの(元)従軍慰安婦”の写真と証言ビデオなどが展示されているが、最近入館者の数が減り、経営も赤字続き、20年前政府が認めた(河野談話)の伝承が”風前の灯”だといった内容である。

館長の女性はNHKの子会社の元プロジューサーで、2001年教育テレビで放送された”日本軍性奴隷を裁く女性国際法廷”の制作に深く関与していた。この摸擬法廷を主催した朝日新聞OGの松井やより(故人)と共に、いわゆる”従軍慰安婦”問題の喧伝者の一人で、最近も米国在住の韓国系米国人がニュージャージー州パリスカイズパークに建てた「従軍慰安婦」の石像問題にも関係するなど国際的なアジテーターとして知られている人物だ。

昨日の参院特別委員会で自民党の山谷えり子議員が、この石像について政府の対応を追及していた。人口2万人足らずの小さな町の半分以上が韓国系住民だそうだが、市立図書館に隣接して”拉致された韓国慰安婦”の石像が建っているそうだ。山谷議員らは今年5月、現地を視察して外交ルートを通じて石像の撤去を申し入れているが、現地の市長はこれを拒否しているという。

山谷議員の質問に対する野田総理の答弁はまったく煮え切らない。ソウルの大使館前に慰安婦の像が建てられても撤去できない政府である。クリントン国務長官が部下に対して「慰安婦」でなくて「性奴隷」を使用せよと韓国紙が伝えたそうだが、これも韓国の慰安婦外交の一環かもしれない。幸い国内では「河野談話」が”風前”化し始めたそうだが、海外における”性奴隷”の認識は放置しておけば、これが日本軍の恥ずべき歴史として後世に伝承されてしまう。政府はもっと真剣に対応すべきである。

        みんなが参加した学校の夏休みラジオ体操

2012-07-25 05:06:28 | Weblog
夏休みに入ってから首都圏の天気は今一つだったが、ようやくよくなり、昨日から僕も恒例の町内会主催のラジオ体操に参加し始めた。膝の痛みから出不精になりがちなのだが、やはり早朝のすがすがし空気を吸って身体を動かすのは健康によい。そして、ふだん無沙汰がちな町内の人たちと挨拶を交せるのも、ラジオ体操ならではの楽しみだ。

戦前、東京のラジオ体操会は小学校の校庭で催された。”踊る旭の光を浴びて”で始まるラジオ体操の歌を歌い首からカードを下げて校庭で手足を動かしたのが、つい昨日のような気がするが、もう70年も昔のことなのだ。出席の「出」の印のハンとスタンプのインクの匂いがいまだに鼻に残っている。会場は子供だけではなく、ステテコに腹巻姿の近所のお年寄りもいた。夏の風物詩であった。

ラジオ体操に限らず、昔は小学校と社会との”敷居”が今のように高くなかった。運動会でも学芸会(いまでもあるのかな)でも、自由に参加できたような気がする。戦後いつの頃からか、学校の正門は固く閉ざされ、”御用の方は○○に”といった張り紙がしてある。子供をめぐる犯罪が多くなってきたため、警備のため止むをえないのだろう。

ラジオ体操は戦後昭和25年まで中止された。”進駐軍の命”かあるいは、それを気遣ったのであろう。それにつれて学校での開催もなくなった。わが町のラジオ体操は昭和30年代の初めごろから、町内の道の一角を体操の時間だけ交通を遮断し開催している。もう半世紀以上の歴史がある。多分、その当時の方が学校に代って町内会の道路での開催を企画したのであろう。子供たちにとっては、身体を動かすだけでなく、家族以外の大人と接触できる機会である。


              民主党の”いじめ”無策

2012-07-24 04:57:48 | Weblog
大津市の中学生がいじめが原因で自殺した事件を受けて文科省が全国の学校や教育委員会に対し、いじめ問題を専門的に指導したり助言する組織を省内に設立することを決めたという。なんだか思いつきの”泥縄”的な施策のように見える。政治主導を盛んに言っている民主党には教育に対する基本的な考え方がないように僕にはみえる。

政権交代後の民主党の文教政策はなんだったのかー。文科省関係のニュースと言えば、朝鮮学校の授業料無償化問題だけで、菅元総理は大震災後の復旧工事が進まぬ中でも、この無償化問題にこだわっていた。当時の高木義明大臣は就任中、この問題だけをやっていた印象である。その結果かもしれない。原発事故後、肝心のSpeediを隠蔽し。国会で虚偽答弁をしていた。

民主党は野党時代、安倍内閣の「教育再生会議」に強く反対していたが、いじめ問題について「教育再生会議」は次のように提言していた。「反社会的行動を繰り返す子供に対しては、毅然として指導に当たるべきである。いじめを見ても見ぬ振りし者も加害者であることを徹底して指導すべきである」

今回の大津市のいじめは、この「教育再生会議」の提言を受け入れ実施していれば起こらなかった。民主党政権は、過去のものはすべて悪だというポリシーに立っている。教育は国家百年の計だといわれる。民主党にはそれがない。教育問題についても与野党との間に協定を結び「国民会議」を開いて検討すべきではないだろうか。小手先だけで、いじめのような問題は解決できない。いじめは社会全体の問題である。

               オスプレイの”黒船”騒ぎ

2012-07-23 05:12:13 | Weblog
10月に沖縄の米軍基地へ配備されるという新型の米輸送機の岩国基地への陸揚げをめぐって日本中が大騒ぎだ。まるで幕末の”黒船”の時のようだ。政府はオスプレイの受け入れは、日米安保条約の対象外だが、安全第一を考えて徹底的な事故原因調査が完了するまでは飛行させないと、約束している。それなのに何故こんなに大騒ぎするのか僕にはわからない。

オスプレイ(osprey)という聞きなれない名前からか、あるいはヘリ機能を備えた見慣れない機体からなのだろうか。調べてみたら、オスプレイは日本にも生息しているミサゴという猛禽類の名前だが、魚を餌にしている人間には無害な鳥。この鳥は獲った魚を一時岩陰などに隠す習性があり、それが海水で自然発酵して鮨となり、地域によっては、これを”みさご寿司”として珍重しているーと広辞苑にあった。おかしな機体についても、現在米海兵隊に配属されているCH46輸送機よりも事故発生率は低いと産経新聞は伝えている。

政府は毅然として、この問題に対応しているようだが、例によって民主党の党内がおかしい。前原誠司政調会長と国民新党の下地幹郎幹事長が反対を表明、”リベラル派”の平岡秀夫元法相(山口県出身)も官房副長官に会って反対を伝えているという。一方、地元の福田岩国市長(元自民党国会議員)も反対だ。政府はこの問題について事前に関係者へ説明しなかったのだろうか。それとも、この問題は7月29日に行われる山口県知事選挙の政争の具にされているのだろうか。

テレビのアナウンサーが”今、オスプレイを積んだ貨物船が関門海峡を通過しました”と、声をからしてヘリコプター上から実況放送していたが、それほどニュース価値がある問題なのだろうか。どこか狂っているように見えてならない。