「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

   おかしいぞ 福田総理の対中”前向き”評価。

2008-02-29 06:56:16 | Weblog
中国の公安(警察)当局がギョーザ事件について毒物の日本での混入を示唆し日
本の警察の捜査への非協力を批判するような発言をした。当然のことだが吉村
博人警察庁長官は看破できぬことだと遺憾を表明した。日本の国民の大半は中
国の発言に驚き怒りさえ感じたに違いない。ところが、われわれの代表である福
田康夫首相は”前向き”と評価している。例によって薄笑いを浮かべ、彼独特のシ
ニカルな発言だとは思うが、時と場合がある。

きのうNHKのテレビニュースで中国産の除虫菊を原料とするバラ殺虫剤から有毒
な農薬成分が検出され、農水省が使用禁止を警告したと報じていた。ギョーザ事
件のあと食品からメタミドホス、ジクロホス、ポレート、パラスチオンーと続々と有毒
農薬成分が検出されている。殺虫剤の有毒など今さら驚かなくなってしまった。恐
いことである。

福田内閣は”消費者”視点にたっての政策を掲げている。国民全体が中国産品に
ついて、これだけ敏感になっているのに政府はこれといった具体策をとっていな
い。逆に相手から”犠牲者はわれわれだと反論され”お前のところで混入した”の
ではないかと逆襲されても”前向きだ”と評価している。

最近の世論調査によると、福田内閣の支持率は三割をわっている。三分の二の人
が支持していない勘定だ。さもありなんの気がする。いたずらに反中感情を煽るつ
もりはないが、国民の気持ちが読めない人がトップにいてはこの国はよくならない。


       中国の”水”の安全は大丈夫か

2008-02-28 07:15:37 | Weblog
1970年ごろ東京には青空がなかった。大気汚染で空はどんよりと曇り、光化学
スモッグ警報が毎日のように出ていた。当時、東京と横浜を結ぶ東横線の多摩
川鉄橋横の調布水道取水口の堰の水は不気味に泡立っていたのを想い出す。
40年近く前の公害ピーク時の東京の姿である。

中国湖北省を流れる漢口の支流の水道取水口の水が真っ赤に染まり、泡立っ
ている写真をネット上でみた。そのキャップションには、この汚染で20万人の流域
住民に被害が出たとある。そして関連記事には今年1月、遼寧省の阜新で硫酸
工場の排水が水道に流れ込み1000人以上が中毒、59人が入院したとあった。

40年前の東京の姿どころではない。テレビで北京など大都会の写真をみると、黄
砂かスモッグか不明だが、視界が悪いのがはっきり解る。多摩川の堰の水は1970
年、飲料に適さず水道用から工業用水に切り替えられている。

中国の環境保護基準は、日本より甘く水路の70%、地下水の90%は汚染されて
いるという報道もある。現地の新聞報道によれば、北京の水道局は来る五輪に
むけて「供水保護班」をつくり会期中300人の水道管理員を会場周辺を巡視させる
計画だという。しかし、こんな枝葉の問題ではないように思われる。

メンツの国であることは解るが、環境対策面においては、わが国と40年近くの開き
がある。今回のギョーザの中毒問題についても、農薬が中国産であるのはまちがい
ないことだ。孔子の時代は礼の国だったはずだ。素直に過ちは謝り、教えを乞うべ
きである。


      新勝浦市漁協の”絆”と防衛省の”タガ”

2008-02-27 07:26:37 | Weblog
千葉県新勝浦市漁協の”浦じまい”という悲しい儀式をテレビでみた。海難事故の
区切りをつけるための昔からの伝統儀式だという。日蓮宗信徒が唱えるお題目と
打ち鳴らす団扇(うちわ)太鼓の中で、犠牲者が生前好きだった果物やお酒が海
に注がれる。海辺の港町では昔からこのようにして犠牲者を葬ってきたのだろう。

今回のイージス艦と漁船との衝突事故ほど海上自衛隊(防衛省)の対応が見苦しい
ものはない。事故が回避出来なかったのは僕ら素人がみてもわかる。原因は海自
側の規律、防衛省全体のタガの緩みである。”ゴルフ三昧”のあの次官の下で、こ
こまでモラルが低下してしまったのであろうか。

こんな中で救いだったのは、新勝浦漁協の人たちの悲しみの中での”絆”の強さで
あった。仲間の遭難を痛んで連日早朝から救難の舟を出し、岡では女性たちが無
事を祈って団扇太鼓を鳴らす姿は心をうった。

勝浦市は日蓮宗の開祖、日蓮上人生誕の地小湊(鴨川市)に隣接しており、市内に
は日蓮が最初に開基した本山の妙覚寺もある。いわば日蓮宗の”メッカ”ともいえる
土地だが、漁民たちの信仰で結ばれた”絆”に改めて僕は日本伝統の集落の団結
の強さを見てとった。

”限界集落”などというイヤな言葉があるが、幸い勝浦はそうではない。今回の犠牲
父子のように後継者もいる。ぜひ今度の悲劇を乗り越えて”絆”を深めて町の発展
に尽くしていただきたい。

       よく解らない後期高齢者医療制度

2008-02-26 07:02:39 | Weblog
4月から始まる後期高齢者医療制度を説明した「めぐろ区報」が届いた。日頃、駄文
書きで文章には慣れていると自負する僕だが、内容がよく解らない。恐らく後期高齢
者(75歳以上)の大半は僕と同様ではないかと思う。

漫画などイラストを使って易しく編集したつもりかも知れないが、相変わらずの役所言
葉で難解。「均等制額」「所得制額」「軽減割合」などの数字だけが並び、やたらに(注)
が多い。僕の理解では(1)医療制度が変わった(2)保険料が公的年金から天引きされ
る(3)僕みたいに多少収入がある者は従来どおりかかった費用の3割を医療機関に
支払うーなどである。

新制度について解らなければ「東京都後期高齢者医療広域連合」に連絡せよーと電
話、FAX,メールアドレスが書いてあるが、なぜか(個人情報)や(政策判断)を伴う内容
には答えられないと(注)が書いてある。そして困惑した老人の顔とニコニコした女性
の漫画が載っている。

後期高齢者は75歳以上の年寄りである。問合せに”口封じ”ともとられる条件をつけ
るべきではない。海外旅行でさえ、民間では説明会を開き懇切丁寧に疑問に答えて
いる。老い先短い老人からも僅かな年金を”むしりとろう”というならば、もっと親切に
対応してはどうなのかー。

老人の気持ちが忖度できない役人に一言。子供のとき”ノラクロ”漫画をみた後期高齢
者は、ほとんどが漫画大嫌い世代なのである。


       犬山市教委の”ミーイズム” わがまま

2008-02-25 07:13:52 | Weblog
犬山市(愛知県)教育委員会が今年も4月の全国学力統一テストをボイコットする
そうだ。小ブログは一昨年(4月4日)と昨年(5月25日)と二回、この独善的な身勝
手ともいえる教委の立場を批判した。全国自治体の中で統一テスト不参加は犬山
市だけである。

先日のNHKテレビでもこの問題を取り上げていたが、犬山市教育長の言い分はま
ったく”ミーイズム”にこりかたまり、日本の将来をみすえた教育関係者の考え方で
はない。統一テストは国家権力の行使だと一昔、二昔前の組合的なドグマ。○×テ
ストは学力向上につながらず、いたずらに子供の競争心をあおるだけだ。プライバ
シーが保てない-などなど。

犬山市では数年前から市独自の少人数制の独自の教育を実施しているそうだが、
果たしてその成果はあがっているのだろうかー。統一テストに不参加では、教育長
がなんと言おうと、全国的な比較は出来ない。彼の意見に従えば、そのような比較
は、市町村間の競争を煽るだけだけ、無意味だということになる。井蛙的な考えな
のだ。

統一テストへの不参加の決定は、犬山市教委の委員全体の賛成で決定されたので
はない。市長は一昨年の選挙で、統一テスト参加を公約として当選している。今回
のテストボイコットは法的には正しいようだが、偏狭な一部の人間のために犠牲にな
るのは、子供達である。片意地をはった老教育長のドグマに振り回されているのは
やはり異常である。


        "母べえ”サポーターと孫のサッカー

2008-02-24 07:28:46 | Weblog
首都圏に”春一番”が吹いた昨日、4月上旬の陽気に誘われて老妻と孫のサッカー
の応援にでかけた。孫の所属するクラブチームの今期最後の大きな大会である。
会場は川沿いの台地にあって観覧席もない。そして強風が吹きまくっていたが、す
でに熱心な”母べえ”サポーターが大勢集まっていた。

僕らは”母べえ”たちの隣のベンチに腰掛けて孫の勇姿を静かにみた。孫は一人
だけ仲間より頭一つ背が高い。守備はDFである。"爺バカ”だが、へッディングも
足さばきも、なかなかクレーバーだ。試合は4対0で楽勝。孫は得点にこそからま
なかったが、相手に得点を許さなかった。DFはそれでよいのかもしれない。

”母べえ”サポーターの応援はなかなかフェアーだった。最初のうち、僕らはどちら
のサポーターか解らないほど、彼女達は両チームの活躍に声援を送っていた。重
慶のどこかの国のサポーターとは違い洗練された応援だ。

昨日はサッカー観戦"漬け”の一日だった。夕食後テレビで東アジアサッカーの韓
国との決勝戦をみた。残念ながら1対1で引分け優勝は逃したが、アウェーの地で
の試合では仕方がない。僕個人は、この試合での中国の観衆のマナーを知りたか
ったのだが、テレビカメラは、ほとんど観覧席を写さなかった。意識的なのかどうか
はしらないがー。

よい時代である。老妻が”母べえ”だった頃も、僕の母が"母べえ”だった時代も子
供のスポーツ応援など考えられなかった。年に一度の運動会がせいぜいだった。
頑張れ!平成の”母べえ”たち。

      「アルコール探知器」の売れ行き

2008-02-23 06:08:38 | Weblog
世の中には変なものが売れるものだ。茨城放送(IBC)のラジオによると、茨城
県庁の売店の12,1月の売れ筋上位に「アルコール探知器」が入っているとの
こと。小ブログのコメンテーター、kasaruさんのブログにあった情報だが、運転
免許を持たない僕の目には、kasaruさん同様、不可解な現象に映った。

「アルコール探知器」は半導体ガスセンサーによって呼気中のアルコール濃度
が簡単に探知できる装置で、茨城県だけでなく最近全国的に売れている商品
で、値段も2千円台からあり、ドライバーに人気が出ているそうだ。一昨年夏の
福岡県での幼い子供三人を巻き込んだ悲惨な酒酔い運転事故以来、道交法の
罰則がきびしくなった。「探知器」の売行きは、どうもその法改正とも関係がある
らしい。

"飲んだら乗るな、乗ったら飲むな”-は、これだけ酒酔い運転事故が多発して
おり、ドライバーの常識だと思っていたが、どうもそうも行かないらしい、まだ日本
は"酒社会”であり、公的交通機関の少ない地方では車に依存する機会が多い
のであろう。つきあいから、ちょっとの酒になり、この程度の酒ならーとハンドル
を握る。しかし「探知器」があって、酒帯び運転の数値がでれば、まず運転はすま
い。その意味ではチェッカー役は果たしてはいる。

しかし、道交法には「何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と記して
ある。「探知器」に頼るということは、本人が飲酒してアルコールが残っているか
どうかを確かめるためだ。やはり"飲んだら乗るな乗ったら飲むな”のほうが好い
のではなかろうかー。




        ”ねんきん往復便”のムダ

2008-02-22 07:13:15 | Weblog
宙に浮いた5000万の年金問題は年度末で解決できず4月以降に持ち込まれた。
社会保険庁は、新たに「ねんきん特別便」103万通を再送したが、こんどは大丈
夫なのだろうかー。またまた内容が解り難いなどの理由で、意味のない「特別便」
になるのではないかー。往ったり来たりの”往復便”はもう結構だ。

昨年12月から社保庁が”記録もれ”がありそうな対象者に送った「ねんきん特別
便」で”訂正あり”と回答があったのは5万人(7.4%)”訂正なし”が25万人(34.7
%)未解答が42万人(57.5%)-つまり半数以上が社保庁に回答していない。内
容が解り難いという以前の問題があるのではないかー。

独断と偏見かもしれないが”訂正なし”や未回答の受給者や加入者は、もう"宙
に浮いた”年金から切り捨ててもよいのではないかー。これだけ社会を騒がせて
いる問題である。自分の老後の問題である。問題があれば当然相談に行く。ただ
問題があるとすれば、認知症など高齢者である。

社保庁は有識者からいろいろ意見をきいているが、特別老人ホームなど老人と日
常接する現場からの意見をきいているのだろうか。僕の周囲にも社保庁と社会保
険事務所の違いさえ知らぬ者がいる。

「ねんきん特別便」を今のような形で繰り返し送っても、問題は百年河清を待っても
解決されない。政府はある時点で”線引き”して、将来の世代に対して老後安心して
生活できる年金制度の構築を急ぐべきである。




         重慶 ”北朝鮮の笛”

2008-02-21 06:39:43 | Weblog
昨夜重慶で行われたサッカー東アジア選手権の日本.中国戦をテレビ観戦した。
4年前のアジアカップ で日章旗を焼くなど激しい反日行動があった会場だけに
試合結果もさることながら、中国人観衆のマナーにも注目した。会場には3千
人の警備員が配置され、事前の”規制”があったのであろう。観衆はまるで”借
りてきた猫”のようで、観客席には空席さえあった。日本人のサポーターは隔
離された席で、これもまだらであった。

日本チームへのバッシングはなかったが、中国一辺倒の”完全アウエー”の中
で冷静にプレーした岡田ジャパンは立派だった。これに対して、中国チームの
格闘技のような荒っぽいプレー、”笛”を吹く北朝鮮ジャッジのアンフェーさには
テレビサッポーターの僕のほうがハラがたった。

それでも試合が無事、それも日本の勝利に終わったことはご同慶の至り。しかし
現地からの報道では試合中も試合後も日の丸の小旗を焼くファンもいたそうだ。テ
レビの画面にも発炎筒をたく観客もいた。

重慶は日支事変のさい蒋介石政府の亡命政権があった場所で、日本軍が数次
にわたり空爆しているー僕ら当時の小国民世代にはなじみ深い都市だ。だから
市民の反日感情が強いというが、それでは重慶の姉妹都市、広島が反米かとい
えばそうではない。スポーツと政治とは違う。要するに中国のスポーツファンは、
まだ未熟なのだ。今回は無事ですんだが、北京五輪は本当に大丈夫なのかー。
変な”笛”の下でプレーが行われてはは困る。





         センチメンタル自由ヶ丘

2008-02-20 06:42:45 | Weblog
先日30年来の友人(80)と久しぶりに自由ヶ丘で酒を飲んだ。最近外で飲む
ことはめったにないのだが、やはり気のあった友と飲むのは楽しいものだ。
友人は往年のラガー、その日も秩父宮ラグビー場での後輩たちの熱戦をみ
ての帰り道、若い血潮がまだ老体にみなぎっている感じだった。

自由ヶ丘は今や東京ではセレブの街、東京で住みたい町の一つだが、僕ら
が飲んだ店は、昭和30年代がそのまま残っている店で、馬蹄形のカウンター
を囲むようにして15,6人客が入れば一杯の狭い店。ウナギの串焼き専門店
である。この店の嬉しいのは、酒や焼酎をコップの受け皿からこぼれるように
なみなみ注いでくれることだ。もう一つ愛煙家には嬉しい(僕には困るのだが)
のは灰皿が置いていないのに喫煙が自由なこと。店と客の暗黙の了解で客は
吸殻をは土間に捨て靴で消している。(消防署には内緒!)

自由ヶ丘は昭和20年5月の空襲で駅前が焼けている。当時から僕はこの町を
知っているが、このウナギ屋は戦後、30年代の初め頃出来た。亡くなった先代
の主人が炭火の上でバタバタと団扇を叩いていたのが昨日のような気がする
のだがー。

なみなみと注いだ酒がコップからこぼれ受け皿にたまったものを飲ベエ言葉で
”センチメンタル.バリュ”(sentimental value)というのだそうだ。飲ベエのいじら
しさを言い当てて妙である。僕ら2人は”センチメンタル.バリュ”を、コップに注ぎ
なおして、自由ヶ丘のセンチメンタルな夜を適当に楽しんだ。