「隋唐演義」は、昔、田中芳樹氏の本で読んだことがある。
田中芳樹氏の本は表紙や挿絵が美しく、衝動買いした本だったが、内容はもうひとつで、むしろ陳舜臣氏の「小説十八史略」(五)や「中国の歴史」(四)でその大筋を読んで記憶にあった。
念のために「日本は万世一系なのに中国の王朝はそうではない」と言っている人の為にメモしておくが・・・「隋」「唐」とも漢民族の国ではない。
その朝廷も国が変わるたびに統治者の民族が変わるのは理解されていないのかな、と思う。
中国で漢民族が支配したのは「前漢・後漢、宋、明」くらいのもの。トップの民族が変わるのでそれまでの文化が破壊されたのも歴史と政治の理由。
「元」などモンゴルで、「清」や「金」は女真族(満州)である。
この「隋唐演義」が全62話のyoutubeになっていたので、元旦から全部視聴していた。(面白くてあっというまに日が過ぎた。)
それとヴァーグナーの「ローエングリン」全曲をCDでそれぞれ名歌手が歌う演奏を聴き入っていた。
ローエングリンを歌うのはジェームス・キング主演盤二種類、ジェス・トーマス主演、イエルザレム主演(これはCDと別に実演の放送)、シャンドール・コーンヤ主演のCD、などである。これだけの名歌手で聴いて「ローエングリン」のいろんな角度でのことが理解でき、大きな感動を得た。他のオペラで、たとえば「トリスタンとイゾルデ」「パルジファル」などでこれだけの違った名歌手による演奏を聴き比べたいとは思わない。
せいぜい2種類くらいだ。ヴェルディのオペラだったら決定盤がある。たとえばカップッチッリが出演しているものは必ず納得し、その他のバリトンではどうも物足りなくなるのである。
話はそれたが、中国のドラマなど全部が良いわけではない。
同じドラマの中でも、ひどい部分と思ったものもある。
しかし一番大きなことは民衆が何を思っていたのか、それを芸術家は芸術の中で鋭く描いているのだ。
乱れた煬帝の治世に、立ち上がる武将・各地の英雄豪傑・そして民衆、これらは長い年月の間も愛されてきた。
中国ドラマというと、今話題のイケメンや美女など若い人気タレントが演じるものには感動などほとんどない。
演者がどれほど理解しているかどうかもドラマの良さを大きく左右する。
このドラマは「水滸伝」をはるかに超えた。
というわけで、もういちど陳舜臣氏の作品を読み直して、私が中国で見た歴史の風景など、思い返している。
煬帝が作らせた「運河」は中国の北から南まで(黄河や長江は東西の流れだが)、この人工の運河は今も使用されている。
私はその運河を小舟に乗って行き来した。
また「洛陽」は確か飛行機で降り、長距離バスで「西安」に向かったこともなつかしい思い出だ。
音楽の話になるが、スターリン時代の作曲家ショスタコーヴィチや作家ソルジェニツインの作品、その前のロシア帝政の終焉を感じさせるプーシキンの叙事詩からオペラを作曲したチャイコフスキーやボロディン、偉大なムソルグスキーなど、芸術に「レッテル貼り」は不遜であろうと思う。
これらの共通したものは、ひそかにその時代を批判したものがある、ということだ。
堂々たる大声の批判ではない、いわゆるアジ演説ではない・・・ヒタヒタと心に忍び寄る「訴え」なのだ。
そして決して「思想信条の押し付け」ではない、ということ。
これらの厳しい時代に合って、芸術家はその治世者もわからぬほど、うまく表現しており、今に至っていることだ。
★「習近平」体制は盤石ではない。こうして民衆による批判は高まるばかりだろう。
「隋唐演義」でなるほどと思ったセリフに「上が上なら下の者もそれに倣う」ということ。
日本のどこかの政治もそうなんだ。
黒を白といいくるめ、わけのわからない「擁護」だけで偽りの愛国心をわめき、言論封殺のようなことをして悦に入る。
私はもうこのような政治の実態を書くのも疲れた。
「反日」というレッテル貼りで裏返せば「反共」という左右似たような頑なさ、本当の政治のリーダーは、これでは脳ナシといわれても仕方がない。確かに新年に見たNHKテレビで極端な「男女サベツ」内容の、同じような考えの作家や学者が集まって話し合いをしている番組を見たが、
その中には別の考えの論者はいなかった。
もうドロドロだ。こうしてその組織の考えと1ミリも違うことを言えば「差別者」というような狭さは、独裁国家と変わらない。
またいつのまにか与党も「閣議決定」ですべて通そうとする態度は、不遜である。
国民に「自分たちが選んだ政治家だ、敬え、尊称をつけろ」という変な圧力をかけるのもいるが、冗談じゃない。
私はそのような政治家を選んだことはない。
身内だけを大事にする政治は歪んでいるのだ。
気晴らしに見ていた「もちまる日記」というペットの猫番組も、最近は「猫のもちまるにプレゼントです」という散財、こんな番組は見る気持ちが減退してきた。ペットにもプレゼント?ペットは飼い主に優しくされればそれで幸せなのだ。
・・・しかし「もちまる」はカワイイ。
youtubeだけで稼ぐのも難しくなったのか、最近は物品販売までしている。ユーチューバーも大変である。
日本の危機をヒタヒタと感じながら、私には音楽・本・CD、そして体力つくりを兼ねてずっとつづく大掃除(笑)やその他、たくさんすることがある。
★ そうそう、昔、尊敬していた平〇御大の息子さんが議員になり、どんな人かなあ、とフェイスブックの記事を期待していたが、女子高生のような写真「おいしいラーメン」などを投稿が続き、私はついに怒って「日本がこのような時にラーメンの写真など載せるな、情けないわ!」と書き込んだ。しばらくおとなしかったが最近、また安いラーメンのようなもの(頭にきたので写真はよく覚えていない)と議員本人の写真を入れて載せていた。
「バカにしているのか!!」と愛想を尽かし怒りマークを入れた。
「世襲反対」だ。もっと国家国民のことを考え苦悩し動いている政治家以外はもういらない。
ブログのティールーム
ヴァ―グナー「マイスタージンガー」師マックス・ローレンツと弟子ジェームス・キング
Max Lorenz - Am Stillen Herd (Die Meistersinger von Nurnberg)
James King -Die Meistersinger von Nurnberg (The Mastersingers of Nuremberg) , Act III: Morgenlich leuchtend...(実演)