井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

いまいち・ナウい・おしゃれ

2016-08-12 17:34:41 | 日記・エッセイ・コラム
やっと生徒さん達の発表会も終わり、やれやれ、とほっと一息ついているところ。

みんなでヴィエニアフスキは大学生にとどまらず、高校生もみんなでヴィエニアフスキの発表会だった。

私はもともとヴィエニアフスキが好きではない。中身の乏しい音楽なので、10年前くらいは誰にも弾かせなかった。

宗旨替えした理由は前記事の通りだが、果たして、高校生達の指は着実に強くなった。
演奏の出来はイマイチではあるが、内輪の発表会である、その後のコンクールや試験でバッチリやってくれれば良い。

と、ここで脱線、と見せかけて本題。
イマイチ、という言葉を初めて聞いたのは1981年、鮮明に覚えている。使ったのは指揮科の先輩O野さん。

その後、あっという間に普及し、現在も使われているから、完全に定着した訳だ。だから正規の日本語だと思っている人も多いだろう。

ひょっとしたら、さすがに流行語とは言えないので、正規の日本語仲間入りしているかもしれない。
でも、多分、NHKのアナウンサーは使っていない(と思う)。

少なくとも1970年代までの言い方は、

「今ひとつ」

である。

上品だとは思いませんか。



さて、同じ頃、はやっていた言い方に「ナウい」がある。
これはさすがに、今は使わない。

私は当時も使わなかった。
なぜならば、1970年代はナウなフィーリングのヤングの時代で、「ナウな」が正しい使い方と勝手にインプットされてしまったからだ。(全く訳の分からない乏しい論拠であるが)

これは、現在○○なう、の形で復活したかに見える。

しかし、厳密には違うのだ。

1970年代のは「○○がナウ」

格助詞が入ってカタカナ表記、そして○○はその時流行の先端の言葉が入ったのであって、現在のような「バス待ちなう」みたいなくだらない言葉は、入る資格はなかった。

という次第で、○○なう、の言い方は、死ぬまでしない所存である。


一方、それから遅れること数年、「おしゃれ」の用法が拡大した。

最初に聞いた時「今は『おしゃれ』っていう言い方がはやっている」と言われたのだが、何のことやらさっぱりわからなかった。

その後、じわじわとあちらこちらで聞くようになり、やっと納得したのだが…。

1970年代(こだわります)、おしゃれはファッション・美容関係で使う言葉で「おしゃれな店」とか「おしゃれなやり方」などとは言っていなかった。
そういう時は「洒落た」と言っていたのだ。

この言葉のみ、私はよく使っている。「流行語」として!

それが「かわゆ~い」と思っているから。



蛇足:その頃「かわいい」を「カワユイ」と言うのがはやっていたのです。
その流行をみんながとっくに忘れた頃、指揮者の故岩城宏之が説明に使ったので、私は「カワユイ」を一生忘れなくなりました。