井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

パガニーニとシューベルト

2017-07-09 20:33:00 | 映画
2013年のドイツ映画「パガニーニ」をやっと観る機会があった。ヴァイオリニストのギャレットが自ら演じるから、演奏上で吹き替えやら何やらの心配は一切ない。
当然ながら、演奏がギャレット以上でも以下でもない。その点、遡ること約20数年前の映画「パガニーニ」ではアッカルドが吹き替えしており、「ヴァイオリンが上手いなあ」と思ったものだ。
ギャレットも上手いけど、アッカルドの時にはため息が出たので…

それはともかく、この映画にシューベルトの音楽が数曲使われていたのが「耳」を引いた。

さらに、パガニーニの奇想曲が数曲、オーケストラに編曲されていたのだが、第14番がシューベルトの軍隊行進曲そっくりに聞こえてきたのは新発見。

シューベルトが大昔に映画化された「未完成交響楽」、第2回くらいのアカデミー賞を取っているから、いわゆる名画と言えるだろう。その映画でも奇想曲第13番がオーケストラ編曲されていた。
シューベルトが演奏会を開いてもお客が集まらない。みんなパガニーニの演奏会に行ってしまうから、というような内容だったと思う。(実際は、その内シューベルト自身もパガニーニに夢中になってしまったらしいが。)

パガニーニはロッシーニと友人で、旋律の動きがよく似ていることは昔から語られている。

当時のロッシーニ人気は相当なもので、ベートーヴェンも全くかなわない。それこそシューベルトも一生懸命ロッシーニの真似をしてロザムンデ等を作ったらしい。

そのように同時代人ではあるものの、パガニーニとシューベルトが似ているという話は寡聞にして聞いたことがない。
シューベルトにはやたら弾きにくいヴァイオリン曲があるが、それにパガニーニの影響はあまり感じないし、真似することも考えにくい。

しかし、かの有名なシューベルトの軍隊行進曲はパガニーニの奇想曲9番と14番を合成したような曲にも見えてきた。
ということは、パガニーニ奇想曲風軍隊行進曲が可能だということだ。今度作ってみよう。

(ヴァイオリン一本でさまになる曲、なかなかなくて困っているのです。)