ピアニスト、フリードリヒ・グルダの作品、正式にはチェロとブラスオルケスターのための協奏曲だが、長いのでチェロ協奏曲と通称されている。
先日、久しぶりにラジオで1楽章だけ聴いた。
どうしても笑ってしまう。しかも、なぜか日本語が聞こえてしまう。
その理由が、やっと今日わかった。
約半世紀前のNHKテレビドラマ「天下御免」の挿入歌に似ているのだ。
♪黙って川を眺めていると
川の流れが聞こえてくるよ
流れ流れて村から町へ
海へ出ようと旅に出る
川は、ハァいいなぁ
みたいな歌詞だったと思う。
作曲は山本直純。
ひょっとして、と思って調べた。
グルダの協奏曲は1980年作曲、天下御免は1971年のドラマ。
どちらかが影響されて作った可能性はなさそうだ(ホッ)。
どちらも、いわゆるブルースの進行だから、ありきたりと言えばありきたり。偶然似る可能性は低くない。
それにしてもよく似ているのだ。
天下御免をお聞かせできないのが残念。
NHKは1976年、テレビ放送50周年を迎え、記念番組を作ろうとした途端、気づいた。過去の番組の記録をほとんど残していないということを。
慌てて、その後は番組を残しまくるのだが……。
1971年は、わずかその5年前。それでも無いものは無いんだねぇ。
1971年と言えば、同じく大人気だった少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」の年だ。
これもスチール写真を残すのみの、幻の名作。
「天下御免」の方は、主演の山口崇がプライベートビデオに少しだけ録っていて、後でNHKがそれを譲ってもらって、ほんの数話だけあるはずだ。
当時のビデオはものすごく高価だったから、NHKでさえ録画を持っていない。ビデオテープが当時2万円したと聞いた。今の数十万円相当だ。機械にいたっては多分、現在の百万円以上だろう。
音楽の山本直純、ご子息達が遺産の楽譜を整理中だとは聞いているので、再現は可能かもしれない。
だけど、この歌を聞きたいと思う人は、いないだろうなあ。
かくして、またもや幻の殿堂に入っていくことになる。
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