2008年11月9日に書いたものですが、リクエストにより再掲しておきます。
ヴァイオリンの右腕の技術は、右腕各関節を自在に動かせるようにすることが、かなり大きなウェイトを占める。
右手首を使う技術は、右腕の技術の中では、それほど難しい方には入らないだろう。だからと言って、すぐできる類のものでもない。
この練習は開放弦でもできるが、私はシェフチークの練習曲、作品1-1の11番を使っている。 大学のオーケストラに所属している初心者1年生全員に、10月からそれをやってもらった。初めての試みである。
中にはピアノも弾いたことがない学生もいるのだが、やり始めて1ヵ月経つと…全員手首のコントロールが可能になっていた!
一方、たまたまその時、その集団レッスンに初めて参加した学生がいた。彼は、高校の時にオーケストラに所属していて、大学オーケストラから見れば即戦力の経験者という扱い。 でも、その数年間、手首を使ったことがないらしく、当然ながら、このシェフチークの練習曲は弾けなかった。
ここから様々なことがわかる。
・音を出すだけなら、手首を使わなくても弾ける。(3年はおろか、数十年使わないで弾いている人もいる。)ただし、弾ける範囲に限界がある。
・正しい順番で正しく練習すれば、誰でも手首は使えるようになる。
・約1ヵ月から1ヵ月半は練習が必要。
初心者は1週間単位で新しいことをマスターするペースに慣れているから、1ヵ月同じことをするのはキツイと思うかもしれない。 でも楽器の習得をした経験のある人なら誰でも思うだろう「たった1ヵ月?!」
シェフチークの練習曲は変奏曲になっているので、それほど単調には陥らないし、集団レッスンは意志の弱さを救ってくれる効果もあったようだ。
結論は、いたって平凡「時間をかければ誰でもできます」
この当たり前のことが、(自分も含めて)意外とできないものなのだ。だから、初心者の皆さんが全員できたのを見届けられたことが、とても嬉しかった。
さぁ、次はマルトレだ。これは5ヵ月かかる。がんばりましょう。
弾けるようになったら嬉しいと思います。
......マルトレ難しそうですね
楽器の技術習得は多大な意思の強さと忍耐力を要しますが、逆に言えば、何かできる度に意思は強くなり、忍耐力もついてきていることになります。
そのメリットを意識すれば、やる気も出てくるというものでしょう。そのためにもがんばっていただきたい、と思う一心です。
ご指摘の通りです。以前は英語読みのセブシックで通っていて、日本語版もその表記になっていますが、チェコ語読みではシェフチークと読むようなので、そのように書きました。
それにセブシックよりシェフチークの方が、語感が良いと感じますが、いかがでしょうか?