バイオリン協奏曲と言えばメンデルスゾーンかチャイコフスキー、この2曲の演奏頻度は断然高い。双璧である。
ピアノ三重奏と言えばメンデルスゾーンの第1番、これはダントツ1位だろう。この曲をご存知無かった方は幸いである。今宵はそれを知ることができるのだから。
さて、メンデルスゾーンはピアノの名手だったので、ピアノパートはかなりの技巧が要求される。弦楽器奏者からすると申し訳ないくらいに要求される技術の差がある。例えば冒頭、チェロがレの音を4拍伸ばす間にピアノは16個の音符を弾かなければならないのだ。
でも本日のピアニスト藤井さんは、それをサラッとやってのける、やはり名手である。ご期待いただきたい。
第1楽章
NHK「みんなのうた」が1971年に「小さな木の実」という大ヒット曲を出した。ビゼーの曲を大胆に改編したものだ。
気をよくしたNHKは。その数年後二匹目のドジョウを狙った。この第1楽章を基にした「こわれそうな微笑」である。
「みんなのうた」としては、そこそこのヒット作になったが、「小さな木の実」とは比較にならない。(でもいい曲だったな…)
そのような名旋律が含まれる楽章である。ご堪能頂きたい。
第2楽章
ABA三部形式で、下から上に進む主題の「主要部A」と、上から下に下りる主題の「中間部B」で出来ている。これがまた幸福感一杯、至福の時間を過ごせるようになっている。
ちなみにメンデルスゾーンのファーストネームはフェリックス(幸福)という。
第3楽章
メンデルスゾーンお得意(で演奏者泣かせ)のスケルツォ楽章。
メンデルスゾーンは、小さな音でちょこまか動く音楽が大好きなようで、17才の時に作った「真夏の夜の夢」序曲は、まさにそのような音楽で始まる。これはオーケストラの入団試験に課せられることもあるほど難しい。
でも聴く分には楽しい。
第4楽章
最初の主題は、いかにもドイツ人らしいリズムが使われている。シューベルトの「ロザムンデ」やシューマンの「流浪の民」などに類型が見られる。
しかし、流麗なメロディーに加え、最後の盛り上げ方は他と一線を画するのだ。この「突っ走る快感」はモーツァルトから隔世遺伝しており、時空を超えてサン=サーンスに受け継がれた感がある。ブラームス君が受け継いでくれれば世の中変わったろうに、と思うのは筆者だけか?
とにかく、このエンディングをお楽しみに。
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