右手首に負担をかけない方が、良い音が出る。特に弓元では、弓の重さだけで音が出る。
むしろ、弓元では重さがかかり過ぎるから、適切に弓の重さをのせる必要がある。そこで小指の出番だ。
小指で弓を少しだけ押し下げれば、あの「ガリッ」という雑音を出さずに済む。つまり、弓元では小指は曲げておく必要がある。
ところが、これができない人が多い。実は初心者だと大して難しくなく、むしろ何年も弾いている人の方が厄介。小指を使ったことがない人に使わせるのは、至難のわざと言っても良い。
さらに、そのような必要はないと公言する一流ヴァイオリニストもいらっしゃるものだから、私も一時は「弾けているからまあいいか」と、徹底はさせなかった時期もあった。
ところが十年ほど前、見事に徹底した右手の使い方をする中学生の演奏に接したのである。あの方法ができるとは大したものだ、一体どうやって、と調べてみると、何と孫弟子だった!
それから猛反省。以後は、また徹底するようにしたのだが、その「妥協していた時期」の生徒・学生が、現在世間で活躍するようになって、私も共演する機会もあり、目の前に「妥協の結果」が提示される事態を招いてしまった。
どんな弾き方だろうと、もう本人の責任、と言いたいところだが、その弾き方のおかげで(音が濁る)、明らかに本人の評価を下げているのは看過し難い。
やれやれ、どう再教育したものか……。
むしろ、弓元では重さがかかり過ぎるから、適切に弓の重さをのせる必要がある。そこで小指の出番だ。
小指で弓を少しだけ押し下げれば、あの「ガリッ」という雑音を出さずに済む。つまり、弓元では小指は曲げておく必要がある。
ところが、これができない人が多い。実は初心者だと大して難しくなく、むしろ何年も弾いている人の方が厄介。小指を使ったことがない人に使わせるのは、至難のわざと言っても良い。
さらに、そのような必要はないと公言する一流ヴァイオリニストもいらっしゃるものだから、私も一時は「弾けているからまあいいか」と、徹底はさせなかった時期もあった。
ところが十年ほど前、見事に徹底した右手の使い方をする中学生の演奏に接したのである。あの方法ができるとは大したものだ、一体どうやって、と調べてみると、何と孫弟子だった!
それから猛反省。以後は、また徹底するようにしたのだが、その「妥協していた時期」の生徒・学生が、現在世間で活躍するようになって、私も共演する機会もあり、目の前に「妥協の結果」が提示される事態を招いてしまった。
どんな弾き方だろうと、もう本人の責任、と言いたいところだが、その弾き方のおかげで(音が濁る)、明らかに本人の評価を下げているのは看過し難い。
やれやれ、どう再教育したものか……。
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