NHK夜ドラで、15分ずつの全24話でしたが、9月29日が最終回でした。感想としてすごく面白かったです。個人的には今年見たドラマの中で一番かも。
ストーリーとしては、コロナ禍で仕事がなくなったキャバ嬢のシングルマザーが、生活のために宅配便のドライバーになるという話で、その設定だけだと別に面白くなりそうでもないのですが、そこは脚本と演出の妙。
舞台としては、キャバクラ、宅配便の会社、ヒロインの実家という三場面が主で、あとは宅配で訪れる先の家庭での事が少々という形。大がかりなロケや大規模なセットがなくてもドラマは面白くなるという好例でしょう。
私がこのドラマが気になったのは番宣ですが、そこでは宅配で訪れる先の客が妙な人が多いという部分を強調してました。そういうコメディーかと思ってたのですが、ドラマのメインはそこではないです。序盤はその絡みも多少ありましたが。
そして出色なのは主役を努めた仁村紗和。モデル、女優として紹介されており、これまでも色々なドラマには出てたようですが、私はまったく知りませんでした。けど、この人はいいですね。華があります。例えれば、朝ドラの「カーネーション」で尾野真千子を見た時に近い衝撃がありました。この人には多分映画もドラマも今後オファーが殺到するでしょうね。今回のようなヒューマンドラマだけではなく、刑事ものとかも合いそうだし、もちろんコメディーもばっちりな感じ。来年はこの人に注目です。
あとは宅配の会社の人たちもキャラクター設定がバッチリだったので、本当にああいう会社があるような気もしてきました。いいドラマで脚本がしっかりしてると、ドラマで描かれてない場面も実際そのキャラがどこかで存在しているような気がしますしね。その典型です。あとはエンディングのダンスシーンも楽しかったです。「女王の教室」とか「最高の離婚」とか、近年では「逃げ恥」でもそういうシーンが話題になりましたが、これも楽しみでした。ただしダンスの難易度が極めて高いので、真似はできません。もしかして流行ってるのかもしれませんが。
多分この作品はギャラクシー賞とかいろいろ絡んでくると思いますが、現在NHKプラスで一挙配信してますね。それくらい話題のドラマという事でしょう。見てなかった人で気になる方は是非ご覧下さい。こういうのがあるとテレビドラマも捨てたもんじゃないと思いますし、「テレビ見ない」とか言ってる人は人生損してる部分大きいと思います。それくらいの価値はあります。どーですか、お客さん。