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📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

U

2019-05-27 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『おちゃっぴい 江戸前浮世気質』★★★★

気質をきしつと読んだら、ふり仮名が「かたぎ」だった。
かたぎになる のかたぎは「堅気」
調べると双方の読みで、意味が少し違う。
日本語ってむずかしい・・
気質(きしつ)は、その人の性格からくる傾向を表すことが多いです。
気質(かたぎ)は、その人の職業からくる傾向を表すことが多いです。
分かりやすい。

今までのお江戸物語とちがい、所々笑いどころがある。
ランチでご近所のとんかつ屋さん(かならず並ぶ)で読んでいて思わずクスッと。
文庫本片手にニヤニヤ(私的にはにっこり)しているあやしいお客
こういう物語をドラマ化してくれたらおもしろいのに。
人情味あるお江戸物語 おすすめです。

もー★で著せない けど★4つでもよいかな。
ウエザワールドまだまだ続く。



◆お江戸?なぞワード◆

戯作者
戯作を業とする人
特に、江戸後期の通俗作家
https://edo-g.com/tags/view/%E6%88%AF%E4%BD%9C%E8%80%85

三助
江戸時代中頃から現代における日本の銭湯で働いていた、男性労働者
風呂焚きや下駄係、また男湯・女湯で入浴者の背中を流すなど、銭湯における直接間接のサービスに従事
こちら男達の憧れだったらしい(笑)




纏持ち
纏(まとい)とは、江戸時代に町火消の各組が用いた旗印の一種
各組により様々な意匠が凝らしてある。
概ね、上部に組を表す頭があり、馬簾(上部から垂れ下がった細長い飾り)と呼ばれる紙や革製の房飾りがついて、
手に持って振り上げたり回転させると踊るようになっている。
下部は木の棒の柄になっている。
重量は15-20kg前後とかなり重いもので、担いで走ったり、持ったまま梯子に登る、
屋根の上で振り回す等の取り扱いには、かなりの腕力が必要である。

駕籠でサッサ
『深川節』の一節♪
http://www.d-score.com/ar/A07082301.html

供先を切った者
大名行列の前を横切ったり、列を乱すような行為は非常に無礼な行ないとされ、
場合によってはその場での「無礼討ち」も認められていた。

その無礼討ちとは?
切捨御免とは苗字帯刀とともに、江戸時代の武士に認められた、殺人の特権である。
あくまで武士のための建前であり、いざとなったときの弁明のためにあったよう。


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2019-05-23 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『室の梅 おろく医者覚え帖』★★★

胸がどきどき 心臓が早鐘のように鼓動する。
通勤読書復活から一週間
歳を重ねある程度の人格形成が出来てきて、
若いときに比べて色々な意味でまるくなってきたなぁと。
でもでも根本的なところは変わらない。うむ・・
臆病 で 怖がり
試験結果が出たのに怖くて見れないという(汗;)
過去お友達との仲違いのメールの返信が見れなかったと一緒

念頭にあるのに後回しにして読んだこのおろく医者
江戸が舞台の今で言う検死官のお話
まだ外科手術が行われる前で、主人公が初めて執刀した場面がある。
ウエザワールドあるあるの短編で構成されている。




しかし装丁酷過ぎない?



◆お江戸?なぞワード◆
お話によってこんなに変化に富むとはおもしろい。

腑分け
解剖のこと。
江戸時代、解剖されるのは処刑された犯罪者の遺体のみと決められていた。
腑分けは処刑場である小塚原で行われた。
罪人の遺体に一般人が触れることは禁止されていたため、
特別に許可された処刑人が遺体を腑分けし、
医師たちが観察して絵師が遺体の絵を詳細にスケッチした。

下手人(げしゅにんと読)
殺人犯
江戸時代には罪状に応じて6種類の死刑が定められていた。
その中で最も軽い刑罰が「下手人」である。




エレキテルの源内?



エレキテルとは?
江戸時代の博物学者平賀源内が復元した摩擦起電器のことで、
オランダ語(ラテン語)のelektriciteit(電気、電流)がなまったもの
静電気の発生装置
源内は「ゐれきせゑりていと」と表記している。

その平賀源内とは?
享保13年(1728年) - 安永8年12月18日(1780年1月24日))
江戸時代中頃の人物
本草学者、地質学者、蘭学者、医者、殖産事業家、戯作者、浄瑠璃作者、俳人、蘭画家、発明家として知られる。

https://jpreki.com/hiraga/


定斉屋
「じょさいや」ともいう。
江戸時代から行われた売薬行商人の一つ。
夏期に和中散など暑気払いの薬 (定斎) を天秤棒の前後の薬箱に入れてかつぎ、
薬箱のたくさんの引出しの鐶を小刻みに鳴らしながら売歩いた。

艀(はしけと読)
河川や運河などの内陸水路や港湾内で重い貨物を積んで航行するために作られている平底の船舶である。
・・以前も調べたかしら?













ベドジェット100%遅延 信用ならん。
待ち時間ダナンのカフェにて



結果が全て
終わりよければすべてよし

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2019-05-22 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『余寒の雪』★★★

表題作の文学賞を受賞した作品など集めたお江戸短編集
伊三次の世界しか知らなかったからか、
ちょっと物足りなさと言うか次々出てくる新主人公に戸惑いを感じてしまった。
昨年から約半月その世界のお江戸を想像していたから余計に。
同じ江戸の市中に伊三次達が存在している気がした。
髪結いや同心が出て違う名前にがっかり(苦笑)

一つ一つの物語に気持ちが惑わされることがないウエザワールド
こうなったらよいな・・お願い上手くいって・・それを叶えてくれる。

ただお友達曰く松前藩を舞台の物語が異彩を放っている。
苦手と見るか、渋いと見るか(わたしは後者)
松前藩をもっとよく知りたい。重い歴史に惹かれる



引き続き
◆お江戸?なぞワード◆




あられ湯
熱湯の中に炒った霰餠や洗い米を入れ、薄く塩で味を付けたもの。
冬の飲み物として愛好される。

それしゃ上がり
前に芸者や遊女であったこと。 またその人

薦(こもと読)
江戸時代、夜、道ばたで客をひいた下級の売春婦
こもむしろを持っていたところからいう。




肩衣を着け(かたぎぬと読)
その肩衣とは?
古代、庶民が着た、丈が短い袖無しの上着。袖無し。手無し
江戸時代には礼装とされた。

上方へ行く
その上方とは?
江戸時代に京都や大阪を初めとする畿内を呼んだ名称

出奔
徒士以上の武士の失踪

移封と改易
移封
大名の配置替えのこと。
改易
江戸時代には、大名の領地を没収し身分を奪う刑罰を意味

改易大名録なるもの発見
http://roadsite.road.jp/history/kaieki/kaieki-main.html

乱れ籠
風呂場などに置いて脱いだ衣類などを入れる浅い籠

御意(ぎょい・・何か聞いたことあるぞ?)
鎌倉時代~江戸時代に使われていた言葉
現代よりも絶対的な主従関係が存在した時代
その状況下で身分の高い人、目上の人の意見、命令に対して
「おっしゃるとおりでございます」、「承知いたしました」という意味で使われた。

さだの境地
・・・不明 そんなことあるのね。



読書会メンバと飲んで、宇江佐さん三冊GET
『室の梅 おろく医者覚え帖』
『おちゃっぴい 江戸前浮世気質』
『涙堂 琴女癸酉日記』
書いた順番に読むとその作家さんの成長が見られるかなって目線もあるけど、
せっかくなのでお次はこれとゆきましょう^^











フォローしている方のブログにあったように、
朝からマイナスメールを読んだせいか、気持ちがどんよりしてしまった。
勢いで返信しようかと思ったけどやめた。放っておく。
今日という日がよい一日で終わりますよう。



鬼怒川温泉のねこにゃん

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2019-05-20 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『竈河岸-髪結い伊三次捕物余話』★★★

作者逝去のためシリーズ最終章
宇江佐さんを知ったのが昨年で、まさか亡くなっているとは思わなかった。
矢沢と同じ歳ですから!生きていてもおかしくない。
文庫本の記述で知り本当に残念に思った。
ご冥福を心からお祈り申し上げます。

標題の「竃河岸」何と読むでしょう?
https://edo.amebaownd.com/posts/4684287
何だか古地図片手にお散歩したくなる。そんな気分

結構な厚みの文庫本で、終わるのが惜しくて仕方なかった。
最後の最後はニ度読みしての終焉
これで永遠にみんなそれぞれが架空の世界へ解き放たれた。



◆お江戸?なぞワード◆
二六時中
昔、1日が12刻であったところから終日
一日中。また、いつも。
「二六時中警戒にあたる」→四六時中

江戸時代の時刻の制度は、日の出と日没を境に、昼夜をそれぞれ六つに分け、
1日を12刻であらわしていた。
これを、子(ね)の刻、午(うま)の刻などと十二支で呼んだほか、
真夜中の午前0時ごろを九つとして、八つ、七つ、明けの六つ、五つ、四つ、
そして正午ごろを九つとして八つ、七つ、暮れの六つと数字で呼んでいた。
六つとか五つとかの数字は時を知らせる鐘をならす回数からきている。

夜鷹
江戸には、吉原や岡場所のほかに、路上で商売をする遊女もいた。
現代でいう娼婦で、彼女らはそう呼ばれた。
夜鷹は所変れば名も変り、京都では「辻君」、大阪では「惣嫁」と呼ばれた。
江戸で夜鷹と呼ばれた由来をめぐっては、さまざまな説がある。
一説には、夜鷹は夜に活動するので、夜に営業する彼女らの様子が、
鳥の夜鷹の習性に似ているからだという。

舟饅頭
江戸の海辺で小舟で売春した私娼

---

最後コレで〆てよいのかしら(笑)
宇江佐さん次作は『余寒の雪』予定*
なぞワードもまだまだ出てくるはず。
シリーズ物としては「泣きの銀次シリーズ」「古手屋喜十為事覚えシリーズ」
それ以外だと4、50冊ぐらいある。
なので楽しみはまだまだ続く。

宇江佐の輪は私から3人
地元のお友達、同年代の知人、読書好きな知人が手に取ってくれた^^

https://books.bunshun.jp/articles/-/4470





























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2019-05-17 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『昨日のまこと、今日のうそ-髪結い伊三次捕物余話』★★★★+

こちらもGW前に読んだシリーズ第13弾
読んでいる方の想いも溢れ大切な物語の一つに。
まだ読んでいない宇江佐さん作品はまだまだ数多く残っている。
それをこれからの楽しみとし、いつかまた伊三次物語を原点に戻って来たいな。

それぞれの若者たちが人生の岐路を迎える一作
涙なしでは進めない。
ホント親になった気分よ(笑)



◆お江戸?なぞワード◆

襁褓(むつき)
おしめ、おむつのこと。




薙刀
長い柄の先に反りのある刀身を装着した武具

「大名家が改易」改易とは?
大名の領地を没収し身分を奪う刑罰を意味
https://ja.wikipedia.org/wiki/改易#江戸時代に改易に遭った大名

倶利伽羅紋々
倶利迦羅竜王を彫った入れ墨のこと。

柘榴口
銭湯で、浴槽の前方上部を覆うように仕切り、
客がその下を腰をかがめてくぐり抜けて浴槽に入るようにした入口のことをいう。
湯がさめないよう狭い入口となっているのが特徴
http://www.kk-bestsellers.com/articles/-/3013

閨(ねや)
夜、寝るための部屋
寝間。寝室。特に夫婦の寝室

お伊勢参り
その名の通り、伊勢神宮参拝の旅が江戸時代ブームに。
江戸から伊勢神宮までの距離は126里・・往復で252里
1里は4km×252里というと1,008km!!
もちろん徒歩で・・




柳原の土手
神田川下流の浅草御門(現在の浅草橋付近)から
筋違御門(現在の万世橋と昌平橋の中間付近)までの南岸に築かれた土手
柳の木が植えられていた。




錺職人(かざり)
錺師ともいう。
錺(飾り)を主とする職人
錺とは金属加工技術の鎚起(ついき)(金属板をたたいて造形する)のこと。

「引き廻しの行列」その引き廻しとは?
刑務の役人が罪人を引き連れ、もしくは処刑した罪人の首、遺骸を持って、
市中を練り歩いて衆人にさらす刑罰で、付加刑の一種
罪人を衆にさらして見せしめにするとともに、確実に罪人を逮捕、
処刑した事実を衆に示して、権力を誇示する意味があった。




高台茶碗と金沢丹後の菓子
高台が高い飯茶碗
江戸の上菓子屋として有名だった金沢丹後

鈴木亭
https://www.suzukitei.com/

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2019-04-16 | 宇江佐真理(お江戸物語)



宇江佐真理
『名もなき日々を-髪結い伊三次捕物余話』★★★


レビューに「琴線に触れる小説」とあって、上手い!
薦めた男子から想像力豊かな女性の書だと一言有
そうこれは女子目線

みんなそれぞれの世界を生きている。
もしかしたら前世じゃないけど、わたしも江戸で生きていたのかななんて。
どの位置にいたんだろう?あらぬ想像
今じゃ信じられない身分制度、その格差
線引きはしっかりしていて、踏み入れられない領域
それでもその境界線を越えて触れ合う人々
転職を繰り返せる当たり前な今の世の中を思うと、
江戸時代の人達の肝の据わり方の違いをまざまざと感じてしまう。
茜さん辞めてお家に帰れば?
なんてお家騒動に発展・・(怖;)



◆お江戸?なぞワード◆


表徳(雅号)を五渡亭

その表得とは?
徳行をあらわす号
また、雅号・あだ名などを指す。

その(雅号)とは?
近世、通人めかして号をつけることが流行した。

その五渡亭とは?
初代歌川豊国の門人で1844年(弘化1)3代豊国(自称2代)を襲名した。
号は一雄斎、五渡亭、香蝶楼、月波楼、北梅戸、富眺庵など。
また文政(1818‐30)の末年英一珪に師事し,英一(いつたい)とも号す。

間口四間
https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00260/





和三盆
主に香川県や徳島県などの四国東部で伝統的に生産されている砂糖の一種である。
黒砂糖をまろやかにしたような独特の風味を持ち、淡い黄色をしており、細やかな粒子と口溶けの良さが特徴である。
三盆の名は、「盆の上で砂糖を三度「研ぐ」」という日本で工夫された独自の精糖工程から来たもので、高級砂糖を意味する。







これも和三盆?現代風
美味しそうには 見えない。








「普通はそうするんじゃない?」
・・普通 
先日のけんかで、「普通って何なの?」突っ込んでいた。
分かってる屁理屈だってね。


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2019-04-08 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『明日のことは知らず-髪結い伊三次捕物余話』★★★

お風呂にどぼん
ホロ酔い読書は睡魔の元・・★
戻るところがあると、人はどこか安心する。
そこに戻らないにしても支えとなる。
気を張って生きていると自然と肩もガチガチに。
力を抜いてみる。

---

昔はよかったと言ったところで、時間は前に進んでいくばかり。
過去を振り返っても仕方がない。
本作のタイトル通り、明日のことはわからないのである…。

---

さて、何作目?
今作は初心に帰ったような伊三次物語
お文の啖呵も気持ちよい!読み返してしまった!
途中の何作かスピンオフ的に龍之進中心だったから(それはそれでよかったけど)
題名もさることながらやはり原点に戻る。何事もね。



◆お江戸?なぞワード◆

月代(さかやきと読)
江戸時代以前の日本にみられた成人男性の髪型において、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた
(抜き上げた)部分を指す。
さかやきを剃った髪型のことは、野郎頭や半髪頭と表現される。
https://blogs.yahoo.co.jp/pqzxcv1936/66147043.html?__ysp=5pyI5LujIOaxn%2BaIuA%3D%3D




葦簀張り(よしず)
ヨシの茎を編んで作った簀
よしすだれ。人目や日ざしをさえぎるのに使う。






ちろり
酒を温めるための金属製の器
銚釐と書き、直接に地炉の灰中で温める意から地炉裏とも書く。
多くはスズ、銅、銀、真鍮製
一般に筒形で下方がすぼまり上部につぎ口と取手を付け、湯の中に入れて温める。

銭座
江戸時代に寛永通寳を始めとする銭貨を鋳造した組織あるいは機関である。

ヘイサラバサラ
語源は『大言海』にはポルトガル語のヘイサラバサラ(PedraBazoar)で、獣類の胎内に生ずる結石の意
http://www.bajibunka.jrao.ne.jp/blog/column_20150710.html






























試験勉強の合間に読書ではなく、読書の合間に試験勉強
勉強とは言えない・・
なんだかんだと自己理由をつけて先延ばし。

久々にぎゅうぎゅうの通勤快速に乗る。
目の前のコが閉まるドアに挟まれていた・・
そう以前タイ古式のコが満員電車好きって言ってたことを思い出す。
「人肌よくないですか?寄り掛かって寝たり」いやいやいや(汗;)
圧迫潰される中、力を抜き(そうここで実践)前と左隣の男子に寄り掛かり、目を閉じる。

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2019-04-05 | 宇江佐真理(お江戸物語)




宇江佐真理
『月は誰のもの-髪結い伊三次捕物余話』★★★★


つかの間のブランク
手に入らなかった『月は誰のもの』こちら番外編
(って読み始めるまで分からなかった;)
一気に10年が経過した、そのぽっかり空いた火事後の物語

お文と実父との出逢いに今までにないせつなさと、
その二人の想いに心が温かくなって、こういう書下ろしもよいなと。
お文が主人公の話に惹かれる傾向にあるみたい。

そして、龍之進達八丁堀純情派が追っていた本所無頼派
そのリーダー格との出逢い(それも妻が例の芸者だったという(ネタバレ!))
お酒を酌み交わしての会話にも心温かくなった。

---


「へへえ、龍之進はおれに小者をさせるつもりか」
「お望みなら十手と鑑札を与えてもいいぞ」
そう言うと、次郎衛はさらに感激した態になった。
「竃河岸の親分と呼ばれるのも悪くないな」
「悪くない」
「しかし、おれのような男が本当に小者になれるものかの」
「蛇の道はへびという諺もある。昔は悪と呼ばれていたからこそ、わかることも
ある」
「はっきり言うのう。おれは悪か」
「立派に悪だった」
そう言うと、次郎衛は弾けるような笑い声を立てた。
そうして酒を酌み交わしながら、花時の夜は朧ろに更けて行った。月もない夜だっ
た。



---

このシリーズの中でもダントツ^^
ホントよい本に出逢えた。
そう出逢い本です。


---



天網恢々疎(てんもうかいかいそ)
にして漏らさず
その諺は「魏書」という書物の中にあって、万物に巡らされている天の網はあま
りに大きく、その目の粗いようであっても、決して網の外に漏らすことはない。
悪事を働けば必ず天罰が下るというたとえだと教えてくれた。



---



大体のお江戸言葉に通じるようになったけど、
毎度の◆お江戸?なぞワード◆


世迷言
訳の分からないこと、馬鹿馬鹿しい言葉、などの意味の表現。


痞えという病(つかえと読)
胸がふさがったような感じになるの意




緋毛氈(ひもうせん)
緋色の毛氈(フェルト布)のこと。





ももんじ屋
江戸時代の江戸近郊農村において、農民が鉄砲などで捕獲した農害獣の猪や鹿を利根川を利用して江戸へ運び、
その他、犬や狼に狐、猿、鶏、牛、馬など牛肉、馬肉等を肉食させたり、売っていた店のこと。
表向きは肉食忌避があったから、これらを「薬喰い」と呼んだ。
猪肉を山鯨(やまくじら)、鶏肉を柏(かしわ)、鹿肉を紅葉などと称した。
猪肉を「牡丹」、鹿肉を「紅葉」と称するのは、花札の絵柄に由来する隠語の説もあるが、
赤身と脂身の色から牡丹と言ったり、牡丹を模して盛り付けるからとも言われている。
江戸時代では、猪をブタ、野猪をイノシシと読み混合していた。
江戸では両国広小路、あるいは麹町にあった店が有名であった。
獣肉を鍋物にしたり、鉄板で焼いたりし食べていたようで、近代のすき焼きや桜鍋の源流と言える。
幕末には豚肉(猪肉)食が流行し、これを好んだ15代将軍・徳川慶喜は「豚将軍」「豚一殿」とあだ名された。
また、新撰組でも豚肉を常食していた記録が残っている。これら肉食文化は明治初期の牛鍋の人気につながっていった。
百獣屋の字をあてて「ももんじや」としているが、一方で関東地方で妖怪を意味する児童語のモモンジイに由来しており、
江戸時代には尾のある獣や毛深い獣が嫌われてモモンジイと呼ばれたことから、それらの肉を扱う店も「ももんじ屋」と呼ばれるようになったという説がある。


饗応
酒や食事などを出してもてなすこと。きょうよう。


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2019-03-19 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『心に吹く風ー髪結い伊三次捕物余話』★★★★

10巻に到達!
想いもひとしお
先日まで私の心の中にはどうしようもない嵐が吹き荒れていたけど、
時間の経過と共にぱったりやんでしまった。
怒りは消える。
ただ注意しないといけないのは、何事もなかったかのようにすること。

---

「心に吹く風」は、私にとって特別な1作ではなく、伊三次のシリーズの一過程だと思っております。
これからもよろしくおつき合いいただければ幸甚に存じます。
https://books.bunshun.jp/articles/-/2215?page=2 参照)

---

そう言えちゃうところが宇江佐さんの素敵なところ。
私的にはこの伊三次シリーズの中でも印象深い一作
このあとがきの中で宇江佐さんが癌を告白
リアルタイムに読んでいた方には衝撃的だったと思う。
亡くなってから出逢ってしまった私
それでも胸にぐっとくるものがあった。



◆お江戸?なぞワード◆
(更新前に消えてショックmemomemo)

手跡の技
・・・
ちょっとちがうかもだけど。
https://matome.naver.jp/odai/2141145383865006101/2145916483521639503

爪印
自署や花押、また印章などの代わりに手の指先に墨・印肉を付けて捺印したもの。

和泉式部
平安時代中期の歌人
越前守・大江雅致の娘
中古三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人
恋愛遍歴が多く、道長から「浮かれ女」と評された。
同僚女房であった紫式部には「恋文や和歌は素晴らしいが、素行には感心できない」と批評された(『紫式部日記』)
真情に溢れる作風は恋歌・哀傷歌・釈教歌にもっともよく表され、殊に恋歌に情熱的な秀歌が多い。
才能は同時代の大歌人・藤原公任にも賞賛され、赤染衛門と並び称されている。
https://www.seishinin.or.jp/shikibu/




軽業師
見る人を驚かすような危険な動作を、文字どおり身軽な業を演ずる人

見世物小屋とかね。
https://edo-g.com/blog/2016/08/misemono_goya.html



























かわいらしい仏花 お彼岸は雨予報。。

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2019-03-18 | 宇江佐真理(お江戸物語)


宇江佐真理
『今日を刻む時計―髪結い伊三次捕物余話』★★★

人気シリーズ、待望の新章スタート
!?
あの大江戸の大火での龍之進の声がけにホロリとさせられ、
その続きかと思いきやいきなり10年飛んでた。
それも順風満帆かと思っていた龍之進がやさぐれてるし・・
お茶屋に入り浸りよ。
そうですか・・そうきますか・・(笑)
伊三次は厄年ってことで42歳!!おいおいわたしを越えちゃったよ。
目線が変わらざる得ない。
今までそんな衝撃的な大展開がないにも関わらず読ませた宇江佐さん
より一層惹き込まれてしまった第9弾

マジハマリ中
この先の順番が色々な説があって、『月は誰のもの』が手に入ってない。
明後日から帰省 残り全巻持参したいところ。



◆お江戸?なぞワード◆

明暦の大火
明暦3年旧暦1月18日から20日(1657年3月2日?4日)までに江戸の大半を焼いた大火災
かつてはこの年の干支から丁酉火事(ひのととりのかじ)、出火の状況から振袖火事(ふりそでかじ)、火元の地名から丸山火事(まるやまかじ)などとも呼ん
た。

その明暦とは?
日本の元号の一つ。
承応の後、万治の前。
1655年から1658年までの期間を指す。この時代の天皇は後西天皇。江戸幕府将軍は徳川家綱

中風(ちゅうぶう)
中気ともいう。
後天的な半身不随,顔面,腕または脚の麻痺,運動障害などの症候群をいう。
脳,脊髄の炎症や外傷など器質的病変によっても起るが,普通は脳卒中の後遺症として現れるものをさす。




歌川豊国
浮世絵師
(初世)[1769~1825]江戸の人
本姓、倉橋。通称、熊吉。号、一陽斎
歌川豊春の門下で、美人画や役者の似顔絵で人気を博したほか、挿絵など広い分野で手腕を発揮。
また優秀な門下生を育成した。




棒手振り
近世までの日本で盛んに行われていた商業の一形態である。
ざる、木桶、木箱、カゴを前後に取り付けた天秤棒を振り担いで商品またはサービスを売り歩く様からこう呼ばれる。

一挺天符式の櫓時計
「一挺天符」は、棒天符が1本付いている。
鐘の下の、分銅がつている櫛歯状の横棒が棒天符で、往復運動をして、振り子のように時計の動く速さを制御する(=調速機)。毎日、明け六つと暮れ六つに分
銅の位置を移動して、時計の速さを調節する。
四角錐形の台があることから、この形式の和時計を「櫓時計」という。

釣瓶落としの日が暮れて
「秋の日は釣瓶落としの」
秋の日が急に沈むことを、井戸に落とす釣瓶にたとえていう言葉

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