山本周五郎
『さぶ』★★★★+
続々と読み進めてゆきます。
こちらもお昼休みに本屋さんでGETした一冊
図書館に行くのももどかしい?(笑)
--------(抜粋)
大丈夫。独りじゃないよ。
生きる力―人間のあるべき姿を描く、心揺さぶる名作
江戸下町の表具店で働くさぶと栄二。男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶは、深い友情で結ばれていた。ある日、栄二は盗みの罪を着せられる。怒りのあまり自暴自棄になり、人足寄場に流れ着く栄二。人間すべてに不信感を持つ栄二をさぶは忍耐強く励まし、支える。一筋の真実と友情を通じて人間のあるべき姿を描く時代長編
葉室麟「山本周五郎と私 人生の問い」、奥野政元「解説 受難と再生の物語」を収録
注釈付文字拡大新装版
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女衒(ぜげん)
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七の五まできたけど、これは「さぶ」って言うより「栄二」じゃない?
と突っ込みを入れつつ読み進める。
どうしても栄二に寄り添えないため、集中力が切れる。
時代小説を読み始めて数年だけど、時の数え方がイマイチぼんやり。
江戸時代の時の数え方
深夜と昼の十二時前後を「九つ」として、一刻(約二時間)ごとに「八つ」から「四つ」まで減らしてゆく。
栄二が人足寄場送りになったのもあり、やはり寄場を作った「鬼平」の名が何度か出た。
そう鬼平こと長谷川平蔵です。
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九の五(半分過ぎ)
やっぱり「さぶ」じゃなく「栄二」の成長物語
運と不運
どう転がるか。
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「栄ちゃん」と吃りながらさぶが云った、「さぞ―—苦しかったろうな」
同時にさぶの顔がだらしなく歪み、その小さなまるい両眼から、大きな涙が続けさまにあふれ落ちた。
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わたしも一緒に涙ぐむ。
そう「さぶ」が不在な「栄二」メインの物語だからこそ、その大切さが伝わる。
こういう描き方もあるんだなぁ
周五郎さんやっぱり沁みます(『ながい坂』に続く)
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「~どんなに賢くっても、にんげん自分の背中を見ることはできないんだからね」
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よすほうがいい、およしなさいよ清さん。去ってゆく清七の足音をききながら、栄二は心の中で叫んだ。あの女とはうまくいかないよ、おめえまたひどいめにあうぜ。——だが、それが人間というものなのかもしれない、と栄二は自分に云った。よせと云っても、清七は自分のしたいようにするに違いない。この世で生きてゆくということは、損得勘定じゃあない。短い一生なんだ、自分の生きたいように生きるほうがいい、しっかりやってくれ清さん。
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善と悪
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「人間どおしの問題では、いそいで始末しなければならない場合と、辛抱つよく機を熟するのを待つ場合とがある」
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残り火
あぁ涙腺がゆるみっぱなし(。-_-。)
ラストおのぶの言葉にハッとさせられた。
そう題名の「さぶ」には深い意味があったのね。
収録されている葉室麟の最後の一言が「沁みる~」(笑)
受難と再生の物語
(キリスト教絡み?)
またよき一冊に出逢えました。
残り火で思い出した一曲
DOUBLE / 残り火 - eternal BED -
(予約投稿)