マーセル・セロー
訳 村上春樹
『極北』★★★
この危機は、人類の未来図なのか―—
極北 FAR NORTH
2020年1月25日 初版発行
My本箱に眠っていた本
読書会で自ら推薦したらあっさり了承を得た。
何の前情報もなく、表紙と帯を眺めサバイバル小説なんだろうなと。
どこまでも広がる雪原
主人公はどこへ向かうのか。
---著者紹介
マーセル・セロー
1968年ウガンダに生まれ。英国で育つ。
ケンブリッジ大学で英文学を、イエール大学でソヴィエト、東欧の国際関係を研究。環境問題から日本の「わびさび」まで、多様なテーマのドキュメンタリー番組制作に携わるほか、2002年に発表した小説 The Paper Chase でサマセット・モーム賞を受賞
本書『極北』は全米図書賞及びアーサー・C・クラーク賞の最終候補となり、「主要な文学賞が見過ごしている格別に優れた作品」に贈られるフランスのリナペルスュ賞を受賞
その他の作品に Strange Bodies などがある。
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近未来が舞台(最初は北斗の拳「ケンシロウの世界」をイメージ)
しかし砂埃って言うより雪原な世界ってことで、どう想像してよいのか?
アラスカを旅する旅行記の白夜な風景
一体どこに連れてゆかれるのだろう?
とっかかりの率直な感想
3日ぐらいで一気読み(読書会の二日前)
翻訳本はそうしないと横文字→名前と街名等を忘れてしまう。
そのまま読み飛ばすことが出来ない質なので、見つけて納得しないと進めない(^▽^;)
--- Memo(忘れた記憶)
ビル・エヴァンス
カインとアベル(訳注・旧約聖書に登場するアダムとイブの子。兄のカインがねたみから弟アベルを殺してしまう)
ハンソム
囚人たちの中には野獣そのもののような人間がいた。ハンソムと呼ばれる男
善き事ことをおこなうのに言葉はいらない。
ポリン
巨大な工業都市 人口は十万を超えていた。
私はロシアのポリンで生まれました。
私は双眼鏡を上着に入れた。
私がどのような道を選んだところで、結果はいつだって変わらない。いずれにしても悪しきことは起こるのだ。都市は燃える。愛するものは死ぬ。飛行機は墜落する。私は別の飛行機を探す。ようやくそれを見つけたとき、そこにはイーベン・カラードが乗っている。
イーライ・ローゼンバウム
「ルディー・ベラスケスのことを覚えているか?」
どうしてもこの人がどこに出てきたか探したが見当たらず・・(読書会の質問事項①)
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ネタバレかな?
まず主人公の性別の展開に驚く。
「警官」「荒廃した街をパトロール」「独り」
このキーワードから想像しちゃうと(^▽^;)たくましく育ったのね。
そう言えば昔ハムのCMで「たくましく育ってほしい」ってあったよね。
311を彷彿、それ以前にチェルノブイリかな。
でも書かれたのが2011年以前ってことは、チェルノブイリの方かと思われる。
ラストがあまりしっくりこなかった。
そう突っ込みどころ満載
読書会で「新鮮さがないかな」って言ったら即「それは必要ないんじゃない」って。
もっと早く読んでいたらまた違っていたんじゃないかと。
今じゃ当たり前に定着している状況に慣れてしまっているのかもしれない。
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砂川文次『ブラックボックス』です。