◆BookBookBook◆

📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

Y

2018-11-05 | 作家別諸々(や行)
 



山田宗樹
『百年法 ㊦』★★★


続々下巻へ。
色々考えさせられるのはそうだけど、
今の自分の立場から政治家やら国の上層部のことなんて、
表面決定事項しか知らされないから、内部事情なんて皆無
不正を働いたであろうトップが黙認されている国
清き一票が日本を変えると思っていない。
間近な消費税問題すらどうせそうなるのだから足掻いても仕方ない。
将来の不安・・それよりも身近な不安
考えようにも考える気が起こらない。

改めて百年法・・不老不死・・「もし自分だったら」と想像
老いと寿命がある現実だから、表面上若い姿で歳を重ねてゆけたら万々歳!
ただ永遠に生きる?
この生活を永遠に?
眩暈がするね。



---2098年でストップ--- 放置

週末ごろごろ読書でやっと完読

最後の最後上手く纏まったなって。
結局寿命には逆らえないんです。うん。

「あと16年しか生きられません」
想像することはホントむずかしい。
何でもそうなってみないと分からない。

身近でガン宣告・・手術は今週の(金)
「開いてみないと分からない」
70歳 胆管がん 検索 闘病ブログを拝見




























----------------------------


リーマン後10年「次なるリスク」、債務膨張に経済ナショナリズム…



世界経済を襲った「2008年9月15日」は、誤解を恐れずに言えば、日本列島を驚愕させた「2011年3月11日」と同じくらいに忘れられない特別な日だ。
 あの日、全米第4位の投資銀行リーマン・ブラザーズが、当時最大の6390億ドルという巨額の負債総額を抱えて経営破綻した。それ以降世界に広がった銀行不信、株価暴落、景気後退、失業急増などの「悪夢の連続」から10年がたった。

回復した世界経済が抱える
「3つのリスク」

 主要国における銀行支援策や積極的な金融緩和、そして中国の大胆な財政政策出動などが奏功し、世界経済はすっかり立ち直った。
 日本も、当時は需要蒸発、就職氷河期といった暗鬱な言葉が飛び交う経済状況に陥ったが、堅調な海外経済に恵まれて、潜在成長率を上回る経済拡大ペースを維持している。
 深刻な金融危機の温床となった米国の金融システムは規制強化によって健全化し、主要国のGDPは危機以前の水準を上回って、世界各国の株価指数も大幅に上昇している。ゼロ金利や量的緩和といった危機対応の金融政策は、米国を筆頭に修正が進んでいる。
 この回復過程で、欧州でのギリシャ不安や中国からの資本流出懸念など、危機再来への懸念が強まる局面も何度かあったが、世界経済はその都度、難局を乗り越えてきた。そして2017年には「世界同時好況」といったムードに包まれるようになり、少なくとも金融危機の記憶はすっかり風化してしまった、といってよい。
 だが安心していていいのだろうか。
 各国経済をより深く眺めれば、危機が残した爪痕は完全には消えていない。 リーマンショックの「置き土産」として、世界は、債務の膨張、金融政策の迷走、地政学の変貌という3つの潜在的リスクを抱えている。

記録的に膨張した債務
政府の赤字や中国の民間借り入れ

 まず目立つのは、世界各国で増加する負債額だ。
 世界経済が成長軌道に戻ったのと、世界の負債規模が大幅に増大しているのは、コインの裏表のようなものだ。美しい片面のもう一方に、将来のリスクが隠れている。100年に一度といわれた金融危機からの脱却が、経済の自律的回復力だけで達成されたものでないことは明らかだ。
 成長の代償として、世界各国は大規模な債務増を背負った。IIF(国際金融協会)によれば、世界の債務額は2007年の142兆ドルから2008年3月には247兆ドルにまで増加、GDP比で見ると269%から320%にまで拡大している。
 その中枢を占めるのが、政府など公的機関と非金融民間企業の借り入れだ。
 前者は銀行支援や景気対策で各国政府の財政赤字が拡大した結果だ。後者は中国企業を中心とした不動産・建設・資源開発などの投資のための借金である。
 いずれもプラス効果とマイナス効果を併せ持つ負債だが、今後、金利上昇が続くとすれば、変動金利ベースでの借り入れ負担はかなり厳しくなるだろう。
 この負債の増加の中で、イタリアやギリシャなど南欧諸国や日本の慢性的な財政赤字構造や、減税・歳出拡大へ邁進する米国の財政赤字が拡大した。だが公的債務の増加も気がかりだが、昨今の市場がより警戒しているのは、ハイペースで膨らんでいる中国の民間企業の負債残高だ。
 同国の負債水準はさまざまな国際機関や民間金融が推計しているが、現時点で、中国の非金融民間企業の負債水準はGDP比ほぼ200%のレベルにまで達した、との見方が強まっている。
 日本のバブル期でも100%程度だったことを思えば、空恐ろしい水準である。さらにドル建て債務のシェアが高まっていることは、昨今のドル高・人民元安で返済負担が増大していることを意味している。
 これは、リーマンショック後、2008年に中国政府が金融危機対策として発動した財政出動と平仄を合わせて急増した民間負債であり、その中の怪しげな負債が銀行のバランスシートから外されて「理財商品」として個人を含む投資家に転売されていたことも話題になった。
 現在、中国政府は「金融システムの健全化」を掲げて取引の透明化を急いでいるが、過剰投資・過剰生産が常態化している中国経済で、金融問題の是正は容易ではない。
 米国との貿易摩擦が貿易戦争へと転じていく過程で、成長ペースに下押し圧力が強まれば、国有企業といえどもデフォルトリスクに直面する。そんなリスクを回避すべく、いま中国政府は鉄道などインフラ投資増を含めた景気対策を打ち出している。負債額が一段と増加しかねない状況に向かい始めているのである。

金融危機対策の後遺症
正常化に遠い金融政策

 金融危機対策の後遺症として中国経済に現れたのが民間負債の急増だとすれば、低成長の長期化という「難病」に悩まされる日米欧など先進国には、金融政策へのしわ寄せが表面化している。
 その「症状」をなかなか克服できないのが日本であることは、ここであらためて述べる必要もあるまいが、ようやく軌道修正に向かい始めたユーロ圏だけでなく、金利正常化へとかじを切った米国さえも、本来の金融政策の姿を取り戻しているとは言い難い。
 ECB(欧州中央銀行)は10月以降、資産買い入れ額を半減させ、年内に量的緩和策を打ち切る方針を決めた。来年夏以降には利上げも視野に入れており、FRB(米連邦準備制度理事会)に続いて正常化への道を歩むと見られている。
 だが昨年の高成長の反動やユーロ高の影響、そして米国との貿易摩擦などの逆風を受けて、実体経済や物価動向には強い不透明感が漂っている。
 EU内を見ても、ギリシャは支援のプログラムから脱したとはいえ経済・財政の再建には程遠く、ポピュリズム政権が誕生したイタリアは再び財政赤字拡大へ向かう公算が高い。同国の反ユーロ機運はいずれ復活するだろう。
 そして政治経済の中核を担うドイツではメルケル首相の存在感の低下が甚だしく、域内をまとめ上げる政治力が弱まっていることもユーロ圏経済と金融政策を揺さぶる要因になっている。
 欧州には、まだ危機の余韻が漂っているのだ。
 そして量的緩和から脱却して利上げと保有債券減少の「正常化路線」を歩むFRBも、自信満々という印象からは程遠い。
 米国の潜在成長率は戦後で最も低い1%未満の状況にあり、就業を希望しながら仕事に就けないでいる潜在的労働力も、まだ相当存在すると見られている。
 トランプ大統領の減税策や歳出拡大策によって景気拡大期が延びているが、債券市場の利回り曲線は来年後半にも景気が失速する可能性を示唆している。景気後退となれば、FRBはゼロ金利・量的緩和などの再出動や、日本と同様のマイナス金利導入あるいは長期金利の低水準での固定化といった「奇策」を余儀なくされる可能性が高い。
 つまり日本だけでなく欧州も、そして米国さえも、金融政策では、リーマンショック以降の異常な政策からの「本物の出口」を見いだせていないのである。

「異形の大統領」を生み出した
経済ナショナリズムの高揚
 
 そしていま為替市場では、トルコをはじめとしてアルゼンチン、ブラジル、ロシア、インドそして中国などに至るまで、新興国通貨安の嵐が吹き荒れている。
 これは各国における政治経済情勢への懸念にドル高や金利上昇が加わったうえ、トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争を契機とする投資家心理の悪化が重なったものだ。
 関税引き上げという反自由貿易政策への傾斜をトランプ大統領流の脅しと見る向きも多いが、これは10年前の危機と全く無縁の産物ではない。
 1930年代の世界大恐慌が保護貿易の嵐を呼び、それが第二次世界大戦の呼び水になったことは周知の通りだが、2008年の世界的大不況を機に、成長機会が他国に奪われたとの不満が各国の国民の間で強まり、米国内でも保護主義が生まれる下地を形成した、と言ってよい。
 しかも結局、この10年間のリーマンショックからの回復の過程でも、恩恵を受けたのは株や不動産の値上がりを享受した富裕層や、公的支援を受けた金融業界の経営者、デジタル社会の波に乗ったハイテク企業の経営者といった少数の人々だった。
 労働分配率が低下する中で、一般家計の実質所得は低迷したままであり、そんな大衆の不満をうまく吸い上げたのが、2016年の米国大統領選挙で勝利したトランプ氏だった。
「異形の大統領」の出現は、決して偶然ではなく金融史が生んだ1つのドラマなのである。
 その「経済ナショナリズムの高揚」は、地政学の面でも重要な意味を含んでいる。
 20世紀初頭は英国の国際的覇権が大きく低下する世界秩序の転換点だったが、トランプ政権の誕生もまた、米国が戦後に築いてきた世界秩序が崩れる予兆を示唆しているからだ。
 同大統領はカナダや欧州、日本など伝統的な友好国にも背を向け、NATO同盟国のトルコを冷たくあしらい、中国やイランへの敵意をむき出しにする一方で、ロシアには秋波を送りつつ中東ではサウジに極度の肩入れをするなど、世界の安定的な政治経済基盤を揺るがせている。

地政学リスクは
戦後システムの転換につながる

 地政学リスクは、単に目先の株式市場や為替相場を左右するだけの存在ではない。
 歴史的に見れば、地政学の変貌は金融センターの変遷や基軸通貨の代替、通貨制度の変革、資本市場の激変など、経済システムに大振動をもたらしてきた。
 リーマンショックから10年が経過して世界経済は安定したかに見えるが、大局的にいえば我々は「単に余震に気付いていないだけ」という可能性もあるのだ。
 例えば、今日の米中の泥沼の覇権争いは、IMF、世銀、WTOなどの国際機関の存在意義を消失させてしまうことも考えられる。
 深刻な危機を脱して経済成長軌道を取り戻したかに見える米国は、実は危機の残滓を引きずりながら保護主義へ向かい、世界秩序の乱れを引き起こそうとしているかのようだ。
 世界的な債務の記録的膨張、出口なき主要国の金融政策、そしてトランプ大統領の独善的な振る舞いとその「米国第一主義」に厚い支持を寄せる人々の存在は、「次なる危機」への潜在的リスクを示す「炭鉱のカナリア」なのかもしれない。

(RPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社代表取締役 倉都康行)


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ナイトハイク★ | トップ | 帰省 »
最新の画像もっと見る