朝倉かすみ
『平場の月』★★★+
会社のコとの交換読書
初作家さん初耳
朝・・朝井リョウは聞いたことあるけど。
--------(抜粋)
第32回山本周五郎賞受賞
これがリアルな大人の恋愛小説!
須藤が死んだと聞かされたのは、小学校中学校と同窓の安西からだ。須藤と同じパート先だったウミちゃんから聞いたのだという。青砥は離婚して戻った地元で、再会したときのことを思い出す。検査で行った病院の売店に彼女はいた。中学時代、「太い」感じのする女子だった。五十年生き、二人は再会し、これからの人生にお互いが存在することを感じていた。
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初めての作家さんは文体が慣れず、第一章を何度も読みかえすことになる。
解説の中江有里も途中読みかえしている。
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母が亡くなったと報せたかった。一度、会ってほしかった。LINEは送った。そのふたつを送信し、つい「どうせ読まないんだろう」と打ち込んだ。おれがたいへんなときに須藤はそばにいてくれないんだな、と、ふと、思ったのだ。道理が通らないのは分かっていた。青砥が須藤に寄り添いたかったのは、ただそうしていたかっただけで、恩を着せるつもりはまったくなかった。お返しを要求する気もなかったが、胸のなかの真んなかあたりに「おれ、みなしごになったんだぜ」というような、年甲斐もない、甘ったれた、恨み言めいたそんな思いがはっきししない雲みたいに横に長くかかった。
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ここまで号泣した小説は初めてかもしれない。
マジで日曜の朝ぼろぼろ泣いてました。。