北方謙三
『たとえ朝が来ても 約束の街②』
引き続き第二弾
今回の主人公波崎は新参者、一作目の主人公「ソルティ」は脇役へ。
突っ走り型な主人公にあまり同調出来ず。
体調が優れないのもあり、ぼんやり読んでいた。
前作も含めこの二冊は借りた本
その持ち主の上司が突然倒れて半年・・
何と先日未読だったメールが既読になり返事があった!!
たどたどしい内容だったけど、回復傾向なのが分って一安心
--------(抜粋)
かつての仕事仲間であった山崎進一が忽然と姿を消した。
波崎了は自分を裏切り行方をくらませた山崎を追っているうちに、
この街にある「ムーン・トラベル」というツアー会社に、
山崎の妻が勤めている事を突き止める。
そこで「ソルティ」と呼ばれる危険な匂いがする若月真一郎と出会った──。
一度は友人とさえ信じた山崎がなぜ裏切ったのか真相を確かめる。
その為なら死をも恐れない。
自分の信念だけで動く波崎を中心に、周囲を巻き込んだ抗争がはじまった。
孤高の大長編ハードボイルド
--------
オートロックのマンションに侵入するのに、
「俺だ」と手当たり次第言っているのは、
ある意味「オレオレ詐欺の走り?」なんて(笑)
全く笑えない刹那的先生の自殺願望
巻末の試的エンターテインメント論がくどい・・(笑)
---
作者の頭の中の構築された複雑な世界を、そのまますべて作品の中に置き換えることが小説を面白くするわけでは決してない。抽象による単純化もまたエンターテインメントには重要な意味をもつ。何を残して何を捨てるか。北方作品では、そのあたりが実に巧みなのである。冗長で贅肉の付いた肥満作品が多い昨今、書かれていない(作家が書かなかった)部分、削りとった部分の意味を考えてみることも、エンターテインメントの本質を探る上では必要なことではあるまいか。北方作品は、そうしたことを改めて考えさせてくれるのである。
---
◆参考
主な登場人物|BLOODY DOLL 北方謙三/ブラディ・ドールシリーズ刊行開始!